2025.7.4

注文住宅のデザイン

Earnest architects

高級住宅の重厚感のある外観

一軒家の外観は、住み手の個性や美意識の現れでもあり、理想の住まいの満足感を高める重要な要素です。注文住宅の外観デザインには自由度がある分、「どういうデザインにするべきか分からない」「自分や家族のイメージにぴったり合うデザインはどれだろう?」と悩まれる方は多いのではないでしょうか。
 
本記事では、一軒家の外観の重要性や、注文住宅の代表的な外観デザインデザインを決めるためのポイントなどをご紹介します。なお、記事の後半では、アーネストアーキテクツが手掛けたこだわりの一軒家の事例もご紹介します。理想の一軒家を建てたいとお考え方は、ぜひ参考にしてください。

一軒家の外観はなぜ大事? デザインの重要性

理想の一軒家を建てる際、外観が重要とされる理由は主に以下の5つです。

●家の顔としての役割
●暮らしの満足度を高める
●街並みとの調和
●資産価値への影響
●デザイン変更の難しさ

 
ここからは、それぞれについて詳しく解説します。

家の顔としての役割

一軒家の外観デザインは、その家に住む人の個性や価値観、センスを映し出す家の顔として、大切な役割を担っています。外観のデザインは第一印象を左右する大切な要素であり、洗練された外観は、訪れる人や通りすがる人に好印象を与えます。外観は住まい全体の魅力を高めてくれる存在といえます。

暮らしの満足度を高める

自分や家族の好みや価値観に合う理想の外観デザインは、帰宅時など日常の中でふと目にした際に、充実感や満足感を高めてくれる存在です。
また、外観は住まいというプライベート空間において、他者からの評価が得やすい部分です。洗練された外観は、住む人のセンスや暮らしぶりを好意的に伝えることができます。外観に満足できる住まいは、QOL(生活の質)を高め、毎日の暮らしに彩りと自信をもたらしてくれます。

街並みとの調和

一軒家は地域の街並みに影響を与える存在です。周囲の環境と調和したデザインは、全体の景観を美しく保つだけでなく、住宅としての品格を高めることにもつながります。エリアごとの雰囲気や景観条例などのルールを踏まえたうえで、街に馴染む外観を設計することが重要です。
街の雰囲気や景観条例は地域ごとに異なるため、プロと相談しながら街並みに沿うデザインを設計するのがおすすめです。

資産価値への影響

一軒家の外観は、住まいの資産価値に直結します。誰もが魅力を感じるセンスの良い外観であれば、将来的に売却を検討した際も買い手が付きやすく、希望価格での売却につながりやすくなります。
また、長期的に価値を保つには、経年変化が望める素材やメンテナンス性に配慮した設計を行うことが大切です。耐久性やメンテナンス性に考慮したデザインについても、設計士などの専門家にアドバイスを求めると安心です。

デザイン変更の難しさ

外観デザインは大きな変更がしづらい部分です。リフォームでも新たに大開口を設けたり、建物のフォルム自体を大きく変更することは構造的な制約も多く、現実的には困難なケースがほとんどです。そのため、建築段階から外観デザインにしっかりと向き合い、将来を見据えて計画することが重要です。


一軒家の主な外観デザイン

ここからは、一軒家の外観デザインのジャンルと魅力についてご紹介します。

モダンデザイン

モダンデザインとは、無駄を省いたすっきりとしたフォルムと、白・黒・グレーなどのモノトーンカラーを基調に、コンクリートやスチールなどの無機質な素材を使用した現代的なデザインです。装飾の多い一軒家は個性やオリジナリティを演出できる一方、飽きが来やすい、買い手が付きにくいといったデメリットもあります。
モダンデザインは流行に左右されにくく、将来的な売却時にも有益なことから、一軒家の普遍的なデザインとして高い人気を誇ります
なお、モダンデザインは複数の種類に分かれており、和テイストを採り入れた和モダンや、凹凸が少なくモノトーンの配色を主としたシンプルモダンなどがあります。

ナチュラルデザイン

ナチュラルデザインは、木や自然素材を取り入れた、やわらかく温かみのある外観です。
 外壁には木や左官を使用したり、一部に天然石の風合いを生かした割り肌仕上げなどが用いられます。配色も白やベージュ、ブラウン、アイボリーといった淡い色を基調としたものが多く、モダンデザインよりもやわらかなイメージの外観になります。
やさしい雰囲気のナチュラルデザインは、繊細な枝とやわらかい葉が特徴のアオダモや白やピンクの花を咲かせるヤマボウシなどの植栽と相性が良く、ガーデニングや緑を楽しみたい方にもおすすめのデザインです。

和モダンデザイン

格子や深い軒、水平ラインを強調したデザインなどの和の要素をモダンにアレンジしています。静けさと気品を感じさせる風格があり、日本の景観にもなじみやすいのが特長です。配色は和のテイストに合わせて、黒やダークブラウンなどシックな色合いにナチュラルな明るい木材を組み合わせるケースが多く見受けられます。
日本らしい美意識と機能美を備えた和モダンの外観は、近年では海外の方からも高い評価を受けており訪日外国人やインバウンド市場を意識した住宅や宿泊施設のデザインとしても注目されています。

