リゾートホテルのような家に仕上げるには? 内装・間取り・外観のポイントをご紹介
2025.11.10
注文住宅のデザイン
Earnest architects
近年、忙しい日常から解き放たれ、心からくつろげる住まいが求められています。
非日常の安らぎを感じながらも、暮らしやすさを兼ね備えた空間は、まさに“日常の中の贅沢”を叶える住まいといえます。
本記事では、そんな「リゾートハウスのような家」を実現するための内装・間取り・外観デザインのポイントを解説。上質な空気感を生むスタイルや設計の工夫を通して、心地よい時間を紡ぐ住まいづくりのヒントをお届けします。
目次
リゾートホテルのような家のテイスト
リゾートホテルのような家を実現するには、まず「どのリゾートをイメージするか」を明確にすることが大切です。
西海岸やハワイ、アジア、地中海、そしてアーバンモダンなど、地域や文化によってリゾートスタイルはさまざま。素材や色使い、照明計画によっても印象が大きく変わるため、理想とする暮らし方に合ったテイストを選ぶことがポイントです。
ここからは、代表的な5つのリゾートテイストをご紹介します。
西海岸(カリフォルニア)リゾート
アメリカ西海岸のビーチスタイルを採り入れたのが、西海岸リゾートスタイルです。カジュアルで抜け感のあるデザインが特徴です。
白やネイビー、淡い木目を基調としたインテリアに、海や西海岸の街並みを彷彿させるラフで、開放的で爽やかな印象に仕上げます。
西海岸スタイルを高級住宅で実現する際は、「カジュアルさ」と「上質さ」のバランスが鍵です。なかでもビバリーヒルズの邸宅に見られるような、白を基調に、天然石や木の質感を活かした上質な素材を組み合わせ、開放感とラグジュアリーを両立させています。外観やインテリアのトーンを統一し、開放感やラフさと上質感を両立させることがポイントです。
ハワイアンリゾート
南国の開放感と自然の温もりを感じられるハワイアンリゾート。白やベージュをベースに、ウッドやラタン素材を組み合わせたナチュラルなインテリアが特徴です。ヤシの葉柄や貝殻をモチーフに添えると、心地良い風が吹き抜けるような穏やかな空間に仕上がります。
ハワイアンリゾートでは、大開口の窓やテラスを設け、屋外とのつながりを意識することで、まるでリゾートホテルのスイートルームのような暮らしが実現します。インテリアの参考としては、ハワイで人気の高い「ハレクラニ」や「ザ・ロイヤル・ハワイアン」などのリゾートホテルが好例です。
アジアンリゾート
バリやプーケット、タイなど、東南アジアの高級リゾートをイメージした、上質で落ち着きのある空間が魅力です。
ダークブラウンの木材と白い石材のコントラストを効かせ、ラタンやバンブーといった自然素材を用いることで、癒やしを感じられる雰囲気に仕上がります。さらに、アメジストやエメラルドのような深みのある色をアクセントカラーとして取り入れると、エキゾチックで華やかな印象を演出できます。ホテルはもちろん、高級スパなどでも取り入れられるインテリアスタイルです。
地中海風リゾート
ギリシャや南フランス、スペインの海辺を思わせる地中海風リゾートは、白い壁とブルーのアクセントが特徴的です。開口部や石材の質感を活かし、テラコッタタイルを採り入れることで、上質さの中に明るく温かみのある住まいを演出できます。窓辺の花やカラフルなモザイクタイルなどで彩りを添え、太陽の光をたっぷり取り込むことで、心地よく開放的な住まいに。地中海のリゾートらしい光と風を取り込む設計にすることで、明るく気品あるリゾート空間が実現します。
アーバンモダンリゾート
都市型ホテルのスイートルームを思わせる、上質でスタイリッシュな雰囲気が魅力なのがアーバンモダンスタイルです。モノトーンやグレージュ、ダークブラウンなど落ち着いた色調をベースに、大理石調の床やガラス、金属素材を組み合わせると高級感が際立ちます。
余分な装飾を省いたミニマルな空間構成にすることで、生活感を抑えた都会的なリゾート空間が完成。また間接照明やアートを巧みに配置すると、日常の中で非日常を感じられる住まいになります。
リゾートホテルのような家に仕上げる内装・間取りのポイント
リゾートホテルのような家を実現するには、デザインだけではなく、日々の暮らしを快適にする間取りや設計にもこだわることが大切です。広々とした空間構成や、自然と調和する開口部の配置、照明や素材の選び方によって、上質なリゾート感が生まれます。
ここでは、リゾートホテルのような住まいをつくるための内装・間取りのポイントをご紹介します。
広々としたリビングにする
リゾートホテルのような家のリビングをつくるポイントは、「開放感」「自然との一体感」「上質な素材感」の3つです。
