ビルトインガレージ付き一軒家で愛車や趣味を堪能!設計・建築時のポイントや事例をご紹介
2025.8.8
ガレージハウス
Earnest architects

マイホームやセカンドハウスを検討する際、愛車と暮らしを楽しめる「ビルトインガレージ付きの一軒家」に憧れる方も多いのではないでしょうか。ガレージは単なる駐車スペースにとどまらず、メンテナンスや趣味の作業場として活用できるほか、特別な空間を叶えることも可能です。
本記事では、ビルトインガレージ付き一軒家の魅力や建築時に押さえておきたいポイント、検討したい設備・機能などをご紹介します。
目次
ビルトインガレージ付きの一軒家が注目を集めている

近年、ビルトインガレージ付きの一軒家は、車好きの方や趣味を大切にされている方々を中心に、高い注目を集めています。ビルトインガレージ付き住宅とは、ガレージ(車庫)部分が建物の内部に組み込まれている住まいのことを指し、「インナーガレージ」とも呼ばれます。住宅の内部と構造的には一体となっており、愛車を日常生活の中で身近に感じられるのが特長です。
ビルトインガレージ付きの一軒家は、従来の屋外に駐車スペースを設けるスタイルとは異なり、住居とガレージが一体化している点が大きな特徴です。生活空間とガレージがひと続きになることで、利便性や快適性が向上します。例えば、雨天時でも濡れることなく車の乗り降りができ、荷物の搬入がスムーズになるといった実用的なメリットもあります。さらに、ガレージを趣味や作業のスペースとして活用するなど、多彩なライフスタイルを楽しめるのもビルトインガレージ付き一軒家が人気の理由です。
ビルトインガレージ付きの一軒家のメリット

ビルトインガレージ付きの一軒家には、暮らしの快適性や趣味の充実度を高めるさまざまなメリットが備わっています。ここからは、それぞれのメリットについて詳しくご紹介します。
防犯性が高く、車や家族を守れる
ビルトインガレージは、車を屋内に格納できるため、盗難やいたずらといったリスクを軽減でき、防犯性が高い点も大きな魅力です。
さらに、ガレージから直接住居に出入りできる設計にすると、外部からの視線を避けられ、夜間や人気の少ない時間帯に車を降りる際も安心感があります。車から玄関までの移動中に襲われるといったトラブルのリスクを減らせるため、特に都市部や人通りの少ない住宅地では大きなメリットです。シャッター付きガレージと組み合わせれば、第三者が容易に接近できない環境をつくれます。加えて、防犯カメラや照明の自動点灯などのセキュリティ機能を導入すれば、愛車だけでなく家族の安全も守れる、より高い防犯性を実現できます。
雨天時でも車の乗り降りが快適になる
ガレージと住宅が一体化されることで、悪天候の日も快適に車の乗り降りが可能です。玄関やキッチンとガレージを直結させた間取りにすると、傘を差さずに移動でき、荷物の積み下ろしもスムーズです。車から室内までの動線が屋内のため、雨水の濡れによる転倒リスクを軽減できます。特に、小さなお子さまや高齢のご家族がいるご家庭では有効です。ベビーカーや車椅子の利用時にも、段差のないフラットな床やスロープを採り入れた設計にすることで、より一層の利便性が得られます。
愛車を身近に感じられる
ビルトインガレージの魅力のひとつは、愛車との距離が格段に縮まることです。室内からガレージ内を眺められる設計にすると、リビングや書斎にいながら愛車を身近に感じられる特別な空間が生まれます。車へのこだわりや思い入れが強い方にとって、大切な愛車をいつでも見守れる環境は、かけがえのない価値となるはずです。
また、ガレージと生活空間をガラス越しにつなぐ設計を採り入れると、愛車をインテリアの一部として楽しむことも可能です。上質で個性的な住まいとしての完成度も高まります。
愛車が風雨にさらされない
ビルトインガレージ付きの住宅では、屋内に愛車を格納するため、風雨や直射日光、黄砂、雪などから守ることができます。屋外駐車では避けられないこれらの外的要因は、塗装の劣化や金属部分の腐食といったダメージの原因にもなり得ます。
特に高級車やクラシックカーなどを所有しており、車両の保管状態に細心の注意を払いたい方にとって、安定した屋内環境は重要です。またビルトインガレージは、車両本体だけではなくタイヤやホイール、メンテナンス用品の保護にも有効で、長期的に美しい状態を保てます。
趣味のスペースとしても活用できる
ガレージは車を保管する場所であるだけでなく、趣味を楽しむ空間としても活用できます。例えば、車やバイクのメンテナンスをする場としてはもちろん、工具やパーツを収納するワークスペースを設けると、作業効率も高まります。
また音楽や映像機器、アウトドア用品、DIY道具などを収納しつつ趣味に没頭できる場としてもカスタマイズ可能です。愛車に囲まれながら、お気に入りの時間を過ごす場所は、まさに大人の隠れ家ともいえます。プライベート空間としての機能性と遊び心が共存するガレージは、日常に彩りをもたらしてくれます。
駐車場代が必要ない
ガレージ付きの一軒家では、駐車スペースがあらかじめ自宅に備わっているため、外部の月極駐車場を別途借りる必要がありません。都市部や駅近エリアでは、駐車場代が高額になりがちで、複数台を契約する場合は場所探しや管理の手間も増えます。
その点、ガレージ付き一軒家はこうした継続的な経費や手間を削減でき、ランニングコストの面でも合理的です。
ビルトインガレージ付きの一軒家を建てる際に押さえておきたいポイント

