高級感あふれるリビングにするには?美しさと機能性を両立させるコツや事例をご紹介
2025.8.11
高級注文住宅
Earnest architects

高級感あふれるリビングを実現するには、ただ美しいだけではなく、住む方の価値観やライフスタイルを丁寧に映し出すことが大切です。本記事では、上質なリビングを叶えるための設計ポイントや、美しさと快適さを兼ね備えた空間づくりのコツをご紹介いたします。
優雅で洗練されたリビングを実現したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
リビングの設計・デザインが重要な理由

リビングは住宅の中でも主要な空間であり、家族が長く過ごすだけでなく、お客様を迎え入れる場としても重要な役割を担います。また、住み手のこだわりや価値観が反映されやすい空間でもあります。
ここからは、リビングの設計・デザインが重要な理由をご紹介します。
心地よさの重要性
リビングは家族が自然と集い、くつろぎながら団らんを楽しむ空間です。だからこそ、リビングは住宅の主要空間であり、心地よさを感じられる設計やデザインが欠かせません。しかし、その心地よさの基準は人それぞれで、家族によっても異なります。明るく開放的な空間に安心感を覚える方もいれば、包まれるような落ち着きのあるこもれる空間を好む方もいます。大切なのは、そこで暮らす家族にとっての“心地よさ”を明確にすることです。心地よさを追求することで、家族が自然と集まりたくなるリビングが完成します。
お客様を迎える場
リビングは家族だけではなく、お客様を迎える場としても活用されます。以前の高級住宅は応接室を設けるスタイルが一般的でしたが、現在はリビングを広く開放的に計画し、そのままゲストをもてなす設計が主流です。また、家族のプライベート空間と分け、ゲストをもてなす「フォーマルリビング」を設けるケースもあります。
訪れる方にとって、リビングはその家全体の印象を左右する場所といえます。そのため、インテリアの選定や空間構成には細やかな配慮が必要です。来客が多い場合はホームパーティーなども想定し、リビングとテラスがひと続きになる間取りなど、動線や家具の配置など細やかな配慮が、高級住宅には求められます。
こだわりを映し出す場所
滞在時間が長いリビングは、住む方の価値観やライフスタイルが色濃く反映される空間です。
家具や照明、素材の質感など、日常に触れる要素一つひとつにこだわりを活かすことで、より愛着のある空間になります。設計段階から「どのように過ごしたいか」を明確に描くことが大切です。家族で過ごす時間を想像しながら、理想の暮らしに寄り添ったデザインを選ぶことで、個性が生きる高級住宅らしいリビングが実現します。
高級住宅らしいリビング10のポイント

