CONCEPT
南ヨーロッパの建物が好みだというオーナーのご希望に応えた住まい。温かい日差しに快活な雰囲気の街並みに佇むように、シンメトリックな白い壁に爽やかなブルーのオーニングと優美な黒いアイアンが調和をなす外観。そのファサードは上質なエレガントさを醸し出して優雅な都市景観を創り出している。計画は将来のことを考え、ご夫婦とご子息の世帯を別けた二世帯住宅。敷地は交通量の多い道路に面した縦長の形状で、建物のコアとなる楕円の中心部に螺旋階段を配置して、家族各々のスペースを四方に振り分けた。この楕円のコアの左右に中庭を設け、縦長の形状でも南側からの採光を可能にして、奥の部屋にも光を届けるよう配慮している。各スペースの振り分けにより、それぞれの空間はゾーンとして存在感を放ち、同時に中心となる楕円のホールでつながり、左右の中庭によって家族は均等に光を感じることができる。それぞれの空間ごとに美しいシーンを大切にした構成は、日常生活のワンシーンが映画の情景のように暮らしを彩る。