おしゃれな家にするためのポイントは? 注意点や施工事例もご紹介
2025.11.5
注文住宅のデザイン
Earnest architects
洗練されたデザインの家は、暮らす人の感性や価値観を映し出す「作品」ともいえる存在です。おしゃれな家を建てたいと考えたとき、外観のデザインや間取りだけではなく、素材選びや照明計画、街並みとの調和まで、検討すべき要素は多岐にわたります。
そこで本記事では、おしゃれな家に共通する特徴から、設計・デザインのポイント、建築時に押さえておくべき注意点までを丁寧に解説します。記事の後半では、上質な住宅事例も合わせてご紹介します。ぜひ、理想の住まいを形にする参考にしてください。
おしゃれな家の特徴
おしゃれな家には、デザインや素材の美しさだけではなく、空間全体に統一感や調和が生まれています。 ここからはおしゃれな家の特徴をご紹介します。
テイストや色味が統一されている
おしゃれな家の大きな特徴の一つが、外観と内観のテイストや色味に統一感があることです。 建物全体の色調をそろえることで視覚的にまとまりが生まれ、落ち着きと品格を感じられる空間に仕上がります。
まずは「どのようなテイストにしたいか」というテーマを明確にし、外壁から床、インテリアまで同系統の素材や色合いでまとめることが大切です。 例えば、モダンで洗練された印象を演出したい場合は、ベーシックなカラーを基調に金属や石材など硬質な素材を採り入れると上質な雰囲気に。 一方でナチュラルな印象を求める場合は、木目の温もりを感じる素材を採り入れると、自然と調和の取れた空間を楽しめます。
シンプルさも重視される
おしゃれな家を設計する上で重要なのが「シンプルさ」です。過剰な装飾や要素を詰め込み過ぎると、全体の調和が崩れてしまい、雑多な印象を与えてしまいます。 特に壁や床といった面積の広い部分はシンプルなデザインにすることで、空間のバランスを取りやすくなります。
また床材や壁紙を選ぶ際には、単体で見た美しさだけではなく、家具のデザインや窓から見える景色との調和も意識することが大切です。 全体の余白や光の入り方を考慮し、落ち着きを感じられるシンプルな空間を目指してください。
開放感がある
おしゃれな家を建てるには、室内の「開放感」が欠かせません。 広々とした印象を与える大きな窓や高い天井など、空間に縦の広がりをもたせる工夫が有効です。 また仕切り壁や扉にガラスを用いることで、視線の抜けと光の広がりを確保し、空間全体に開放感をもたらします。閉鎖感を抑えながら、音や空調をほどよく仕切ることができるため、デザイン性と機能性を両立した設計手法です。
開放的な設計は家全体に明るさと奥行きをもたらし、日常の暮らしをより豊かに彩ります。
周囲の街並みと調和が取れている
おしゃれな家を実現するには、建物そのもののデザインだけでなく、周囲の街並みや景観との調和を意識することが大切です。街並みと統一感のある外観は、住まい全体の印象をより洗練されたものにします。特に高級住宅街などでは、個性と調和のバランスが求められます。
おしゃれな家にするためのポイント
おしゃれな家を実現するためには、外観・外溝・間取り・内装・窓・照明など、あらゆる要素をトータルにデザインすることが大切です。 単に美しいだけではなく、機能性や快適性も兼ね備えることで、日々の暮らしが格別に豊かになります。
ここからは、家の要素ごとに押さえておきたいおしゃれな家にするためのポイントをご紹介します。
外観
住宅の外観は「象徴」であり、訪れる人の第一印象になる重要な要素です。 おしゃれな外観を実現するためには、以下のポイントを意識してください。
●家の形状
●外壁の種類やカラー
●街並みとの調和
家の形は、長く暮らしても飽きのこないデザインにすることが理想です。
内装はリフォームで変えられますが、外観の形状は簡単に手を加えることができません。
また、外壁の素材や色合いによっても印象は大きく異なります。ナチュラルな雰囲気を求めるならウッド調の外壁を、モダンで落ち着いた印象にしたい場合はダークトーンのカラーを選ぶのもおすすめです。
さらに、周囲の街並みや環境と調和することで、景観に馴染みながらも存在感のある外観となり、上質な邸宅の佇まいを際立たせます。
外構・エクステリア
外構やエクステリアは、住まう人の美意識やこだわりが表れやすい場所です。
建物と同様に、素材やデザインの選び方によって全体の印象が大きく変わります。
例えば、アプローチに植栽と天然石を組み合わせると、四季を感じる上質な雰囲気に。
門まわりやフェンスに木目やアイアン素材を取り入れれば、建物と自然が調和した表情をつくれます。
さらに、樹木や足元を照らすライティングを加えることで、夜には温もりのある幻想的な空間が広がります。
