繊細さを包括するダイナミックな家

コンクリート、金属、石、複数の無機質なマテリアルを使用した外観。車移動が主となったお母様の送迎が行いやすいように、広い石畳の車寄せを設け、2か所の出入り口を設けることでスムーズな乗車を叶えている。当初、外構は以前のものを活用する予定でしたが、スタイリッシュな外観に合わせ、外構もコンクリートの打ち放しに変更。建物全体の統一感と完成度を上げた。

大きな車寄せがある外観のファサードを描いたCGは、完成時と変わらない仕上がり。出入口を人と車に分け、正面が人用の出入り口で車は左側の壁面に２か所設けた。

エントランスには旧家にあった巨石を、オブジェとしてディスプレイに活用する計画。思い出の残る旧家の要素を新しい住まいにも取り入れた提案を行った。無機質なモダン建築にごつごつとした岩肌の荒々しさが映える。また、2層吹き抜けのダイナミックな空間を、更に迫力がある空間へと昇華させたアイディアでもある。そんな迫力がある空間をCGでも見事に表現した。

子世帯のダイニングは天井高5.8ｍでエントランスからダイナミックな空間が続く。外観からコンクリート打ち放しの無機質な素材を使い、ガラスと合わせてクリーンなイメージに。旧家の植栽を用いて、その威風堂々とした雰囲気を室内にも取り入れる計画とした。CGはほぼ完成形の仕上がりで、完成時はスクエアな形状のペンダントライトがプラスされた。

格子を印象的に使用した和室。リビングダイニングは洋風の庭としたが、和室から臨む庭は和の趣を感じる和庭園に。ひと続きの庭でも徐々にイメージを変えることで、異なる雰囲気を楽しめるように配慮した。正面のポイントウォールは錫色の和紙を使用し、コンクリート打ち放しを使った他の空間とのつながりを意識している。