内包する家

計画地はマンション業者と競合して取得したもので、福岡で一番の住まいにしたいとの希望を受けた。個人宅とは思えない地下1階地上5階建ての計画で、地下は緊急時のシェルターとしての機能もあわせ持つ。外観はセキュリティーを重視したデザインで、外壁はオーナーが希望した白の石を採用している。

1階はオーナーの遊びの空間とし、コレクションした愛車の展示スペースとして11台分を確保。日常使いの4台は、交通量が少ない北側の道路に直角駐車を叶えた、計15台の駐車が可能なガレージがある。そのガレージを眺めるゴルフルームとホームバーのあるプレイルームは、プールバーさながらの空間に。愛車を眺めながら、友人とゴルフやビリヤードを楽しむ。

2階は家族の居室とプールやライブラリーのある、お子様の遊び場を兼ねた空間。プールは2層吹き抜けのダイナミックな空間に、滝が流れる圧巻の景色を臨む。室内空間にはつながりを求められたため、仕切り壁にはガラスを多用し、異なる階にいても家族の気配がわかる空間構成とした。

3階はひとつひとつの空間を広く取ったLDKを配置した。リビングは、視線を落とすと吹き抜けを通じて、プールの水景も眺められる設計に。プールから3階のバルコニーに階段でアクセスできるため、泳ぎ疲れたらバルコニーで日光浴もできる、リゾートホテルのような住まい。キッチンの隣にはスタディルームを設け、奥様がお子様の勉強を見守れるレイアウト。

4階は広い水盤のあるバルコニーにBBQグリルを設置した、アウトドアを楽しむ空間。5階は、趣向を変えた和テイストとし、ケータリングを楽しむ寿司カウンターや、まるで旅館のような室内風呂と岩風呂の露天風呂がレイアウトされた空間。多彩なフロア構成だが、外部からはその様子は伺えない。