外構は、建物の印象を引き立て、暮らしの豊かさを感じさせる大切な要素です。
デザインと機能をバランスよく整えることで、住まい全体がより洗練された印象になります。
間取り
おしゃれな家を設計する際には見た目の美しさだけではなく、日々の暮らしに寄り添う間取りの工夫も欠かせません。 開放感のある間取りにすることで、空間全体にゆとりが生まれ心地良い暮らしを享受できます。
そこで検討したい間取りの一つが、「吹き抜けのリビング」です。上下階をつなぐ大きな空間が生まれ、自然光がたっぷりと差し込むことで、明るく開放的な雰囲気を演出できます。
また、視線が抜けることで実際の面積以上に広く感じられるのも魅力です。
吹き抜けはデザイン性だけでなく、家族の気配を感じやすいという機能面のメリットもあります。
たとえば、2階ホールとリビングをつなぐことで、階が違っても会話が自然に生まれるなど、心地よい距離感が生まれます。
開放感とデザイン性を両立した吹き抜けは、住まいに上質な印象を与える間取りのポイントです。
内装
内装をおしゃれに仕上げるためには、テイスト・インテリア・配色の統一が大切です。 和風やモダン、エレガント、ナチュラルなど、どのスタイルを選ぶ場合でも「全体の調和」を意識することが大切です。
注意したいのは「こだわり=好きな要素を詰め込むこと」ではない点です。
一つひとつは魅力的な要素でも、全体のバランスを欠くと統一感が失われ、雑然とした印象になってしまいます。 素材や色、照明、家具などの要素を丁寧に選び、全体でひとつの世界観を構築することがポイントです。 落ち着いたトーンでまとめた空間には自然な品格が漂い、訪れる人に好印象を与えます。
窓
おしゃれな家づくりでは、「窓」の設計も重要な要素です。
大開口の窓は開放感を生み、光や景色をふんだんに取り込むことで、空間全体を明るく魅力的に演出します。一方で、都市の景観では難しい場合もあります。ピクチャーウィンドウのように美しい景色だけを切り取る窓や、連続するスリット窓を設けることで、リズムや光の流れを意識した繊細な演出も可能です。
さらに、窓の位置や大きさを工夫することで、自然光が室内に差し込むラインや陰影をデザインすることができます。
光の入り方を計算した窓の配置は、時間や季節ごとに表情を変え、空間に奥行きと豊かな表情をもたらします。
窓一つひとつの設計が、住まいの印象を左右する大切な要素となります。
照明
照明計画は、おしゃれな家の雰囲気を左右する要素です。 光の種類や配置によって、同じ部屋でも印象が大きく変わります。 シンプルな印象にしたい場合は、天井に埋め込むダウンライトや間接照明で仕上げると、すっきりと洗練された印象に。ペンダントライトやシャンデリアなどの装飾性の高い照明は空間のアクセントになります。
また、光の強弱や向きを工夫することで、家具や壁の質感を引き立てたり、空間に奥行きや陰影を生み出します。調光や色温度を調整できる照明を組み合わせれば、昼と夜、季節やシーンに応じて異なる雰囲気を演出することも可能です。おしゃれな家では、光の演出ひとつひとつが、住まい全体の印象を格上げする重要なポイントとなります。
おしゃれな家を建てる際の注意点
デザインにこだわるほど、見落としやすくなるのが「暮らしやすさ」や「機能性」です。おしゃれな家を建てる際は、見た目だけではなく、日々の生活を快適にする設計や素材選びにも配慮しましょう。
ここからは、理想のデザインを実現しながら、長く快適に暮らせる家を建てるための注意点をご紹介します。
光による見え方の違い
内装の建材や色を選ぶ際には、照明や自然光が当たった際の見え方まで考慮することが大切です。
壁紙や床材は、光の角度や色温度によって印象が大きく変わります。サンプルだけを見て決めると、実際の仕上がりとのギャップが生じることもあるので注意が必要です。
例えば、同じ素材でも、電球色では温かみのある印象に、昼白色ではシャープで清潔感のある印象に変化します。 さらに朝日や夕日の自然光の場合も時間帯によって色味や陰影が変わるため、光の表情を意識した計画が求められます。
シーンによって雰囲気を変えたい場合は、調光・調色対応可能な照明を導入すると、過ごし方や時間帯に合わせられます。
素材による印象の違い
おしゃれな家を目指す上で、素材選びは空間の印象を左右する重要な要素です。
同じフローリングでも木の種類や色合いによって、ナチュラルで柔らかい印象になったり、モダンでシャープな印象になります。白い壁も、クロスなのかタイルなのか、あるいは左官仕上げかによって、光の反射や質感が変わり、空間の雰囲気に違いが生まれます。素材の選び方ひとつで、同じ間取りや色でも住まい全体の印象は大きく変わります。
