高級住宅の間取りとは?生活動線と採光・通風にこだわるポイント
2025.7.22
注文住宅の間取り
Earnest architects
高級住宅の間取りには、一般的な住宅とは異なる要素への配慮が必要です。
また、間取りは居住者の価値観や美意識、ライフスタイルによって大きく異なります。優れた設備や上質な素材、大胆なデザインを採り入れるのはもちろん、適切な間取りによって、快適で豊かな暮らしが実現します。
本記事では、高級住宅の間取りを設計する際に欠かせない3つの要素や、押さえておきたいポイント、失敗しないコツなどをご紹介します。
目次
高級住宅の設計に欠かせない3つの要素
高級住宅では、素材や設備、間取りなど、全ての要素が調和していることが求められます。ここでは、高級住宅の設計に欠かせない3つの要素について詳しく見ていきましょう。
間取り
間取りは家全体の「骨格」といえる存在であり、心地よい暮らしと美しい空間づくりにおいて極めて重要な要素です。開放感はもちろん、生活動線、採光・通風など、複合的な視点で適切な設計が求められます。
また、家族のライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる間取りにすることで、長く快適に暮らせる住まいとなります。
高級住宅が一般的な住宅と異なる点として、吹き抜けを多用した間取りが挙げられます。吹き抜けは開放感やデザイン性に優れる一方で、冷暖房効率の低下や音の反響・音漏れといった課題にも配慮が必要です。
さらに、高級住宅にお住まいの方は来客が多いケースもあるため、ゲストと生活動線が交差しないような間取りの工夫も求められます。パブリックゾーンとプライベートゾーンを分ける設計が大切です。
設備
キッチンやバスルーム、空調、照明などの住宅設備は、暮らしの快適性に大きな影響を与えます。高級住宅においては、そうした基本設備に加え、空間の特性や用途に応じた高度な設備計画が不可欠です。
例えば、吹き抜けのある大空間の間取りには、効率的な温度管理を実現するための空調方式の検討やゾーン空調、床暖房などの導入が有効です。地下室や室内プールには、湿度や温度を最適に保ちつつ、空気の循環を確保するための調湿換気設備が必要です。
さらに、スマートホームシステムなど、最新のテクノロジーを活用した設備を取り入れることで、上質でストレスのない暮らしが可能になります。一方で、これらの設備が空間デザインの妨げとならないよう、存在感を抑えた設置や意匠との調和にも十分な配慮する必要があります。
素材
高級住宅の間取りを設計する上でも重要なのが素材による上質感です。外観・内装ともに、使われる素材やデザイン性によって印象は大きく変わります。
例えば、大理石や御影石などの天然石は、自然が生み出す唯一無二の模様と、圧倒的な存在感を空間にもたらします。近年では技術の進化により、天然石を忠実に再現した高精度なタイルも登場しており、経年変化しにくく、床暖房との相性も良いなど、優れた機能性と耐久性を備えています。これらの天然石やタイルは重量があるため、積載荷重など構造面での配慮も必要です。
また、高級住宅の間取りは、ガラスを多用した開放感のある空間構成も特徴のひとつです。仕切り壁やドアにガラスを取り入れることで、視線が抜ける開口感や空間のつながりを与えます。採光性にも優れ、フロストガラス(すりガラス)などを用いれば、プライバシーを確保しつつ柔らかな光だけを室内に取り込むことができ、外壁面や水回りにも応用されています。
高級住宅の間取り設計で押さえたいポイント
一般住宅とは異なる空間構成を求められる高級住宅の間取りには、建築設計の知識に加えて、ライフスタイルや将来の暮らしを見据えた幅広い視点が欠かせません。
ここからは、高級住宅で間取りを設計する上で押さえておきたいポイントを解説します。
高級感と実用性の両立