まず、天井を高くしたり大開口の窓を設けたりして、屋外とのつながりを意識します。外の景色や光、風を取り込むことで、心地よい開放感が生まれます。
壁や床のカラーを明るめのトーンで統一すると、光が柔らかく反射し、空間全体が広く感じられます。家具は低めでシンプルなデザインを選び、視界を遮らないレイアウトを意識することがポイントです。
大きなソファを中心に、自然素材のラグや観葉植物を配置すれば、上質で落ち着いたリゾートの雰囲気を演出できます。
生活感を出さないようにする
リゾートホテルのような家に仕上げるためには「生活感を見せない」工夫が欠かせません。
まず、収納を徹底的に計画しましょう。日用品や家電を見せずにしまえる造作収納やパントリーを設けることで、空間をすっきりと保てます。
また、色数を絞ったインテリアコーディネートも効果的です。ベースカラーをホワイトやベージュなどで統一し、素材の質感で変化をつけると上品に仕上がります。
さらに、配線やスイッチ類を目立たせない設計も大切です。照明は間接照明を中心に構成し、家具は大型のソファでスッキリと。小物は点数を絞ると、ホテルのような洗練された空間を保てます。
ゾーニングを意識する
快適なリゾートホテルのような住まいを実現するには、「ゾーニング(空間の区分け)」が重要です。リビングやダイニングなど来客が集うパブリックエリアと、寝室やバスルームといったプライベートエリアを明確に分けることで、暮らしにリズムと心地良い距離感が生まれます。
音や視線のストレスを軽減し、家族それぞれが快適に過ごせる空間設計を意識することが大切です。動線を整理することで、より洗練された印象とホテルのような落ち着いた雰囲気を演出できます。
吹き抜けを採り入れる
リゾートホテルのような開放感を演出するために、吹き抜けは効果的な間取りです。
縦方向に視界が広がることで、面積以上のゆとりを感じられ、自然光が差し込む空間が実現します。
2階建ての住宅はもちろん、平屋でも勾配天井と組み合わせることで天井高を確保し、リゾート感を強調できます。木の梁を見せるデザインにすると、温もりと高級感を兼ね備えた上質な雰囲気に仕上がります。
大開口を採り入れる
リゾートホテルのような家を象徴するのが、外の景色と一体化した大開口の窓です。主要空間となるリビングやダイニングに大開口を設けることで、室内に自然光があふれ、時間や季節の移ろいを楽しめる住まいになります。
天井まで届くフルハイトサッシや全開口サッシを採用することで、光や風をたっぷりと取り込み、リゾート特有の伸びやかな空気感を実現できます。
また、テラスやプール、ガーデンへと視線が抜けるように配置計画を工夫することで、空間がより広く感じられます。窓枠を極力細く抑えたデザインや、ガラスの透明度にこだわることも、高級感と非日常性を高めるポイントです。
プール・水盤を設ける
プールや水盤などの「水の演出」を取り入れることで、一気にリゾートホテルのような空間が生まれます。水面に光が反射し、天井や壁に美しいリフレクションを映し出すことで、非日常の静けさとリラックス感をもたらします。
屋外プールはもちろん、リビングやテラスと連続する位置に水盤(ミラープール)を設ければ、穏やかな水の揺らぎを室内から楽しむことができます。夜には照明の演出によって水面が幻想的に輝き、まるで高級リゾートのラウンジにいるかのような雰囲気に。
デザイン性だけでなく、安全性やメンテナンス、排水計画まで含めて、建築段階から一体的に計画することが重要です。
照明にこだわる
リゾートホテルのような家を実現する上で、照明計画は欠かせないポイントです。
ホテルらしい空間にこだわるのであれば、明るさで全体を照らすのではなく、「光で雰囲気をつくる」ことを意識すると、上質な空気感が生まれます。
中でも間接照明は、光源を直接見せずに柔らかい光を空間全体に広げ、穏やかなリラックス感を生み出します。
天井や壁に柔らかく光を反射させることで、穏やかで包み込まれるような明るさを演出。テーブルランプやフロアスタンドを組み合わせることで、明暗のグラデーションをつけ光に奥行きを持たせるとホテルのような立体感ある空間に。また暖色系の照明を選べば、温もりと安らぎが際立つ上質な雰囲気に仕上がります。
照明は機能性だけでなく、「感性を満たすデザイン要素」として計画することが、リゾートライクな住まいづくりの鍵です。
リゾートホテルのような家に仕上げる外観・外構のポイント
リゾートホテルのような家を完成させるには、内装と同様に外観や外構デザインも重要です。色や空間設計、植栽など、外観の印象を決める要素を丁寧に組み合わせることで、家全体の統一感と高級感が際立ちます。
ここからは、リゾートホテルのような家に仕上げるための外観のポイントをいくつかご紹介します。