また、小さなサンプルで判断せず、ショールームや実際に使われている事例を見て、素材が空間全体に与える印象を把握することも大切です。 木や石、金属、ガラスなど、素材それぞれの印象を理解し、バランスを考えながら住まいのコンセプトに合ったものを選ぶことが、おしゃれで統一感のある空間づくりには欠かせません。
適切な収納スペースを設ける
どれほどおしゃれで洗練されたデザインでも、部屋が散らかってしまえば台無しです。 おしゃれな家を維持するためには、適切な収納計画が欠かせません。
- 1. 見せる収納と隠す収納のバランス
- 隠す収納:クローゼットや引き出しなどに物をしまい、生活感を抑える。
見せる収納:飾り棚やオープンシェルフでお気に入りのアイテムをディスプレイ。空間のアクセントに。
- 2. 動線に沿った収納配置
- 使用頻度:よく使う物は手の届きやすい位置に、季節ものや頻度の低い物は上部や奥に。
エリア・用途:キッチン・洗面・玄関など、場所ごとの動線に合わせた収納は、暮らしやすさを向上させます。
- 3. デザインと一体化した収納
- 造作家具・壁面収納:空間を広く見せつつ、デザイン性を保った収納が可能。
置き家具収納:壁の色や素材と合わせたり、収納家具は同じシリーズに揃えると目立たずインテリアに溶け込む。
おしゃれな家では、収納は単に物をしまう場所ではなく、空間の美しさと快適さを支える要素です。デザイン性と機能性を両立させ、動線・使いやすさ・空間の統一感を意識して計画しましょう。
家事動線を考慮する
おしゃれな家を追求するあまり家事のしやすさを軽視してしまうと、実際の暮らしに不便を感じることがあります。 家事動線とは、料理・洗濯・掃除などの家事を行う際の移動経路のことです。
家事動線を意識した設計にすることで、日常のストレスを大幅に減らせます。 例えば、洗濯関連の動線をまとめた「ランドリールーム」を設けると「洗う・干す・たたむ」の流れがスムーズになります。 また、家族全員分の衣類を収納できるファミリークローゼットは、収納の場所が分散せず家事負担を軽減できます。
機能的な動線設計は、暮らしやすさと美しい空間の両立に欠かせません。見た目だけでなく、日々の動きやすさにも配慮することで、より心地よい住まいになります。
アーネストアーキテクツが手掛けたおしゃれな家の施工事例
ここからは建築設計事務所のアーネストアーキテクツが手掛けた、おしゃれな家の施工事例をご紹介します。
トラディショナルモダン
都心の住宅地に位置し、プライバシーの確保が難しい住環境における計画です。
外観は、堅牢さとモダンさを持つフォルムに、金属パネルを組み合わせたデザイン。ガラスにはグラデーションのフロストガラスを採用し、周囲の視線を遮りながらも採光を確保しています。室内はモノトーンをベースに、表情豊かなフローリングや天然石をモチーフにしたタイルをアクセントとして配して、明るく開放的な空間に仕上げました。
地平と共に広がる
歴史ある街並みに溶け込む、シンプルで上質な佇まいの住まいです。
過度な装飾を排し、建物の形状や素材で美しさを表現。敷地の奥に建物を配置し、独立した高壁によって外部からの視線を遮り、プライバシーを確保しています。壁には味わいのあるタイルを施し、光と陰が織りなす表情で街並みと自然に調和。門を抜けると庭の緑とともに吹き抜けのエントランスが迎え、あえて動線を長くすることで、ゆとりある贅沢な住まいを演出した設計プランです。
アールの壁の家
建物全体に施された「アール(曲線)」が印象的なデザインです。玄関のドアを開けるとアールを描く壁と伸びやかなエントランスが出迎え、美術館のような空間が広がります。
2層吹き抜けのリビングは扇形の曲線に沿って大開口を設け、西側の公園の借景を楽しめる開放的な設計に。エントランスにはコンクリート打ち放し、床には無垢ウォールナットを用い、シャープさと温もりを両立。リビングの鉄平石の壁が、自然素材の力強さと上質さを際立たせています。
洗練されたデザインで理想のおしゃれな家を実現しよう
おしゃれな家を実現するためには、外観や内装、間取り、照明、素材などの要素を“ひとつの世界観”で統一することが大切です。華やかさよりも、光や素材の質感、空間のリズムを整えることで、心地よく洗練された住まいが生まれます。デザイン性と機能性の両立こそ、長く愛される家づくりの本質です。
アーネストアーキテクツでは、設計士が一邸一邸に丁寧に向き合い、住む人の感性に寄り添ったデザインをご提案しています。雑誌で見るような美しい空間を、ライフスタイルに合わせてデザインします。
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