CONCEPT
海が目の前に広がる抜群のロケーション。経営する会社の保養施設としても使用できるようにとの希望を受けて、テーマごとのカラーリングでまとめた3室のゲストルームはホテルの一室を思わせる。海側にあった電線は電力会社と交渉を行い1.2m下げ、敷地の高低差を活かして各室の配置や高さを調整することで開口で切り取った景色には、余分なものが入らないように配慮した。外観は太陽の位置によって陰影の変化が楽しめるように7方向に角度を変えた白い壁で構成していて、海の景色を見ながら時の経過を楽しめる空間に仕上げている。屋外プールは温水で使用でき、季節を問わず活用が可能。パーティールームやホームジム、サウナ、岩盤浴にマッサージルームも完備され、まさにリゾートホテルのような心地よさを叶えた。海だけを臨み、周囲の環境をシャットダウンした別荘で海との対話を楽しむ。半年を要した市街化調整区域への建築許可、硬い岩盤への杭施工や近隣の土砂崩れなど苦労もあったが、雄大な海を前にすべてが報われたことを実感できる建物となった。