第三回│屋外家具のブランド紹介
2017.4.23
エクステリア
久野和雄
NICHIESU
屋外家具のブランド紹介
今回は毎年ミラノサローネで大人気の今世界中で注目を浴びる屋外家具ブランドを紹介します。
デドン(DEDON)
今年で創業27年目のドイツ北部リュネブルグに本社を置くデドンは、革新的な素材の開発と芸術的なクラフトマンシップの融合で屋外家具に革命をもたらし、今日のラグジュアリーなアウトドアリビングを創り上げたトップランナーのブランドです。創業者ボビー・デカイザーはドイツプロサッカー、ブンデスリーグの名門バイエルンミュンヘンの正ゴールキーパーという輝かしい経歴の持ち主。試合中の大けがで選手生命を諦め、引退後の旅行で訪れたフィリピンで出会った籐家具を母親が経営する押出樹脂で作れば屋外で使用できるとのアイデアがひらめきます。試行錯誤の末、屋外での耐久性抜群のデドンファイバーを開発し、屋外家具デザインのキングと呼ばれるリチャード フリニアのデザインを、セブ島の編み職人の手編みで仕上げ、デドンを屋外家具のリーディングカンパニーにすると同時に現在のウーブン(編み)家具の大ブームをもたらしました。
デドンの最大の特徴は最先端の素材とセブのクラフトマンシップと世界的に著名なデザイナーの才能の融合の果実と言うことができるでしょう。デドンファイバーは紫外線をはじめ屋外のあらゆる環境に非常に耐久性のある高密度ポリエチレン素材で、すべてドイツの自社工場内で生産され、色調、テクスチャー、触感等で他の追随を許さない理想的な屋外用素材です。
デドンの製品はフィリップ・スタルク、ジャンマリー・マッソー、トアン・グエン、セバスチャン・ヘルクナーといった著名でクリエイティブな才能によりデザインされています。彼らの優れたイマジネーションと想像力は、今まで見たことの無いような新鮮な驚きと夢にあふれた製品を我々に提供しています。
トリビュ(TRIBU)
トリビュは本年で創業50年を迎えたベルギーの屋外家具ブランドです。トリビュはミラノサローネに屋外家具ブランドとして出展した最初の企業で、テラスや庭に使われる家具も室内の延長線上にあるべきとの考え方で、一貫してモダンで洗練された屋外家具を発表しています。忙しい一日の疲れをリラックスして開放できる家具を提供すること目指し、快適でそれでいてシンプル、ナチュラル、ミニマルなモダンデザインの家具を追求しています。屋外の過酷な環境に耐える耐久性に優れた素材の調達にはいつも世界中からその分野の最上の品質の物をセレクトしていますが、同時に新しい素材の開発はトリビュの大きな使命です。
代表作トスカのデザインはB&B Italiaのデザインなどで知られるイタリア人モニカ・アルマーニが手掛け、この作品の為に開発された素材トリコードは耐久性、快適性に優れ同時に自然素材のような質感、風合いを持つ革新的な材料です。トリビュのデザインはいつになっても飽きのこないタイムレスエレガンスがテーマです。
フェルモブ(FERMOB)
フェルモブはその家具のルーツをたどれば19世紀にまでさかのぼるフランス、リヨン郊外のトワッシーにある金属製屋外家具メーカーです。フェルモブの家具が登場した19世紀末、先端素材のスティールを使用して建築されたパリ、エッフェル塔の設計者ギュスターブ・エッツフェルはスティールの優れた強度、加工性から”アイデアを生む素材”と称賛しましたが、フェルモブはその言葉どおり金属の多様性をいかんなくデザインに発揮、フランスらしい細い線と美しい装飾の家具を創り上げています。
しかしフェルモブの最大の魅力は24色もの多彩で豊かな色彩をフレームを選べることです。自然界にある花、果実の有機的な色から鉱物、錆の無機的な色まで毎シーズン新しい魅力的なる色を発表し、屋外家具のカラートレンドとして注目されています。椅子、テーブに違う色を組み合わせて、より柔らかな、またはよりアクセントの効いたセットに仕上げるのはオーナーの喜びです。
トゥウチ(TUUCI)
トゥウチはアメリカ、マイアミに本社を置くプレミアムパラソルのブランドです。創業者のドゥーガン・クラークはマイアミのボート業界で働いていた時、日よけの特別注文が多いのにヒントを得て、海上の風にも負けないパラソル開発のアイデアがひらめき現在にいたります。トゥウチのパラソルは一目見ればわかる他に類を見ないユニークでスタイリッシュなデザインで心地よい日陰を提供してくれます。しかしトゥウチ製品の最大の特徴はその品質にあり、フレームも天幕も非常に耐久性に優れた素材、構造を採用し、すべてのパーツの取り換えが可能な設計になっていますので長期間安心してご使用いただけます。
次回の掲載は4月30日(日)最終回です。
お見逃しなく!