白を基調とした外壁にする
リゾートホテルのような家を目指すなら、外観デザインでまず意識したいのが「白を基調とした外壁」です。白は光を美しく反射し、建物全体に清潔感と開放感をもたらします。海辺のリゾートや地中海沿岸のヴィラを思わせる明るい外観は、非日常の軽やかさを演出するうえでも効果的です。特に晴れた日には青空とのコントラストが際立ち、南国のリゾート地を思わせる爽快な雰囲気を演出できます。
また、白は他の素材との相性も良く、天然石や木、ガラスなどを組み合わせることで、単調にならず奥行きのある表情を生み出せます。夜間は外壁を柔らかく照らすライトアップを施すと、昼とは異なる上質な佇まいを演出可能です。シンプルでありながら、上品さとリゾート感を両立できます。
植栽にこだわる
リゾートホテルのような家づくりでは、植栽計画が空間の印象を大きく左右します。建物の外観やインテリアと調和する植栽を選ぶことで、非日常的なリゾートの雰囲気を一層引き立てることができます。
例えば、南国リゾートをイメージするならヤシやパームツリー、アジアンリゾートならバナナリーフやドラセナ、地中海風ならオリーブやラベンダーなど、テーマに合わせて植物を選ぶと統一感が生まれます。また、背の高い樹木と低木・グランドカバーを組み合わせることで、立体的で奥行きのある庭を演出できます。
単なる装飾としてではなく、建築と一体で計画された植栽は、日常の風景に心地よいゆとりと癒しを感じられます。
アプローチにゆとりを持つ
リゾートホテルのような家を印象づけるためには、建物そのものの他に、来訪者を迎えるアプローチについても考えることが大切です。前面道路から玄関までの距離をゆったりと取り、フロントヤード(前庭)を広く確保することで、邸宅としての品格のあるリゾート感が高まります。
また玄関へと続くアプローチを直線のみではなく、ゆるやかな曲線を描くように設計するのも良いでしょう。先を見せない構成に奥行きと優雅さが感じられ、石畳や植栽、間接照明を組み合わせることで、まるで高級ホテルに足を踏み入れるような期待感を演出可能です。
アーネストアーキテクツが手掛けたリゾートホテルのような家の施工事例
ここからは建築設計事務所のアーネストアーキテクツが手掛けた、リゾートホテルのような家の施工事例を3つご紹介します。
日常にリゾートの要素を
道路側は曲線が、庭側は水平ラインが印象的な住まいです。見る方向によって異なる印象になるのが特徴的。庭には白い小石が敷き詰められ、シンボルツリーであるパームツリーがリゾート感を演出します。
住まいの中心に水盤が設けられており、どこにいても美しい水の流れとその水音を感じられ、リゾート感を満喫可能です。床のレベルを下げて天井高を上げたリビングでは、ソファに座った際に庭の景色をダイナミックに感じられます。
列柱廊があの地に誘う
南欧やイタリアの建物の雰囲気をテーマとしました。建物を道路に接するようにL字に設けて、行きかう人々の視線を遮断。プライバシーにも配慮した仕様になっています。
プライベート空間では南側に向かって開口を取っているものの、建物の周囲に回廊を巡らしているため直射日光の強い日差しを回避できます。またダイニングの手前にある回廊の突き当りにはトップライト(天窓)を設けたテラスを設置。アーチで結んだ柱が奥行きを与え、まるでイタリアのリゾートホテルのような印象です。
光と風を感じるリゾートハウス
多忙でなかなかリゾート地に行けないオーナーのために、自宅でリゾート気分を味わえる住まいを実現しました。両サイドに立ち上げた壁と傾斜した正面壁によって、外部の視線を遮りながらも開放感を確保。3階をメインフロアとし、広いバルコニーを隣接させることで、屋外と一体感のある空間を演出しています。傾斜壁の内側には3階から2階へ流れる滝を設け、涼やかな水音と風が通り抜ける快適な環境を実現。1階には吹き抜けのトップライトやドライエリアを設け、自然光が白い壁に反射して明るさを保ちます。
リゾートホテルのような家で理想の暮らしを
リゾートホテルのような家は、単なるデザイン性だけではなく、日々の暮らしを穏やかに包み込む心地良さと上質さを備えています。自然と調和した素材や光の演出、静謐な空間構成。それらが住まう人の感性を豊かにし、時間の流れさえもゆるやかに変えていきます。
建築設計事務所のアーネストアーキテクツは豊富な実績を持ち、非日常と日常の心地よさを両立する空間づくりを得意としています。ご要望に応じて、敷地特性を最大限に活かしたプランニングを行い、上質な時間が流れる住まいを実現いたします。「自宅を最上のリゾートに――」その理想を私たちが形にします。
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