ビルトインガレージ付き住宅を設計する際には、機能性と快適性の両立を図るためにいくつかの重要な視点があります。ここからは、後悔のない住まいづくりを実現するために検討すべきポイントをご紹介します。
建物内への動線を考える
ガレージと住宅をつなぐ動線は、快適な暮らしを左右する要素の一つです。特に、ガレージから玄関やキッチンへのアクセスがスムーズだと、買い物後の荷物の運搬やお子さまの送迎もストレスなく行えます。
また、段差のないバリアフリー設計や十分な通路幅を確保すると、高齢者や将来的に介護が必要になった場合でも安心です。
暮らし方に合わせた動線計画を丁寧に設計することで、日常に寄り添う快適な住まいが実現します。
愛車の台数や車体に合った広さにする
ガレージはさまざまな要素を踏まえて、広さを検討する必要があります。
愛車の全長・全幅・高さを正確に把握し、ドアの開閉や荷物の積み下ろし、歩行スペースを確保できるよう、余裕のある寸法を設定することが基本です。さらに、車両が複数ある場合や将来的に買い替え・買い増しを想定している場合には、可変性を備えたレイアウトにするのが望ましいです。天井の高さにも配慮しておくと、ルーフキャリアや大型のSUVにも対応しやすくなります。
ガレージの広さはそのまま快適性や使い勝手に直結するため、プロと相談しながら丁寧に計画することが重要です。
掃除しやすい設計にする
ガレージは車両の出入りや整備作業が日常的に行われるため、汚れやすい空間です。
そのため、清掃性を考慮した設計が求められます。例えば、床材には耐久性と撥水性を備えた仕上げを採用し、泥や油汚れが簡単に落とせる素材を選ぶと、日常のメンテナンスが大幅に軽減されます。床勾配を調整して排水溝を設け、水洗いが可能な仕様にしておくと、車両整備後や雨天時の汚れをその場で処理できます。
こうした工夫は、ガレージを常に清潔で美しい状態に保つだけでなく、快適性と資産価値を高めるうえでも有効です。
大開口でも安心できる構造設計
ガレージ付き住宅では、車両が出入りする車庫開口部が必要です。こうした開口部は、構造上の強度を確保するため、慎重な検討が欠かせません。
柱・梁・屋根による構造補強を行い、開口部分のたわみや揺れを抑える計画が必要です。特に地震や強風などの自然災害時には、この部分の剛性不足が建物全体の安全性に影響を及ぼす可能性があるため、確実な構造設計が求められます。
信頼できる設計事務所や建築会社に依頼し、耐久性・耐震性と意匠性を兼ね備えた設計を行うことが大切です。
ビルトインガレージ付きの一軒家で検討したい設備・機能