高級住宅らしいリビングにするには、空間全体の構成や見せ方を工夫する必要があります。ここからは、洗練された空間を演出するためのポイントをご紹介します。
1.ゾーニングを意識する
高級住宅のリビングは明確なゾーニングがなされています。ゾーニングとは、空間の用途に応じてエリアを区分けし、配置や関係性を決める設計手法です。
例えば、リラックスするためのソファスペースと、会話を楽しむエリアを分けて設けることで、空間全体にゆとりが生まれます。また、読書や趣味を楽しむコーナーや造作家具による収納スペースを配置することも、一つの工夫といえます。
空間の用途を明確にしながら、視線や動線を意識したゾーニングを行うことで、無駄のない美しいリビングが完成します。
2.フォーカルポイントを採り入れる
高級住宅らしい高級感を演出する上で有効なのが「フォーカルポイント(視線の集まる場所)」の設定です。リビングに入った際、自然と視線が集まる場所に美しい要素を配置することで、空間全体の印象を高めます。
例えば、壁面に大判のアート作品を飾ることや、暖炉・意匠壁などを設けることで、空間に視覚的なアクセントが生まれます。壁の一部の仕上げを変えた「アクセントウォール」なども有効です。
3.統一感のあるコンセプトにする
高級住宅は、一貫したコンセプトを持たせることが大切です。リビング単体が美しくデザインされていても、周囲の空間とテイストが合わない場合、全体の印象は損なわれてしまいます。リビングとダイニングが一体となった空間であれば、同系色のトーンでまとめ、素材感やデザインの方向性もそろえることが大切です。リビングと隣接するテラスや玄関からの動線にも同様の世界観を持たせることで、住まい全体として洗練された印象に仕上げられます。
4.シンプルな配色にする
室内の配色は、空間の印象を左右する重要な要素の一つです。高級感を演出するには多色使いを避け、できる限りシンプルにまとめるのが効果的です。ベージュやグレー、ホワイトなどの同系色でトーンを整えると、空間に落ち着きと洗練された雰囲気が生まれます。アクセントにブラックを取り入れることで空間全体を引き締め、モダンな印象を与えることも可能です。
配色に迷った際は、ベーシックカラーを軸に構成することで、上質で調和の取れたリビングに仕上がります。
5.生活動線を考慮する
高級住宅の生活動線は、ゆとりと快適性を重視して計画することが重要です。まず、パブリックとプライベートを分離させ、プライバシーを守りつつスムーズにゲストを案内できる構成が求められます。次に、キッチン・パントリー・ランドリー・クローゼットを効率的に結び、家事の負担を軽減する動線計画が有効です。廊下を減らして回遊性を持たせることで開放感を高め、視線がプライベート空間に直接届かない工夫も上質さにつながります。また、テラスやバルコニーなど屋外を日常生活に組み込む動線を確保することで、屋外空間の使用頻度が高まり、自然で豊かな内外一体の暮らしが実現します。
6.照明にこだわる
高級住宅の照明計画は、明るさだけでなく雰囲気と機能性を兼ね備えることが重要です。
天井照明に加え、間接照明やフロアライトなど複数の光源を組み合わせ、調光できるようにすることで空間に多様な表情が生まれます。色温度はリビングや寝室では暖色系で落ち着きを、キッチンやワークスペースでは昼白色で作業性を確保するなど用途に応じて使い分けます。さらに、アートや素材壁にスポットライトを当てるアクセント照明を加えることで、高級感と個性を演出可能です。調光・調色機能を備えたシステムを導入することで、シーンに合わせて光を自在に楽しめます。
7.天井にこだわる
高級住宅の天井には、デザイン性と機能性を両立するさまざまなこだわりが込められています。まず天井高を確保することで、開放感とゆとりのある空間を実現。吹き抜けや勾配天井など変化のある構成は、ダイナミックで印象的な雰囲気を生み出します。素材には羽目板や天然石調仕上げを用いて質感を際立たせ、漆喰や特殊塗装による柔らかな光の反射も人気です。さらに折り上げ天井と間接照明を組み合わせることで、空間に奥行きと高級感を演出。スピーカーや空調などの設備を美しく組み込むことで、デザインを損なわず快適性も確保します。
8.家具にこだわる
高級住宅のリビングにおける家具選びは、空間の完成度を左右する重要な要素です。
広いリビングでは家具が小さすぎると間延びして見えるため、空間のスケールに合ったサイズと配置計画が欠かせません。また、高級住宅では海外ブランドの家具を使用するケースも多く、サイズ感が国内製品とは異なるため、特に注意が必要です。素材は天然木や本革、上質なファブリックなど質感の良いものを選び、仕上げやディテールにもこだわります。デザインは建築や内装との調和を重視し、カラーやスタイルを統一することで全体が美しくまとまります。
9.アートや観葉植物を採り入れる
高級住宅の広々としたリビングの壁や床は余白が生まれやすく、物足りなさを感じることがあります。そこで活躍するのがアート作品や観葉植物といった装飾要素です。
アート作品はフォーカルポイントとして空間に彩りを与えるだけではなく、住む方の感性を表現する要素でもあります。高級住宅では空間に合わせて絵画やオブジェをオーダーするケースも少なくありません。
一方、観葉植物は生命力や潤いをもたらし、安らぎを演出します。希少性の高い品種やダイナミックな枝ぶりの鉢を選ぶことで、植物そのものがインテリアの一部となり、空間に豊かな表情を加えます。
10.室内環境を整える
高級住宅における快適なリビングには、過ごしやすさも求められます。特に温熱環境や自然光といった室内環境は、日々の満足度を大きく左右します。
高性能断熱材と効率的な空調設備で一年中快適な温度と湿度を保ち、床暖房や換気システムや空気清浄機を活用することで、過ごしやすい室内環境を整えます。また、防音材を使用し、外部騒音を遮断。採光計画では日射の調整を考慮した設計が求められ、快適な居住空間に無くてはならない要素です。
リビングでデザイン性と機能性を両立させるためのコツ

