光と風を感じるリゾートハウス

リゾート地が好きだが、多忙のため出掛けることができないと語ったオーナーのため、自宅に居ながらリゾート気分が味わえる住まいを提案した。両サイドに壁を立ち上げ、傾斜させた正面の壁が周囲の視線を完全にシャットアウト。傾斜した壁の内側は3階と2階を結ぶ滝となり「癒し」の象徴とした。また、プライバシーを守るこの壁がフィルターとなって砂や埃を防ぐため、開口を開け放つことができる風通しの良い空間を叶えている。

暗くなりがちな1階は3層吹き抜けのエントランスに設けたトップライトと和室に面したドライエリアから光を取り込み、純白の壁に光が反射する。外部をシャットアウトし、光や風を巧みに取り込んだ都心で自然を感じる住まい。千本格子で囲まれた手前の和室は、吹き抜けの天井など開放的な空間でモダンなエントランスホールと和の空間をつなぐアプローチの役割も果たす。

メインフロアの3階LDKのCG。CGはキッチンからの視線で描かれている。庇をイメージしたチーク素材の天井と、テラスとフラットにつながる床が内外を一体化。外部と内部がつながる、リゾート感のある安らぎのリビング。インテリアは天井に使われたチーク材をポイントに、落ち着きのある大人のリゾートを目指した。

リビングとフラットにつながるテラス。ガラスのルーフがあり、光は通しながらも、突然の雨に降られても、問題無く過ごせる空間です。また、正面には2階へと落ちるウォータースクリーンの滝が流れていて、リゾート雰囲気を盛り上げる。この滝は外観のデザインを活用して、正面の大きな壁面の内側がウォータースクリーンが流れる滝の壁。CGではウッドデッキになっているが、完成時はリビングと同じタイルが使用された。

滝が落ちる2階は主寝室があり、目の前には滝つぼのような水盤が広がる。できるだけ、エアコンなどは使わず自然の風を感じられる暮らしを希望されていたオーナー。その願いに応え、寝室は窓を開けたまま眠りにつくことができる空間に仕上げた。水盤は手前と奥で深さを変え、寝苦しい夜は水浴びをしてクールダウンすることも可能。テラスは外部からの侵入が困難なため、夏は開口を開け放って涼やかな風と水の音をBGMに眠りにつく。