2025.11.26

注文住宅のデザイン

Earnest architects

高級住宅のリビング

モノトーン調でまとめたリビングはおしゃれで洗練された印象があり、憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか。一口にモノトーンのリビングといっても、家具やインテリアの選び方、配置の仕方によって雰囲気は変化します。理想のモノトーンリビングを実現するには、ポイントを押さえた設計とデザインが欠かせません。
そこで本記事では、モノトーンリビングの魅力や特徴、モノトーンリビングを設計・デザインする際のコツなどをわかりやすくまとめています。これからマイホームやセカンドハウスの建設を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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モノトーンリビングが選ばれる理由と主な魅力3つ

High ceiling Modern dining design│高級住宅

モノトーン調のリビングは時代やトレンドに左右されることなく、根強い人気があります。なぜモノトーンリビングが人々に選ばれるのか、その理由と主な魅力を3つのポイントに分けてご紹介します。

洗練されたおしゃれなデザイン

モノトーンリビングでは、内装や家具を黒や白、グレーなどの無彩色でまとめます。そのため、全体的に洗練されたスタイリッシュなデザインとなり、まるでモデルルームのようなスタイリッシュでおしゃれな空間が生まれます。
シンプルな色使いのモノトーンリビングは飽きにくく、何年経っても心地よく過ごせるデザインといえます。

アートやグリーンとの相性が良い

黒や白を基調としたモノトーンリビングは他の色とも調和しやすく、カラフルなアートやグリーンを取り入れやすいという特徴があります。
モノトーンの空間にお気に入りの絵画や観葉植物などが映え、程よいアクセントとなり、部屋全体にメリハリが加わります。こうしたコーディネートが楽しめる点も、モノトーンリビングの魅力のひとつです。

生活感が薄れる

モノトーンリビングでは、単に白や黒のインテリアで統一するだけではなく、余計なものを置かないように設計することで、生活感を抑えられます。まるでホテルやモデルルームのようなおしゃれな空間が非日常感を演出し、上質なひとときをもたらします。また、余計なものを置かない、見せない暮らしは片付けの手間も少なく、見た目の美しさと実用性を両立できる点も魅力です。


理想のモノトーンリビングを実現する設計のコツ

モノトーンリビングは、黒や白、グレーなど限られた色をベースにするため、設計やデザインがしやすいと感じられることもあります。たしかに、モノトーンリビングの特徴の一つに「コーディネートのしやすさ」が挙げられますが、理想的な空間に仕上げるためには、配色のバランスや光の取り入れ方、素材選び、間取りの設計など、さまざまなポイントを押さえておくことが大切です。
ここからは、理想のモノトーンリビングを実現するための設計のコツを4つご紹介します。

配色のコツ

モノトーンリビングは白・黒・グレーの3色を使用するのが基本です。しかし、どの色をどのくらいの比率で配色するかによって、リビングの印象は大きく変化します。
例えば、白色系のカラーは実際よりも大きく見せる膨張色のため、多く取り入れると開放的で広がりのある空間になります。また、太陽光を反射しやすく、部屋全体を明るく見せる効果もあります。
 一方で、黒やグレーを多めに使うと、空間が引き締まり、落ち着いた印象になります。重厚感や高級感も演出できるため、シックなリビングを目指したい場合に適しています。
このように同じモノトーンリビングでも、どの色を基調とするかやその比率によって雰囲気が大きく変化します。そのため、事前にどのようなイメージのリビングにしたいのか、あらかじめコンセプトやテーマを明確にしておくのが大切です。
また、ベースカラーに加えてアクセントカラーを取り入れることも、おしゃれなリビングに仕上げるコツです。モノトーンだけでは、無機質でやや殺風景なイメージになりがちですが、差し色を加えることで空間にメリハリが生まれ、より洗練されたデザインに仕上がります。
アクセントカラーはイメージや好みで自由に選べます。クールでかっこいいリビングを目指すなら黒やグレーをベースにしたリビングに、赤や青など鮮やかな色をアクセントとして加えるのがおすすめです。ナチュラルでやさしい雰囲気のリビングを目指すなら白をベースに、ライトイエローやミントグリーンなどの淡色を取り入れると空間がやわらかく仕上がります。