高級住宅の間取りでは、「上質さ」や「美しさ」と同時に「心地よさ」や「暮らしやすさ」を兼ね備えた空間が求められます。以下の点も意識した設計が大切です。
●家事動線の回遊性
●ライフスタイルに沿った生活動線
●収納力や収納位置
例えば、下着の収納ひとつをとっても寝室のクローゼットにしまうのか、脱衣室に設けるのかによって、家事動線は大きく変わります。ライフスタイルは人それぞれ異なるため、それに即した動線設計や収納計画を行わなければ、快適な住まいは実現できません。
近年では、高級住宅において「見せる収納」が人気を集めています。ガラス扉やライン照明を取り入れた、まるでブティックのような洗練された空間は、単なる収納を超えて、住まいの美意識を表現する要素としても注目されています。
敷地条件と周辺環境に適応
高級住宅を設計する際には敷地の個性を生かすことも大切です。土地の形状や傾斜、方位、さらには近隣住宅との距離感やプライバシーへの配慮などが、間取りに影響を与えます。
例えば、人通りの多い道路に面した敷地では、プライバシーを確保しながら採光を取り入れる工夫が求められます。熱反射ガラスを採用したカーテンウォール、天窓や高窓を設けることで、自然光がやわらかく差し込む心地よい空間を演出できます。一方で、高台や傾斜地では、眺望そのものが住まいの価値を高める要素となります。リビングや寝室などから街並みや夜景を一望できる間取りがおすすめです。
セキュリティの必要性
プライバシーの確保と安心して暮らせる安全性は、高級住宅を建てるに当たり非常に重要な要素です。間取りを検討する段階から、どのようなセキュリティ対策を採り入れるかを具体的に考えておく必要があります。
敷地の入口から玄関、さらに各フロアや寝室へのアクセス経路を明確にし、外部からの侵入リスクを抑える動線設計を行いましょう。また、防犯カメラの設置箇所や、門扉・シャッターの配置にも配慮すると住まい全体の防犯性が向上します。
万が一の侵入者や災害発生時に、居住者の安全を確保するために設けられるパニックルーム(セーフルーム)もおすすめです。外部からの侵入を防ぐ堅牢な壁や扉、通信設備を備えることで外部との連絡を維持しながら、一定時間安全に避難することができます。
ライフスタイルの変化に対応
優れたデザイン性や機能性の他に、長く快適に暮らせることも、高級住宅で押さえておきたいポイントの一つです。そのためには、家族構成の変化や将来的な生活スタイルにも対応できる「柔軟性のある間取り」を設計することが大切です。
例えば、廊下の幅や段差の処理といったバリアフリー設計を前提とした工夫や、将来的に分割可能な大空間の確保などがポイントになります。あらかじめ間取りの可変性を想定しておくと、ライフステージの変化にも柔軟に対応できます。また、建物の構造によってリフォームによる間取り変更の自由度に違いがある点にも注意が必要です。柱と梁で支えるラーメン構造は自由度が高い一方で、壁で建物を支える壁式構造では、間仕切りの変更に制約が生じることがあります。理想の住まいを実現するためにも、構造の特性を踏まえた上で計画を進めることが大切です。
【空間別】高級住宅の間取り設計のポイント・注意点
高級住宅を設計する際は、空間ごとに意識すべきポイントが異なります。リビングやキッチン、寝室、水まわり、庭など、それぞれの役割や暮らし方に合わせて設計することで、快適性と美しさを両立した住まいの実現が可能です。ここからは、空間別に高級住宅の間取り設計のポイント・注意点をご紹介します。
リビング
リビングは、家族がくつろぐ住まいの中心的な空間です。開放感を演出するために吹き抜けや大開口を採用するケースも多く見受けられますが、その際には断熱性や気密性が低下しないよう、建材やサッシの性能に十分な配慮が必要です。
中庭やテラスといった外部空間とシームレスにつなげる設計も、高級住宅ならではの間取りのひとつです。内と外の素材感や視線の抜け、床のレベルなど、空間全体の一体感を意識した設計が求められます。