ガレージ付き一軒家の魅力を引き出すには、設計段階で設備や機能の選定が欠かせません。快適性と実用性を兼ね備えた設備を整えることで、愛車との時間がより上質なものになります。ここからは、ガレージで検討したい設備をご紹介します。
ダクト換気扇
ガレージ内にダクト換気扇を設置することで、効率的に車の排気ガスや化学物質を屋外へ排出可能です。ビルトインガレージのダクト換気扇は、ガレージ内の排気ガスや臭気、湿気を外に排出します。特に密閉性が高いビルトインガレージでは、車のエンジン始動時に発生する一酸化炭素(CO)や、タイヤ・オイルなどのにおいがこもりやすいため、安全性と快適性を確保するために重要な役割を担います。ダクト式はガレージの天井や壁に設置したダクトを通して屋外に空気を排出します。吸気と排気のバランス、排気口の位置などを考慮し、住宅部分への音や振動が伝わりにくい設置計画が求められます。
エアコン
ガレージ内にエアコンを設置することで、季節を問わず快適な室温を保てます。夏の高温や冬の冷気を和らげることで、車の乗り降り時のストレスが軽減されるだけではなく、快適にメンテナンスや趣味の作業を行えます。空調によって湿度を適切にコントロールできると、車両の劣化を防ぐことにもつながります。
オートライト
オートライトとは、センサーによって人の動きや明るさを感知し、自動的に照明を点灯・消灯する機能です。ガレージにこの機能を導入することで、暗がりの中で照明のスイッチを探す必要がなくなり、夜間の乗り降りが快適になります。荷物を持ったままでも自動で照明が点灯するため、両手がふさがっていてもスムーズに出入りできます。
また、不審者の侵入を検知して自動で点灯する機能は、防犯性の向上にも有効です。さらに、消し忘れも防止でき、機能性と安全性を兼ね備えた設備といえます。
スロップシンク
スロップシンクとは、清掃や洗い物用に使われる大型の流し台のことです。ガレージに設置しておくことで、車のメンテナンス後の器具やアウトドア用品などをその場で洗浄でき、汚れを室内に持ち込むことなく済ませられます。ステンレスやホーローといった素材がありますが、高圧洗浄機やブラシなどを使用した作業にも対応できるように耐久性のある素材を選べば、より実用的な設備となります。
ビルトインガレージ付きの一軒家がおすすめの方

ガレージ付きの一軒家は、特に以下のような方に適しています。
おすすめの方 | 概要 |
---|---|
愛車やバイクを日常の中で眺めていたい方 | ●ガレージをガラス越しに設けると、リビングや書斎から愛車を眺めることも可能 ●車を単なる移動手段ではなく、空間の一部として楽しみたい方に適している |
自宅に趣味のスペースを持ちたい方 | ●ガレージは作業場としても活用可能 ●DIYや整備、音楽やアウトドア用品の収納・メンテナンスなどを行える、多目的な趣味空間として機能する |
仲間と集まるプライベート空間を求める方 | ●車好きの仲間と集まる、ちょっとした談笑スペースとして使用するといった、パーソナルで自由な時間を楽しめる |
愛車との暮らしを楽しみながら自分らしい時間を大切にしたい方にとって、ガレージ付き一軒家は理想的な住まいといえます。
アーネストアーキテクツが手掛けたビルトインガレージ付き一軒家の施工事例
ここからは、建築設計事務所のアーネストアーキテクツが手掛けたガレージ付き一軒家の事例をご紹介します。ぜひ理想の住まいづくりのヒントとしてご覧ください。
内包する家


ガレージと一体となった、エンターテインメント性の高い住空間が特徴の邸宅です。エントランスはガレージやプレイルームとガラスで緩やかに仕切られ、外観からは想像できない開放的な空間が広がります。
ガレージとガラスで仕切られているビリヤードルームは、ダークトーンで統一され、愛車の存在感を引き立てる上質な空間に。プレイルームにはバースペースやゴルフシミュレーターも設けられ、隣接したガレージに駐車されているランボルギーニを眺めながら贅沢な時間を過ごせます。
光とガラスの形象


「光とガラス」をテーマに設計された邸宅には、愛車の美しさを際立たせるインナーガレージが備わっています。空間全体に異なる質感のガラスを用いることで、時間や季節によって光の表情が変化し、車体のシルエットが浮かび上がります。
邸宅の北側の借景をガレージからは見えないため、木立をイメージした壁面をデザインしてミラーに映し、吹き抜け上部の借景の木々と重ねて、上質な空間を演出しています。
創り込まれた小宇宙に昂ぶる


非日常的な美しさを追求した邸宅には、近未来的な演出を施したガレージが設けられています。ブルーのLEDライトが床面に走り、車の出入りそのものが演出の一部となる設計です。
エントランスはまるでショーケースのように愛車を眺められる構成になっており、大理石「アジャックス」の重厚な質感や雰囲気と共に、訪れる人を印象的に迎え入れます。機能性だけではなく美意識を満たすガレージが、住まい全体の世界観を象徴しています。
趣味や愛車を楽しめる、上質な住まいを実現しよう

ビルトインガレージ付きの一軒家では、愛車との時間や趣味を心から楽しめる、豊かな暮らしを叶えられます。単なる車庫ではなく、暮らしの一部として設計されたガレージは、日常に高揚感と安らぎをもたらしてくれる特別な空間です。動線や設備、構造にまでこだわることで、快適性と機能性を兼ね備えた理想の住まいが完成します。
建築設計事務所・アーネストアーキテクツでは、お客様のライフスタイルや価値観に寄り添いながら、愛車や趣味を楽しめる空間をご提案します。「こだわりのガレージを実現したい」とお考えの方は、『ガレージ』の設計事例をご覧ください。
建築相談も随時承っております。