高級住宅のリビングに求められる「デザイン性と機能性」。この2つを両立させるためのコツをご紹介します。
メンテナンスしやすい素材を使用する
リビングに使用する内装材や仕上げ材は、見た目の美しさだけではなく、メンテナンス性も大切です。
天然の大理石は高級感にあふれた素材ですが、酸や水分に弱い傾向にあり、定期的なメンテナンスが欠かせません。一方、大理石調のタイルは見た目の高級感を保ちつつ、汚れや傷に強い利点があります。また、床暖房を使用する場合は天然石よりも熱伝導率に優れたタイルの方が適しています。用途に合わせた床材や壁材を使用し、意匠性と耐久性のバランスを見極めることが大切です。
スマートホーム化する
高級住宅におけるスマートホームは、快適性と利便性、セキュリティを高度に融合させた先進的な住まいの形です。照明や空調、カーテン、セキュリティシステムなどをスマートフォンや音声で一括管理できることで、生活のストレスを軽減し、日常をより豊かにします。
例えば、外出先からでも室内温度を調整したり、帰宅時に自動で照明や音楽をオンにするなど、居心地の良さを追求したシステムが導入されています。さらに、監視カメラやセンサーによる防犯機能も強化され、高齢者の見守りや非常時の通報など、安全面にも配慮されています。高級住宅ならではの美しいデザインと一体化したスマート機器の設置は、空間の調和を損なわず、洗練された暮らしを叶えます。
十分な収納を確保する
リビングは、生活の中心となる空間です。美しさを維持するためには、生活感を出さないスマートな収納計画が必要です。
特におすすめなのが、空間に合わせて設計する造作収納や壁面収納です。造作収納は家具を置かずに壁面と一体化させるため、空間を広く見せながらも必要な収納力を確保できます。壁一面に設けた棚や扉付きの収納は、来客用のグラスや食器、季節の装飾品、AV機器などをすっきり収めるのに便利です。オープン棚を組み合わせれば、アートや書籍を飾るギャラリー的な演出も可能です。また、リビングとキッチンの間にパントリーを設けると、収納効率が上がり、美しい空間を無理なく維持できます。
バリアフリー設計を意識する
高級住宅のリビングでは、誰もが心地よく過ごせるようバリアフリー設計を意識することが大切です。
床の段差をなくすことでつまずきや転倒を防ぎ、将来車椅子を使う可能性にも対応できます。広めに確保した出入口や廊下は、ゆとりある動線を生み、日常の動きもスムーズにします。床暖房を採用すれば足元からやさしい温もりが広がり、ラグなどの段差を減らすことで安全性と快適性がさらに向上します。また、段差のない床を照らす照明計画も重要なポイントです。バリアフリーを意識したリビングは、ライフステージが変わっても安心して暮らせる、やさしいリビング空間を実現します。
アーネストアーキテクツが手掛けたリビングの事例
ここからは、建築設計事務所のアーネストアーキテクツが手掛けた高級住宅ならではのリビングの事例をご紹介します。ぜひ理想の住まいづくりのヒントとしてご覧ください。
内包する家


家族が日常を過ごすファミリーリビングは、木のぬくもりを感じるナチュラルテイストで統一。キッチンと一体のファミリーリビングは、立ち上げたカウンターで手元を隠し、生活感を抑えた設計に。一方、ゲストを迎えるフォーマルリビングはモダンな中に華やかさを取り入れ、異なる空間の魅力を楽しめる住まいです。フォーマルリビングには外観と共通の大判タイルをアクセントウォールに使用し、赤のベンチソファやKENZO TAKADAのファブリック、浮遊感あるペンダントライトで印象的な空間を演出しています。
リトリートを愉しむ


母屋の離れとして設けられたリビングは、日々の喧騒から離れた非日常を提供するゲストをもてなすスペースです。2層吹き抜けの大開口からは、緑と青空を取り込み、3mの境界塀が外部の視線を遮断。リビングとテラスはフラットにつながり、軸線上に母屋の庭を配置することで奥行きある空間を演出しています。トップライトの陽光はガラスの階段を透けてリビングに届き、夕景にはライトアップされた植栽と、自由に色を変更できる外部照明が幻想的な雰囲気を生み出します。
水と光の上を浮遊する


都心にいることを忘れさせる、美しいプールの水景を望むリビング。三方向に視界が抜ける開放感に包まれ、空間は外部と自然につながります。天井の羽目板はプールサイドのパーゴラへと連なり、屋内外の境界を曖昧にしながら心地よい一体感を演出。生活感が出やすいテレビはブラックのマジックミラー内蔵式とし、壁面に溶け込むデザインとしました。ブラックミラーとの調和を意識し、インテリアには黒のアクセントを効果的に配置。夜には水中照明がプールを青白く照らし出し、室内ではペンダントライトがキャンドルのようにやさしく灯り、非日常的なひとときを紡ぐリビング空間です。
優雅で高級感あふれるリビングを実現しよう!
優雅で快適な高級住宅らしいリビングを実現するには、見た目の美しさだけではなく、暮らしの質を高める工夫を行うことが大切です。ゾーニングやフォーカルポイントの設計、素材や配色、照明の使い方に至るまで、空間全体にこだわりと品格が求められます。
理想のリビングを形にするには、設計力と提案力に優れた設計事務所に依頼することがポイントです。
アーネストアーキテクツは、空間の美しさと機能性の両立はもちろん、お客様ご自身の価値観やライフスタイルに寄り添う住まいづくりをご提案しています。カタログのご請求や建築のご相談も随時承っております。理想の住まいを実現したい方は、お気軽にお問い合わせください。