2025.6.19

注文住宅のデザイン

Earnest architects

高級住宅│和モダンなリビング 大開口

日本の伝統美と現代的なデザインを融合させた「和モダンな家」は、落ち着きや品格を備えた住まいとして注目を集めています。しかし、実際に建てようと思っても、「どこにこだわるべきか分からない」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、和モダンな家の特徴から、デザインのポイントや注意点こだわりたい要素やアーネストアーキテクツによる実例も交えながら、理想の住まいづくりに役立つ情報を詳しくご紹介します。
和モダンの家づくりを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

和モダンな家とは?

和風の高級住宅の外観

和モダンな家とは、日本の伝統的な建築要素と現代的なデザインを融合させた住宅スタイルのことです。木材や竹、珪藻土といった自然素材を活かした温もりある空間に、ベッドやクローゼット、モダンな照明といった洋風の要素をバランスよく取り入れることで、機能性とデザイン性を両立させています。和の落ち着きと現代的な暮らしやすさを兼ね備えた、洗練された住まいが「和モダンな家」の魅力です。


和モダンな家の6つの特徴

和モダンな家には、日本の伝統美と現代的な暮らしやすさを両立させた、さまざまな魅力があります。ここでは、和モダン住宅に共通する代表的な特徴を6つご紹介します。

●シンプルで普遍的なデザイン
●日本の気候に適した住まい
●伝統色を用いたカラーコーディネート
●自然素材を活かした空間
●現代的にアレンジした「和」の空間
●外とのつながりを楽しむ設計


ここからは詳細についてご紹介します。

シンプルで普遍的なデザイン

和モダンな家の特徴の一つは、時代に流されないシンプルで普遍的なデザインです。自然素材の質感や光と影の陰影が際立つ、静かな美しさのある空間が広がります。
障子や木の梁、無垢材の床といった伝統的な要素をさりげなく取り入れることで、上質で落ち着いた雰囲気が生まれます。流行に左右されにくく、長く愛されるデザインが魅力です。

日本の気候に適した住まい

高温多湿な日本の気候に対応した快適な住まいであることも、和モダン住宅の大きな特徴です。調湿性に優れた木材や、通気性のある珪藻土・土壁といった自然素材を用いることで、室内の湿度を適切にコントロールできます。
風通しを意識した間取りや、日射を遮る庇の設計など、日本の風土に根ざした工夫が快適な暮らしを支えます。

伝統色を用いたカラーコーディネート

和モダンな家では、黒・白・茶・ベージュ・グレーといった落ち着きのある色味をベースに、空間全体を上品にまとめるのが一般的です。
藍色やえんじ色など日本の伝統色をさりげなく取り入れることで奥行きを与え、彩度を抑えた色使いにより、穏やかで居心地のよい空間が生まれます。
また、朱赤・金・銀などをアクセントとすることで、和ならではのインパクトがある空間に仕上げることも可能です。

自然素材を活かした空間

木材や竹、和紙や井草などの自然素材がふんだんに使われ、住まいに温もりや安らぎを与えられるのが和モダンな家の特徴の一つです。これらの素材は、見た目の美しさだけではなく、手触りや香り、経年変化による味わいも楽しめます。自然の恵みを取り入れた空間は心を落ち着かせ、日々の疲れを癒やし、心地よい住環境を実現してくれます。

現代的にアレンジした和空間

和モダンな家では、リビングの一角に畳スペースを設けたり、洋室に障子用いた建具を取り入れたりと、和の要素を現代的にアレンジすることが可能です。
完全な和室を設けなくても、「和」のエッセンスを加えた空間を作ることで、機能性と和の趣を兼ね備えた空間を実現できます。

外とのつながりを楽しむ設計

和モダンな家は、自然とのつながりを大切にする設計が多く見られます。坪庭や、枯山水のある和庭園を地窓や雪見障子設け、室内にいながら自然の風景や季節の移ろいを感じることができます。ふんだんに光を取り入れられる設計や、外からの視線を遮る工夫を取り入れることで、開放感とプライバシーの両立を図れます。


和モダンな家を建てる際にこだわりたいポイント

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和モダンな家では、素材や形状、意匠など細部へのこだわりが、住まいの魅力を大きく左右します。ここでは、和モダンな家を建てる際に設計やデザインの段階からこだわっておきたいポイントを、ご紹介します。

屋根の形状と素材

屋根は和モダンな家の外観イメージを大きく左右する、重要な要素です。伝統的な「切妻屋根」や「寄棟屋根」は落ち着きのある印象を与え、「片流れ屋根」や「大屋根」は現代的でスタイリッシュな外観に仕上がります。それぞれの屋根の種類は、以下の通りです。