また、来客を意識した「フォーマルリビング」と、家族だけで過ごす「ファミリーリビング」とを分ける二つのリビング構成も、高級住宅で採用される間取りの一例です。来客の頻度や生活スタイルに合わせて、検討しましょう。
キッチン
高級住宅のキッチンには、機能性やデザイン性はもちろんのこと、家族とのコミュニケーションの場としての役割も求められます。アイランド型やオープンキッチンを採用することで、リビングやダイニングとの一体感が生まれ、空間全体に開放的で洗練された印象を与えます。
キッチンカウンターとダイニングテーブルをひと続きにしたレイアウトや、キッチン横にお子さまの学習スペースを設けるプランも人気です。料理をしながら会話が弾む、家族の気配を感じられる場所として、キッチンが暮らしの中心となるよう設計されているケースもあります。また、キッチンの美しさを保つためには、パントリーの設置が非常に有効です。ストック品や使用頻度の低い電化製品などを見せずに収納することで、空間に生活感を出さず、常に整った印象を維持できます。
寝室
寝室は日々の疲れを癒す心身をリセットするための最もプライベートな空間です。そのため、寝室の間取りは静けさと安心感が重視されます。周囲の生活音や外部の光が届きにくい設計が求められます。
また、高級住宅では主寝室にウォークインクローゼットや専用のバスルームを併設し、まるでホテルのスイートルームで過ごしているかのような、ホテルライクな間取りも好まれます。必要な収納量や動線計画を十分検討することで、上質なリラックス空間を実現できます。
バスルーム
バスルームは単なる入浴スペースではなく、一日の疲れを癒すリラクゼーション空間としての役割が求められます。中庭を望む開放的な浴室や、レインシャワー、ジェットバスなど導入により、快適性と非日常感を演出できます。ただし、外部からの視線や湿気・結露への対策、十分な換気計画が不可欠です。
また、近年のサウナブームを受けて、本格的なサウナ体験を取り入れるケースが増えています。ロウリュが楽しめるドライサウナや、美容効果に優れたスチームサウナ、水風呂を組み合わせ、スパのような贅沢なひとときを自宅にいながら楽しめます。
庭・テラス・バルコニー
庭は単なる景観だけではなく、屋外空間を楽しむ「第二のリビング」として活用することができます。テラスやバルコニーにアウトドア家具をレイアウトし、日中は家族や友人とBBQやティータイムを楽しみ、夜にはエタノール暖炉の柔らかな炎を眺めながら夫婦でグラスを傾ける、そんな贅沢な時間が日常になります。
ただし、生活の延長線上に計画を行わないと、結局は使われなくなる空間になってしまうこともあります。日常的な空間とするには、庇やシェードによる日差しや雨への対策、メンテナンス性の高さが重要です。住まいの延長として自然に使いこなせる設計こそ、高級住宅における屋外空間の理想といえます。
駐車場・ガレージ
高級住宅では、家族それぞれが車を所有している場合やコレクションとして複数台の車を所有しているケースもあります。ただ停めるだけでなく、乗り降りや荷物の積み下ろしが快適に行える車寄せや、ゆとりのある間隔や動線が求められます。来客用の駐車スペースを含めた設計にすることで、住まい全体の格が上がります。
また、愛車を美しく魅せる“ギャラリー”のような設計も、高級住宅ならではの特徴です。ガラス張りの壁や大開口を介して、リビングや書斎、エントランスから愛車を眺めることができる空間は、車好きのオーナーにとっては最高の贅沢。インテリアの一部として車が存在し、住まいに個性と存在感を与えます。
失敗しない間取り設計のための「生活動線」の基本と応用
高級住宅の間取りにおいて、快適で上質な住まいを実現するには、生活動線の設計が不可欠です。