光の採り入れ方のコツ

黒や白を基調としたモノトーンリビングは、配色によっては単調で平坦な印象になりやすいため、採光や照明を効果的に取り入れ、コントラストを際立たせることがコツです。
例えば、スリット窓やトップライト(天窓)を組み込むことで、計画的に床や壁面に美しい光のラインを描き出すことが可能です。その光は、時間とともに移ろいながら空間に変化を与え、まるでアートのような情景を描きます。シンプルな構成のモノトーンリビングだからこそ、光の表現が際立ちます。
外からの視線が気になる場合は、高窓や地窓も有効です。天井に近い高窓は柔らかな光を拡散し、地窓は独特の陰影を生み出します。モノトーンリビングなど静的で構成のシンプルな空間は、こうした採光の工夫が空間に動きや奥行きを与えます。

素材選びのコツ

モノトーンリビングを設計する際は、配色だけではなく、部屋の雰囲気やコンセプト、素材選びが大切です。色数が少ない分、質感が空間の印象を決定づけます
光沢感のある素材でそろえると、無機質でクールな印象になり、マットな仕上げや織り感のある素材は、温もりのある印象に仕上がります。素材ごとの肌触りや光の反射を意識した組み合わせが重要です。
例えば、ナチュラルなモノトーンリビングを目指すのなら、壁材に天然素材の漆喰や珪藻土を使用する、床を無垢材にするなどの方法があります。天然素材には独特のぬくもりや温かみがあるため、モノトーンカラーでまとめても硬い印象を与えません。

間取りのコツ

モノトーンリビングのシャープな印象を強調させたい場合は、間取りを直線的な構成にするのがポイントです。
例えば、リビングとダイニングを一直線にレイアウトしたり、吹き抜けのある空間とすることで視線の抜けが生まれ、配色による開放感をより高められます。
また、リビングには十分な収納計画も欠かせません。収納が足りない場合、雑多な物があふれ、生活感が出てしまう恐れがあります。なお、収納は「壁面収納」がおすすめです。モノトーンリビングでは、無駄を省いたシンプルな構成が美しさを引き立てるため、壁面収納との相性が良く、扉の色や素材を壁と一体化させれば、収納の存在をなくせます。


失敗しない! モノトーンリビングの「配色バランス」実践ガイド

モノトーンリビングを洗練された空間に仕上げるためには、白・黒・グレーの配色バランスを正しく整えることが重要です。理想的な比率は、白を基調としたベースカラー70%、グレーを中心とするアソートカラー25%、引き締め役の黒をアクセントカラー5%とする構成が基本です。シックで落ち着いた雰囲気が好みの場合は、白とグレーの配色を入れ替えても良いでしょう。
また、インテリアは「面積効果」によって色の見え方が変わる点にも注意が必要です。たとえば、同じグレーでも壁一面に使用すると明るく見え、クッションなど小さな面積では濃く感じられます。配置する面積を意識しながら色の濃度を調整することで、視覚的なバランスが整い、統一感のあるリビングに仕上がります。
モノトーン空間は単調になりやすいため、素材感や差し色をさりげなく使うことで奥行きや空間の表情を生み出せます。ウッド、ストーン、メタルなど異素材を組み合わせるほか、アートやグリーンを控えめに取り入れると、モノトーンの静けさを保ちながら豊かな表情を演出できます。
配色バランスを正しく設計することで、「モノトーンリビング」の洗練と居心地の良さを両立できます。



モノトーン空間で「生活感」を上手に消す収納術

モノトーンのリビングを美しく保つためには、生活感をいかに見せないかが鍵になります。白・黒・グレーで構成された空間はわずかな“ノイズ”でも目立ちやすいため、収納計画はデザインの一部として考えることが重要です。
まず、生活用品を視界から排除するために、壁面や家具と一体化させた隠す収納を活用します。リビングボードや壁面収納を壁とフラットに収める「造作収納」は、モノトーンの静かな世界観を崩さずに日用品を整理できます。また、扉を柄のないフラットデザインで仕上げることで、よりミニマルな印象に整います。
収納家具選びもカラーと質感を壁と合わせることで空間に溶け込み、存在感を抑えられます。ゴミ箱やルーターなどの生活用品は、専用のスペースを設けて完全に隠すことで、モノトーンリビングならではの洗練された雰囲気を維持できます。

モノトーンリビングの魅力を引き立てる家具選びのポイント

モノトーンリビングは、部屋のインテリアによっても魅力が大きく左右されます。理想のモノトーンリビングに合う、家具を選ぶ際に押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。