屋根の種類 概要
切妻屋根 ●木造住宅では一般的な形状
●建物の妻側部分から見ると、三角形に見える
●シンプルかつ安定感があり、伝統的な雰囲気を演出
寄棟屋根 ●屋根面が四方に流れる構造
●落ち着きのある印象で、和モダンにも調和
●どの方向から見ても均整が取れている
大屋根 ●1階から2階など複数階までを覆う大きな屋根形状
●ダイナミックで重厚感ある外観に仕上がる
片流れ屋根 ●一方向に傾斜したシンプルな形状
●シャープで現代的。素材や色次第で和の趣も演出可能

また、屋根の素材選びもこだわりたいところです。瓦は重厚感と伝統美を演出しやすく、金属屋根は軽量で耐久性が高く、スタイリッシュな外観に適しています。屋根と外壁のバランスや、地域の気候風土への適合も考慮して選ぶと、和とモダンが調和した美しい住まいが実現します。

外構

和モダンな家の外構では、素材とデザインのバランスが重要です。大谷石や御影石、鉄平石などを活用して和の趣を加え、門扉や塀には縦格子のルーバーを取り入れることで、和モダンな印象が強調されます。また、コンクリートやガラスなど現代的な素材もバランスよく組み合わせると、伝統とモダンが調和した洗練された印象になります。外構が整えば、住まい全体の完成度も高まります

建具

建具は外観や内装の印象を決定づける大切な要素です。木製や縦格子の玄関扉は、和の趣を演出しつつも現代的な雰囲気を保ちます。
障子や木製の窓枠、縦板張りの戸袋などを使用することで、和の要素を自然に取り入れられます。障子を使用すれば、夜間には室内の明かりが柔らかく漏れ、情緒的な雰囲気を演出できます。

天井

和モダンな家では、天井のデザインにもこだわりたいところです。天井の形状や素材によって、空間の印象は大きく変わります。主な天井デザインには、以下のような種類があります。

天井の種類 概要
折り上げ天井 ●主に中央部分を一段高くして奥行きを持たせたデザイン
●空間に奥行きが生まれ、モダンな印象に
船底天井 ●中央部が両端よりも高く、勾配が付けられた形状
●部屋を広く見せる効果があり、和室でよく使われる
網代天井 ●木材や竹などを薄く加工し、編み込んだ意匠天井
●繊細な表情と和の趣を演出できる

どの天井も、それぞれに奥行き・温もり・趣を感じさせる表情があります。特に間接照明と組み合わせれば、柔らかな陰影が生まれ、落ち着きのある空間に仕上がります。素材や高さの工夫によって、洗練された和モダンな雰囲気のある空間を演出できます。

玄関

玄関は「家の顔」として、訪れた人に和モダンの世界観を最初に伝える大切な空間です。
木や石などの自然素材を使用することで、温かみと落ち着きのある雰囲気が生まれます。さらに、引き戸や石畳の土間、漆喰壁といった伝統的な要素を取り入れることで、和の趣がより一層引き立ちます。そこに現代的な照明やガラス素材をバランスよく組み合わせることで、モダンな要素が加わり、洗練された空間に。伝統と現代が心地よく調和した玄関は、住まい全体のデザイン性を高める鍵となります。

畳コーナー

畳コーナーとは、洋室の中に畳のスペースを設けることで、和の趣を取り入れた空間のことです。リビングの一角に小上がりとして設けるケースが多く、客間やくつろぎの場子どもの遊び場仮眠スペースなど多目的に活用できます。
畳縁のない半畳サイズの琉球畳は洋室にも取り入れやすく、モダンな雰囲気も十分に保てます。また、畳コーナーの天井をあえて低めに設計することで、包まれるような落ち着きと、心地よいくつろぎ感を演出できます。
さらに、畳コーナーを小上がりにして収納や堀ごたつを兼ねると、機能性と両立させることも可能です。空間全体とのバランスを意識した設計が、和モダンな空間には欠かせません。

照明

和モダンな家では、照明は空間の印象を大きく左右する重要な要素です。大きな窓や複数の開口部から自然光を取り入れて明るく開放的な空間をつくる一方で、あえて光を抑えた落ち着きのある空間を設けるのも和モダンならではの魅力です。
空間の用途に応じて明るさや色温度を調整することで、趣のある空間が生まれます。和紙や竹などの素材を用いたペンダントライトや間接照明によって、優しい光が室内を包み、視覚的な癒しと情緒を演出できます。

和モダンな家にふさわしい庭づくりには、落ち着きのある和の趣と、洗練された現代的なセンスをうまく組み合わせることが大切です。灯篭や庭石を効果的に配し、現代アートのような枯山水庭園や、水盤・つくばいによる水の演出を取り入れることで、静けさのある和の風情が生まれます。
また、桜や紅葉など四季を象徴する樹木を植えることで、日々の暮らしの中に季節の移ろいを感じられます。
庭と自然につながるように開口部の配置を工夫し、日常のなかで自然との一体感を感じる、心豊かな住空間を得られます。