動線とは、住まいの中で人が移動する経路を指し、主に家事動線、来客動線、生活動線の3つを意識することがポイントです。家事動線ではキッチン・洗面・ランドリールームを効率よく配置することで、日々の家事負担を軽減できます。来客動線は玄関からリビングや応接空間へのスムーズな導線を確保し、プライベート空間と自然に切り分けることが大切です。生活動線は家族が日常的に行き来するルートを考慮し、快適で無駄のない設計を目指します。また、水回りや収納の効率的な配置も生活動線を最適化するポイントです。キッチンと洗面、浴室を近接させることで家事動線を短縮し、ウォークインクローゼットやパントリーを適所に配置することで、生活感を抑えつつ整理整頓された空間を保てます。
住み継がれる高級住宅では、家族構成やライフステージの変化に対応できる可変性も求められます。子どもの成長や将来の二世帯住宅など、変化に合わせて部屋の使い方やリフォームを想定した間取りは、長く価値のある住まいを実現します。
理想の広さを実現する! 間取りにおける「収納」の考え方
高級住宅の間取りを検討する際、収納計画は広さや快適性を左右します。まずは、必要な場所に適した収納を配置することが基本です。
収納を最適化するには、生活動線と使う場所に合わせて配置することが重要です。取りに行く・戻す動作を減らすと日々の利便性が上がります。ウォークインクローゼットは衣類やかさばる物のまとめ置きに、パントリーは食材や日用品の収納に適しています。使用頻度に応じてオープン棚も取り入れ、高さや奥行きも工夫すると取り出しやすくなります。
建築面積に含まれないロフトや床下収納を活用することで、限られた空間を最大限に活かせます。季節用品や大型家電などを適切に格納することで、居住空間をすっきり保ちながら、間取りの自由度も高まります。これにより、高級住宅特有のゆとりある広がりを維持しやすくなります。
また、収納は「隠す収納」と「見せる収納」をバランスよく設計することが、空間を広く見せるコツです。見せる収納は美しいアートやセンスの良い小物を効果的に配置することで、インテリアのアクセントとなります。一方で、日用品は隠す収納で整理することで、生活感を抑えられます。
必要な場所に適した収納の配置、ロフトや床下の活用、そして見せる・隠す収納のバランスを意識することで、高級住宅の間取りは機能性と開放感を両立した理想の空間へと仕上がります。
快適な住まいを実現する採光・通風を意識した間取りの工夫
快適な暮らしを支えるのは採光と通風の設計で重要なのは、季節や時間帯に応じた最適な窓のサイズと配置です。南向きの大開口窓は日中の自然光をふんだんに取り込み、リビングやダイニングに明るく開放的な空間を演出します。北側や高窓は柔らかな光を補い、均一で心地よい明るさを確保できます。心地よい風を取り込むためには、通り道を意識した開口部や間仕切りの設計が効果的です。対角線上に窓や引き戸を配置することで、自然の風が室内を通り抜け、換気や温度調整の効率を高めます。可動式の間仕切りやスリットを用いると、空間の広がりを保ちながら、風の流れをコントロールできます。
高級住宅では、プライバシーを守りながら光と風を取り込む設計テクニックが求められます。それには、高窓や天窓の適切な配置、格子やルーバー、植栽による目隠しの設置、中庭の活用により、外部の視線を気にせず明るく開放的な空間を実現できます。窓のサイズと配置、風の通り道、そしてプライバシーを考慮した設計を組み合わせることで、高級住宅の間取りは快適性と上質感を両立した理想的な住まいへと仕上がります。
平屋・二階建て別:メリットを最大限に活かす間取り事例
高級住宅の間取りを検討する際、平屋と二階建てでは設計のポイントが異なります。
平屋の魅力はワンフロアで生活が完結する利便性です。キッチン、リビング、寝室、水回りを効率よく配置することで家事動線や生活動線を短縮でき、家族との距離も近い間取りを実現できます。また、視覚的に空間を広く見せるために、天井の高さや開口部の工夫を取り入れると、シンプルながら開放感のある住まいとなります。