1. シンプルなデザインを選ぶ

モノトーンリビングはシンプルなデザインと相性が良いため、家具もなるべく装飾が少なく、すっきりとしたデザインのものを選びます。
色は内装と同じく白や黒、グレーなどを選ぶのが無難ではあるものの、落ち着きのあるベーシックカラーや差し色になるビビッドカラーとも相性が良いです。

2. 素材感のある家具を選ぶ

使用する素材によって空間の印象は大きく変わるため、素材感にこだわった家具選びが重要です。
クールでスタイリッシュな雰囲気を目指すなら、ガラスやスチール、ステンレス製のテーブルなど、シャープな印象の素材が適しています。一方、モノトーンリビングにやわらかさを取り入れたい場合は、ファブリック素材のソファや木製家具を選ぶと、温かみのある印象に仕上がります。また、和モダンテイストを加えたい場合は、和紙や竹などの素材を使った家具を取り入れると趣のある空間を演出できます。

3. ロースタイルの家具を選ぶ

家具は製品によってサイズが異なりますが、モノトーンリビングでは、背の低いロースタイルの家具を選ぶのがおすすめです。
ロースタイルの家具を配置することで、視線が抜けやすくなり、空間の上部に余白が生まれるため、モノトーンリビングの特徴である開放感をより強調できます。特に黒い家具は視覚的な存在感が強いため、背の高いものは圧迫感を与えやすくなります。
また、家具の高さをなるべくそろえることも重要なポイントです。高さの異なる家具が空間内に点在していると、視覚的なバランスが崩れ、ちぐはぐな印象を与えてしまう可能性があります。

4. 配色の黄金比を意識する

インテリアに限らず、住宅における配色はベースカラー、メインカラー、アクセントカラーの3つを適切な比率で採り入れるのが基本とされています。それぞれの色の特徴と割合は以下の通りです。

配色 割合 特徴
ベースカラー 70% ●最も大きな面積を占める色
●インテリアでは床や壁、天井などに使われる
メインカラー 25% ●主役となる色
●インテリアでは家具やファブリックなどに使われる
アクセントカラー 5% ●ワンポイントで入れる差し色
●インテリアでは小物に使われる

モノトーンリビングの場合、ベースカラーを白、メインカラーをブラックやグレーにするのが一般的です。そのため、家具は黒やグレーで統一することが多くなりますが、家具の数やサイズ大きいと配色バランス(黄金比)が崩れてしまう可能性があります。
黒やグレーをやや多めに取り入れても問題はありませんが、空間全体の配色が重たくなりすぎないよう、家具のボリュームには注意が必要です。色だけでなく、配置やプロポーションのバランスも大切です


【素材別】モノトーンリビングの高級感を高めるテクスチャの選び方

モノトーンリビングをワンランク上の洗練された空間へ仕上げるには、「色」だけでなく素材の質感(テクスチャ)を戦略的に組み合わせることが鍵です。ガラス・スチール・石材・木材といった異素材のミックスは、空間に立体感を生み出します。ガラスは透明感、スチールはシャープさ、石材は重厚感、木材は温かみを与え、モノトーンの無彩色に豊かな表情を加えます。
さらに、家具の質感選びも高級感に直結します。レザーやファブリック素材の家具は高級感や柔らかさを与え、チェアやクッションの素材を変えることで、モノトーンでも単調にならず、メリハリのあるリビングを演出できます。
また、鏡面仕上げ(グロス)とマット仕上げの使い分けは、光の反射をコントロールし、空間の完成度を大きく左右します。鏡面のテーブルや収納扉は広がりとラグジュアリーさを強調し、マットな壁や家具は落ち着いた印象を与え、視覚的なバランスを整えます。
テクスチャにこだわることで、モノトーンリビングは色数が少なくても表情豊かな空間を叶えることができます。



アートや植物を活かすモノトーンリビングの飾り方

モノトーンリビングを洗練させる決め手は、アートや植物を“計算して”配置することです。色数の少ないグラフィックやモノクロ写真などは空間全体に統一感が生まれます。大胆な色を使ったアートを置く場合は1~2点に絞り、視線が集まる壁面に配置することで、空間のアクセントとして効果的に機能します。
また、無機質になりがちなモノトーン空間には、グリーンを適度に取り入れることが最も簡単で効果的な方法です。観葉植物の深い緑はモノトーンの背景に映え、温かみとリラックス感をプラスします。背の高い植物は空間の余白に立体感を生み、テーブルグリーンは生活空間に柔らかさを添える役割を果たします。
モノトーンの背景は「見せるインテリア」を最大限引き立てるキャンバスとなります。質感のあるフレーム、メタルやガラスのオブジェ、照明の陰影を活かしたディスプレイなどを組み合わせることで、空間に奥行きと豊かな表情を加えられます。
アートと植物を上手に活かすことで、モノトーンリビングはより洗練され、個性と温かみを兼ね備えた空間へと仕上がります。



