開閉する二世帯住宅

親世帯は明るく風通しの良い空間を希望され、子世帯はプライバシーを重視した、外からの視線をシャットアウトした空間を望まれた二世帯住宅の計画。子世帯は2階をメインフロアとし、広いバルコニーを設けて外部に面する壁を3m近く立ち上げ、周囲の視線を完全にシャットアウトした。光はバルコニーを介して得ることができ、バルコニーと面した開口は全面開口とすることで外とのつながりを持たせた広がりのある空間に。当初は茶系のコーディネートだったが、完成時はコンクリートやダークカラーのタイルの無機質に風合いに、木材や皮を使ったファニチャーが有機的な要素をプラスしたインテリアとした。

子世帯の寝室は中庭に向かって採光を得たプラン。子世帯が望んだプライバシーを重視した計画が、ここでも生かされている。間仕切り壁を一部とし抜け感を残すことで広がり与え、広すぎても落ち着かない寝室は適度な感覚を大切にした。インテリアは奥のドレッサーに組み子細工を取り入れ、和モダンに仕上げた。

親世帯は3階をメインフロアとし、開放感のある和テイスト。南北にある開口を開ければ風通しが良い空間に。バルコニーの一部に和庭園を設け、和室とバスルーム両方から眺められる仕様とした。

親世帯にある和室のCG。
丸窓障子を開けると植栽を美しく切り取るようにデザインされ、完成時は桃の木が植えられた。