CONCEPT
オーナーが希望されたのは修道院のような質実剛健の住まい。街を眼下に臨む閑静な高台の立地を生かすため、道路側に建物を寄せて、眺望の良い庭をL字に配して広く取った。道路面の開口は2階にひとつだけとしたが、石積みの塀が曲線を描くことで閉塞感や圧迫感を与えないデザインとした。エントランス前のアプローチは回廊をイメージし、柱の太さを変えたCGを何枚も描いて、太すぎず細すぎない適切なサイズを算出したこだわりの空間に、ブラケットライトがロウソクのように灯る。建物はできるだけミニマルにスッキリとした収まりやラインを意識して空間の彩りはインテリアで行い、ひとつひとつのアイテムが生きる仕様に。1階はLDKとゲストルームがあり、2階は書斎と寝室に水回りがレイアウトされた。都会の喧騒を離れ、緑豊かな庭と眼下の広がる街を眺めながら静かな時を紡ぐ。