CONCEPT
高台にある閑静な住宅街に建つ住まいの建て替え計画。オーナーは「飽きのこないデザインにしたいけれど、ガラスの箱のような空間は苦手。ヨーロッパの宮廷を思わせる優美さを感じる住まいにしたい」と希望された。それに対し、視界の広がりを計算して全体をスッキリと見せながらも、ディティールで華やかさを盛り込んだプランを提案。まず、訪れたゲストが最初に目にするエントランスホールには吹き抜けを設けた螺旋階段を配置。ゲストは階段を見上げる形になり、吹き抜けからさらにその先にあるトップライト(天窓)へ視線が抜ける。カッティングガラスを施した扉を開けると広がるリビングダイニングは視線が向かう開口部の壁面に曲線を用いることで更なる広がりを与えた。ドレープの美しいカーテンやエレガントな置き家具が華やかな印象だが、空間そのものは白を基調としたシンプルな仕上がり。キッチンも同じく白を基調としているが、バカラのライトや戸棚のゴールドの金具が指し色になり優美な印象を与える。飽きがこないようシンプルでも無機質に見えず、希望した優美さは細部のディティールで魅せた住まい。