一方、二階建て住宅では上下階のゾーニングが重要です。プライベート空間と共有空間を階ごとに分けることで、家族それぞれの生活リズムに合わせた快適な住環境が生まれます。子ども部屋や寝室を二階に配置し、リビングやダイニングを一階にまとめることで、動線がスムーズになり、生活効率も向上します。
さらに、二階建てでは吹き抜けやスキップフロアを活用することで、上下階をつなぐ立体的な空間の広がりを演出できます。これにより、二階建てでも平屋のような一体感と、立体的な広がりを兼ね備えた高級住宅らしい空間が完成します。
間取り図を読み解く:専門家との打合せで役立つ基本知識と注意点
間取り記号や寸法の見方を把握しておくと、図面理解のための基礎知識を得やすくなるため、下記の一覧を参考にしてください。
| 記号・線 | 意味・解説 | メモ |
|---|---|---|
| 太線 | 壁 | 建物の構造壁や仕切り壁 |
| 細線 | 窓や家具 | 窓枠、家具の位置など |
| 扉(弧線付き) | ドアの位置と開き方向 | 開き戸、引き戸などで表現が異なる |
| 四角や丸の記号 | 設備(キッチン、洗面、トイレなど) | 建築規格に従った略図 |
| 寸法線(矢印付き) | 長さや幅、高さを示す | 単位はmmが一般的 |
| 階高・天井高線 | 部屋の高さや段差 | 断面図で確認 |
| 縮尺 | 図面の縮小率(例:1/100) | 1cm = 実物1mなど |
| 仕上げ材略号 | 壁・床・天井の材質 | CF:クッションフロア、WD:木材など |
また、建築後に後悔しないために確認すべき重要チェックリストは下記になります。
- 1. 間取り・動線
- ・家事動線(キッチン⇔洗濯⇔収納)が効率的か
・来客用と家族用の動線が分けられているか
・部屋の広さや収納量は実際の生活に十分か
・将来のライフスタイル変化(子どもの成長、高齢期)を考慮しているか
- 2. 光・風・採光
- ・各部屋に十分な自然光が入るか
・風通しは良いか(窓の位置・開閉方向)
・外部からの視線を防ぎつつ採光できるか
- 3. プライバシー・防犯
- ・窓の配置でプライバシーが確保されているか
・敷地周囲や玄関周りの防犯対策は十分か
・外構・フェンス・照明で安全性が確保されているか
- 4. 設備・配管・電気
- ・コンセントやスイッチの位置は生活に合っているか
・給排水やガス配管の位置に不便はないか
・インターネット・テレビ・照明計画は十分か
・エアコンや換気設備の効率・メンテナンス性はどうか
- 5. 収納・家具
- ・収納量は生活用品に十分か
・可動式収納やウォークインクローゼットなど活用できるか
・家具配置をイメージして通路幅や開閉スペースを確保できているか
- 6. 外構・駐車・庭
- ・駐車スペースの台数や出し入れのしやすさ
・庭やバルコニーの使い勝手
・雨水・排水計画が適切か
- 7. 将来のメンテナンス・耐久性
- ・外壁・屋根・設備のメンテナンス周期を確認
・水回りの清掃や交換がしやすい設計か
・耐震性・断熱性・耐久性に問題はないか
- 8. 生活感・快適性
- ・音の伝わり方(防音対策)が適切か
・収納や家事動線で生活ストレスがないか
・日常の視線・光・風の入り方をシミュレーションしているか
設計者にライフスタイルや要望を伝えるためには要望を正確に伝えることが重要です。
自分たちの暮らし方を正確に伝えるには、「事実」+「理由」+「優先順位」を整理して伝えることが最も効果的です。以下は後悔しない家づくりのための具体的な要望のまとめ方です。
- 1. 現在の暮らしを「事実ベース」で整理する
- まずは、要望ではなく今どう暮らしているかを伝えることが重要です。
1日の行動(起床・家事・在宅ワーク・趣味)
・よく使う場所や時間帯
・家族全員の生活パターン
・収納している物の量と種類
・家の中で不便に感じている点
「事実」は設計者が最も重視する情報です。
- 2. “なぜそうしたいか”の理由を書く
