CONCEPT
オーナーは別の設計事務所で別荘を建設された際、思うような建物にならなかった経験から建築素材について学ばれ、豊富な知識をお持ちでした。都心では珍しい二面道路の立地を生かし、庇を大胆に使った水平ラインを強調したデザイン。通常、天然の木材は管理が難しいため外観には使用しないケースが多いが、ケミカルな素材や模倣した素材を好まれず、軒天にも本物の木材を使用し、外観、内観共に使用している木材はすべて天然木。そのため、木が持つ重厚感や質感、趣などが格段に上がった建物に仕上がった。建物全体の調和が取れるよう細部まで気を配り、コンクリート・木・ガラスそれぞれのバランスを図ることで端正な設計を意識し、インテリアは黒やグレーといったシックなカラーリングに天然木を合わせ、家具はモダンテイストを取り入れ均衡をとった。また、玄関からLDK、和室と庭に植えられた豊かな植栽を愛で、都心の暮らしの中に四季を取り込む。「万事徹底」すべてのことに手を抜くことなく、質を追求することで生まれた作品です。