季節や気分で変えるモノトーンインテリアの簡単な模様替えアイデア

モノトーンインテリアは色を抑えているからこそ、季節や気分に合わせた模様替えがしやすいのが魅力です。取り入れやすい方法としてまず挙げられるのが、クッション・ラグ・ブランケットなどの小物を用いたアレンジです。質感や柄を変えるだけで空間の印象は大きく変わり、冬はボアやファー、夏はリネンやコットンなど季節感のある素材を選ぶことで、モノトーンの洗練を保ちながら雰囲気を自在にコントロールできます。
また、照明設定を変えるだけでも季節ごとの光を引き立てる効果があります。冬は暖色寄りの光で柔らかさと温もりを強調し、夏は白色寄りの光で清涼感のある空間に。ダウンライトや間接照明の調光を調整すると、同じモノトーンのインテリアでも色の見え方が変わり、異なる印象を与えられます。
雰囲気に変化を付けたい際は、カラーや素材の“足し引き”も有効です。面積の大きいラグは空間全体の印象を左右しやすく、白・グレー・黒の使い分けによってマンネリを防げます。また、シンプルなモノトーン空間は季節の枝物やアートを少量加えるだけでもアクセントとして美しく映えます。
色数を増やさずとも印象を大きく変えられるのが、モノトーンインテリアの強みです。“質感・光・バランス”を上手に操り、季節ごとに新鮮なリビングを楽しめます。



アーネストアーキテクツが手掛けたモノトーンリビングの設計事例

ここでは、建築設計事務所アーネストアーキテクツが手掛けたモノトーンリビングの設計事例をご紹介します。

URBAN RESORT HOUSE

Modern living design│高級住宅コートハウスのモダンなリビング
Modern living design│高級住宅コートハウスのモダンなリビング

まるでリゾートホテルに滞在しているかのような、光あふれるリビングが印象的な住宅です。
天井や壁は白で統一し、アクセントウォールにグレーを配したモノトーンのインテリアが、モダンさを際立たせます。2層吹き抜けのダイナミックな空間にはリゾート感のある植栽を配置し、シックなインテリアの中で自然の彩りが引き立ちます。また、クッションに取り入れたアースカラーの差し色が、洗練された雰囲気と温かみを添えています。

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空中庭園を持つ邸宅

高級住宅のモダンなリビング│モノトーン 折り上げ天井 スタイリッシュ
高級住宅のモダンなリビング│モノトーン 折り上げ天井 スタイリッシュ 室内暖炉

ベースカラーの白を基調に、ロースタイルの家具を組み合わせたモノトーンリビングです。
天井・壁・床は膨張色である白で仕上げ、ロースタイルの黒いソファが空間を引き締める役割を果たしています。テレビボードにはダークカラーの木材を使用し、空間に程よい温かみをプラス。さらに、アクセントとして取り入れた鮮やかな赤が、都会的で洗練された印象を演出しています。

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モノトーンリビングのポイントやコツを押さえてスタイリッシュな空間を創ろう

モノトーンリビングは、シンプルでありながら洗練されたデザインが実現でき、生活感を抑えられる点など、さまざまなメリットがあります。おしゃれなリビングの代表格として知られ、白・黒・グレーを基調とした3色構成により、コーディネートのしやすさも魅力のひとつです。
ただし、配色や光の採り入れ方、素材、間取りなどの選択を誤るとイメージと異なる仕上がりになってしまう可能性もあります。
「ぼんやりしたイメージしか浮かばない」「自分でデザインしたけれど、上手くいかない」そんな場合は、プロの力を借りて理想のモノトーンリビングを形にしていくのが効果的です
 
アーネストアーキテクツは建築設計事務所として、機能的で独創的な美しい注文住宅を数多く手掛けています。ファーストプランを専門に行うコンセプトデザイナーと、担当設計士のディレクトデザイナーに分けた「分業制」を採用しており、自由で斬新な発想のデザイン・設計をご提案します。また、視覚的にわかりやすいCGパースを用いて空間を具体的に表現するため、完成後のリビングのイメージもつかみやすくなります。
理想のモノトーンリビングを実現したい方は、お気軽にアーネストアーキテクツにご相談ください。

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