和モダンな家を建てる際の3つの注意点

素材やデザインにこだわる和モダンな家では、全体のバランスや暮らしやすさにも配慮することが大切です。以下の3つのポイントを押さえておくことで、住まいとしての快適性とデザインの調和を両立できます。

●内装や外装だけでなく家具の色味や質感にもこだわる
●生活動線やコンセントの位置・数など細部の計画
●外からの視線やプライバシーへの配慮


それぞれのポイントについて、詳しくご紹介します。

内装や外装だけでなく家具の色味や質感にもこだわる

和モダンな家づくりでは、内装や外装だけではなく、家具の色味や質感にもこだわりましょう。茶色や紺色、グレーなどの落ち着いたくすみ系のカラー基調にすると、空間全体の統一感を得られ、上品さが宿ります。特にソファやダイニングセットなどの大型家具は空間に与える影響が大きいため、慎重に配色や素材感を検討しましょう。
朱色や黄金色などの和を感じさせるアクセントカラーは、クッションやランナーなどの小物に取り入れることで、空間に華やかさや個性を加えられます。一方で彩度の高いビビットなカラーは空間から浮いてしまうことがあるため、使用は控えるのが無難です。

生活動線やコンセントの位置・数など細部の計画

和モダンな家では、見た目の美しさだけでなく、毎日の暮らしやすさを支える実用面の配慮も欠かせません。家族構成や将来のライフスタイルの変化を見据えて、生活動線の計画を建てることも大切です。
また、雰囲気を優先するあまり、コンセントの数が不足したり、使いにくい位置に設けてしまうと、日常の中でストレスの原因となります。家具の配置や家電の使い方を想定しながら、コンセントの位置と数を適切に配置することが重要です。
間取りや動線の設計では、プロの視点を取り入れながらも、実際に暮らす家族の目線で細部を確認することが、快適な暮らしにつながります。

外からの視線やプライバシーへの配慮

庭とのつながりを意識した和モダンな家でも、プライバシーへの配慮は不可欠です。大きな開口部(窓)を設ける場合には、外部からの視線に配慮した設計が求められます。
開口部には縦格子やルーバー、植栽などを効果的に活用することで、光や風を取り込みながらも視線を柔らかく遮ることができます。都市部では隣家との距離や視線の高さを考慮し、借景やロケーションを生かしたい場合ではつながり感じる設計に。開放感とプライバシーを両立させることで、心地良く快適に暮らせる住まいが実現します。


和モダンな家の事例3選

ここからは、設計事務所・アーネストアーキテクツが手がけた和モダンな家の事例を3邸ご紹介します。設計コンセプトやインテリアの工夫に注目してみてください。

素材の趣を堪能する

高級住宅の外観│和モダン
高級住宅│リビング階段 大開口

都心では珍しい二面道路の立地を活かし、庇による水平ラインを強調したデザインです。コンクリート・木・ガラスの調和を図り、外観・内観ともに天然木を使用。素材がもつ重厚感を引き出しました。インテリアは黒やグレーといったシックなカラーリングに天然木を合わせ、家具はモダンテイストを取り入れて、均衡を図っています。玄関からLDK、和室、庭へと続く動線には豊かな植栽を配して、都会の住宅街で四季を感じられる暮らしを叶えました。

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奥ゆかしさを纏った家

高級住宅の和モダンな外観
高級住宅の和モダンな廊下

日本独特の文化である「奥ゆかしさ」を建築に反映させた、和モダンな家です。外観では水平なラインを重ねて、モダンなフォルムに和の趣をプラスしています。リビングとダイニングキッチンのインテリアはモダンに寄せ、そこからつながる庭は和の雰囲気に。また開口をあえて低い位置で連続させて設けることで、窓の外をより大きく見せられます。ゲストルームを兼ねた和室は、床の高さを変えることで日常とは切り離された空間を演出しました。

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グレーの濃淡

高級住宅の外観デザイン
高級住宅の坪庭

グレーを基調としたモダンな外観と内装が特徴の家で、濃淡の使い分けにより洗練された空間に。モノトーンで統一しつつも、丸窓や杉板の木目を転写したコンクリートを使うことで、無機質になり過ぎず温かみを感じさせる設計になっています。坪庭には池を設け、和室から眺められるようにしました。リビングダイニングキッチンでは、木の質感や丸窓が空間のアクセントになり、スタイリッシュでありながらも和の雰囲気を感じられます。

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まとめ【和モダンな家】

和モダンな家を建てるには、素材や色の選び方、空間の構成にまでしっかりとこだわることが大切です。
私たちアーネストアーキテクツは、各分野の専門家がプロジェクトごとに最適なチームを組む「組織設計」によって、お客様の想像を超える作品を生み出しています。これまで数多くの和モダン住宅を手がけてきた実績がありますので、「モダンな住まい」「和モダンの家づくり」をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

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