- 要望だけでは設計者は代案が出しにくいので、「理由=背景」も必ず伝えます。
記載例
・「キッチンを広くしたい → 子どもと一緒に料理したい」
・「リビングは南向き希望 → 朝日で気持ちよく起きたい」
理由を書くことで、別の方法でも本来の目的を達成できる提案が受けやすくなります。
- 3. 優先順位をつける(A=絶対/B=できれば/C=余裕があれば)
- 家づくりは予算や敷地条件で調整が必要になるもの。
優先順位が明確だと、設計者がブレずに考えられます。
- 4. 抽象ではなく“具体的な暮らし”で伝える
- NG:「開放的な家にしたい」
OK:「休日は家族がリビングに集まるので広く使いたい」
OK:「料理中に子どもの様子を見られるようなキッチンがいい」
“どう使いたいか”を具体的にするほど、設計者は図面に落とし込みやすいです。
- 5. 写真・SNS・メモを使ってイメージを共有する
- ・Pinterest/Instagramの保存画像
・他のモデルハウスの気に入った部分
・逆に「嫌い」「避けたい」デザインも重要
言葉では伝えにくいイメージは、写真が最も正確です。
- 6. 家族全員の意見と優先順位を整理しておく
- 家族間の意見が食い違っていると、図面も迷走しがち。
共通の要望、個別の要望、譲れない点などを事前にまとめておくとスムーズです。
- 7. 生活の未来図も伝える
- ・子どもが増える/巣立つ
・在宅ワークが増える
・老後の暮らし方
5~10年先の見通しも、間取りに大きく関わります。
間取り図の基礎知識を理解し、チェックリストを活用して確認を行い、ライフスタイルを的確に伝える。この3つを意識すると、専門家との家づくりがスムーズに行えます。
パートナー選びのポイント
理想の高級住宅を実現するためには、設計、デザイン、施工を任せるパートナー選びが非常に重要です。一般的な住宅と異なり、高級住宅ではより高度な専門性やデザイン力、そして確かな技術力が求められます。
ここからは、信頼できるパートナー選びのポイントをご紹介します。
高級住宅の実績が豊富にある
まず確認したいのは、これまでに手掛けた高級住宅の実績です。単に価格帯だけでなく、建築の難易度やデザイン性、素材へのこだわりなど、多様な要望に柔軟に対応できるかどうかを見極めることが重要です
設計事務所やハウスメーカーを選ぶ際は、実際に完成した住宅を見せてもらい、HPやカタログだけではわからない完成度や、細部への配慮がなされているかをチェックしましょう。また、希望する間取り(大空間や大開口)やデザインスタイルを得意としているか、理想とする住まいに近い事例を手掛けた実績が豊富かを、しっかり見極めることが大切です。
設計力に長けている
理想的な高級住宅の間取りを実現するためには、設計事務所やハウスメーカーの「設計力」が非常に重要です。顧客の理想や要望、ライフスタイル、将来の暮らしまで丁寧にヒアリングし、それらを的確に図面に落とし込むスキルがあるかどうかを見極めましょう。
また、高級住宅では、土地の形状や法規制などの制約があっても、それらを逆手に取り、魅力ある空間設計へと昇華できる発想力・対応力が求められます。特に大空間の使い方や視線の抜けを活かした間取り設計などは、設計者の力量が問われる部分です。
実例資料やカタログ、完成物件を確認し、数社からプレゼンテーションを行いましょう。デザインコンセプトや間取りの工夫を比較検討することで、理想の高級住宅にふさわしいパートナーを選ぶヒントになります。
サポート体制が手厚い
引き渡し後のメンテナンスやアフターフォローなどのサポート体制も、パートナー選びのポイントです。
住宅の品質を保ち続けるためには、定期点検や不具合への迅速な対応が求められます。高級住宅では、設備や素材も特殊なため、適切な修繕提案が可能な体制が整っているかを事前に確認してください。また、保証制度の内容や実際の対応実績なども確認することで、万が一の際にも安心して相談できるかどうかを判断できます。高級住宅のパートナー選びにおいては、完成後も長期的に信頼できる設計事務所やハウスメーカーであるかどうかを見極めることが大切です。
