自然に抱かれ悠久の時を過ごす

海へ下る急峻な傾斜地の造成からはじまったプロジェクト。傾斜地のため建物の2階部分にアプローチを設け、お客様を招く機会が多いことから、アプローチや車寄せを広くレイアウトし、ゲストを招きやすい空間を整えた。外観はベージュと黒の左官で仕上げられ、ガラスの硬質さも相まってクールな印象仕上がっている。CGで描かれた外観は、ゲートとの関係性がわかる。

インテリアは無駄を省いたシンプルな美しさの中に、レザーの床や石造りの壁面など上質な素材を合わせることで生まれる、洗練された空間を意識した。海を一望するリビングには波をモチーフにした照明が外の景色とリンクする。LDKのCGは当初、リビング、タイニング、寛ぎのスペースという配置でしたが、完成時は一番奥にダイニングに配置し、リラックス空間を繋げ、ダイニングはガラスの仕切りを設けて空間を別けている。

オーナー念願の天然温泉を引いたバスルームにはサウナと水風呂も完備された。リビングやエントランスホールでポイントウォールに使用しているダークグレーのタイルをバスルームにも用いて住まい全体の統一感を図る。CGでは、2面の開口や手前のガラスの戸。天井のフローリングや床面と壁面に使用したベージュのタイルなど、完成時と変わらない仕上がりとなっている。

ゲストルームとしても使用する和室。琉球畳や縁側のような板の間。襖の和紙のデザインや飾り棚の位置までリアルに再現された和室のCG。完成時は板の間に小ぶりな椅子とテーブルが置かれ、まるで温泉旅館の客室のような空間となった。