高級住宅の間取りで後悔しないためのポイント
高級住宅を建てる際、間取りの失敗は簡単にやり直せない重要なポイントです。
ここでは、高級住宅の間取りで後悔しないためのポイントを2つご紹介します。
高級感と実用性の両立を意識する
高級住宅では、デザイン性やラグジュアリーな雰囲気に注目しがちですが、暮らしやすさや日々の使い勝手をないがしろにしてはいけません。生活動線、採光・通風、温熱環境などの住まいの基本性能をしっかり確保しつつ、家族のライフスタイルに合ったゾーニングを行うことが大切です。美しさと快適性を兼ね備えた間取りこそが、本当の意味での“高級住宅”といえます。デザインだけを重視した暮らし難い間取りにならないよう、意匠性と実用性のバランスが大切です。
できるだけ多くの事例を見る
理想の間取りを実現するためには、できるだけ多くの実例を見て、自身にとっての「最適な住まい像」を明確にしておくことが有効です。モデルハウスの見学や建築事例集の閲覧、WebやSNSでの情報収集を通じて、間取りのアイデアや空間構成の工夫を学ぶことができます。
また、実際に高級住宅を建てた施主の「成功した点」「後悔した点」などを知ることも非常に参考になります。他人の失敗や工夫から学ぶことで、自分の家づくりに活かせるヒントが見つかります。
プロの提案を受け身で受け取るだけでなく、自身の価値観や暮らし方に照らし合わせて能動的に判断することが、後悔のない間取りづくりにつながります。
アーネストアーキテクツの高級住宅の間取り事例
ここからは、建築設計事務所・アーネストアーキテクツが手掛けた高級住宅の事例をご紹介します。
包容力を魅せる
閑静な住宅街のひときわ目を引く角地での計画。お客様からも「立地を生かしたデザイン性の高い住まい」を求められました。
巻貝のような曲面外壁が印象的な本事例は、角地の変形敷地を巧みに活かした設計が特徴です。外部からの視線を遮りながらも、スリットやフロストガラスを通して光と風を取り込み、建物をまわり込むように階段を上がるドラマチックなアプローチ。庭に面して設けたガラス張りのメインエントランスが出迎えます。
室内に入ると、中庭やトップライトから降り注ぐ光が、まるでギャラリーのような静けさと美しさを演出。リビングは吹き抜けと大開口を備え、曲面の外壁によって包まれるような安心感と開放感を両立しています。インテリアはモノトーンを基調に、クラシカルな要素をほどよく織り交ぜた上質な空間です。
最大8台を収容できるガレージは、アクセントクロスを用いて、居住空間と一体化した美しい仕上がりに。地上階のメインエントランスと地下ガレージからアクセスできるサブエントランスを分けた間取りは、人と車の動線を分離することで、利便性と安全性を両立。美しさ・機能性・快適性を高次元で融合させた、包容力のある住まいです。
理想的な間取りの高級住宅を実現しよう
高級住宅の間取り設計には、美しさだけでなく、快適性や実用性を兼ね備えるバランス感覚が求められます。素材や設備へのこだわり、敷地条件への対応、ライフスタイルの変化に合わせた柔軟性は、どれも長く愛せる住まいに欠かせない要素です。
理想的な間取りを実現するためには、高級住宅の豊富な実績がある、信頼できる設計事務所やハウスメーカーに依頼することが大切です。
高級住宅専門の建築設計事務所アーネストアーキテクツでは、お客様一人ひとりの個性を尊重し、唯一無二の空間を創り出します。CGやウォークスルー動画を活用した視覚的なプレゼンテーションで、空間の魅力を直感的に共有。分業制による提案力と、プロジェクトごとに最適なチームを編成する組織設計によって、お客さまの想像を超える住宅をご提案します。「理想の高級住宅を建てたい」という方は、お気軽にご相談ください。