クラシック・輸入住宅風

クラシック・輸入住宅風の外観は、欧米の伝統的な建築様式をベースにした、気品と重厚感を兼ね備えたデザインが魅力です。左右対称の美しいファサード、装飾柱やアーチを取り入れた玄関ポーチ、レンガや天然石の外壁など、細部にまで意匠が行き届いた佇まいは、街並みに優雅な存在感を放ちます。ジョージアン様式やフレンチスタイル、アーリーアメリカンなど、多様なデザインから好みに合わせて選べるのも輸入住宅風の外観の特長です。
外観に華やかさや重厚感を求める方、海外の住まいに憧れを持つ方にとって、クラシック・輸入住宅風の外観は、長く愛せるデザインといえます。

キューブ型・箱型デザイン

直線的で無駄のないフォルムが印象的なキューブ型・箱型住宅は、現代的でスタイリッシュな住まいを好む方に人気の高い外観デザインです。装飾を極力そぎ落としたシンプルな構成は、余計な情報を排除し、建物そのものの輪郭美を際立たせます。
四角いボリュームで構成された外観は、モノトーンの外壁や無機質な素材(コンクリートやモルタル)との相性も良く、都市部の住宅街で存在感を放ちます。
また、外観だけでなく、シンプルなフォルムは室内空間にも無駄が出にくく、間取りの自由度が高いという実用的なメリットも。デザインと機能性を両立させた住宅を目指す方におすすめのスタイルです。

曲線美を活かしたデザイン

直線が主流の住宅デザインにおいて、曲線を取り入れた外観はひときわ目を引く存在です。なめらかにカーブを描く壁面や、丸みのある屋根などは、どこか自然を感じさせる有機的なフォルムで、やさしく柔らかな印象を住まいに与えます。
曲線美を活かした住宅は、彫刻のような造形美をもつアート性の高い外観が特徴。建物そのものがランドマークのような役割を果たすため、個性や感性を大切にする方、他にはないデザインを求める方に選ばれています。直線的な建築にはない柔軟性と温かみを備えたこのデザインは、自然と調和する住まいを目指す方にもおすすめです。


一軒家の外観デザインを決めるためのポイント

ポイント

一軒家の外観デザインを理想の形に仕上げる、押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。

テーマや価値観に合ったテイストを選ぶ

一軒家の外観デザインを考える際には、まず住まいに込めたいテーマや価値観を基に「どんなテイストにしたいか」を明確にします。
 例えば、「自然を感じるナチュラルな雰囲気にしたい」「シンプルで都会的な印象にしたい」「生活感のないラグジュアリーなデザインにしたい」など目指すイメージを明確にするとデザインに統一感が生まれます。ベースとなるテイストが決まれば、他のテイストを組み合わせても全体のイメージが崩れにくく、まとまりのある外観になります。
どのテイストを選べばよいのか迷う場合は、デザインのジャンルごとに複数の施工事例を見比べてみるのがおすすめです。直感的に「いいな」思える事例を集めることで、自分たちの好みや価値観に合うテイストがより明確になっていきます。

周辺環境との調和を意識する

一軒家はその地域の景観の一部になるため、周囲との調和も外観デザインの大切なポイントです。例えば、緑が多い地域なら木材や石などの自然素材を採り入れることで環境に溶け込む外観に。都会的な住宅が多いエリアでは、直線的でシャープな外観がマッチします。
自治体によっては、街並みや自然の美観を保つことを目的とした「景観条例」が定められています。このような地域では、建物の高さや色彩に制限が設けられ、条例に反したデザインは、建築許可が下りないケースもあるため、事前に確認しておくことが重要です。
景観条例はその地域によって異なるため、分かりにくい場合は、その地域の実績が豊富な設計事務所やハウスメーカーなどに相談しながら進めるのが安心です。地域の景観や規制をふまえた、的確なアドバイスを受けられます。

テイストに合った形状の屋根を選ぶ

外観全体の印象を大きく左右するのが「屋根の形状」です。屋根にはさまざまな種類があり、選択するものによって外観のイメージが大きく異なります
例えば、シャープで現代的な印象を与える「陸屋根」は都会的なデザインと相性が良く、日本らしい落ち着いた外観には、四方向に傾斜をもつ「寄棟屋根」が合います。
以下に代表的な屋根形状と、その特徴をまとめました。

種類 特徴
片流れ屋根 ●片側にのみ勾配がある屋根
●スタイリッシュな印象
●太陽光パネルなども設置しやすい
切妻屋根 ●片側にのみ勾配がある屋根
●スタイリッシュな印象
サンプルテキスト
寄棟屋根 ●四方向に勾配がある屋根
●和風、和モダンなどと相性が良い
●強風や日射への耐性に優れる
陸屋根 ●勾配のないフラットな屋根
●さまざまなデザインテイストと相性が良い
●屋上やルーフバルコニーが設置しやすい


屋根はその地域の気候や設備面なども配慮して選択することが大切です。希望のテイストに加え、立地条件やメンテナンス性もふまえて、最適な屋根形状を選ぶことが住み心地のよい住まいづくりにつながります。


アーネストアーキテクツが手掛けたこだわりの一軒家事例

建築設計事務所のアーネストアーキテクツは、住む人の個性やライフスタイル、価値観などに適した住宅設計を行っています。ここからは、これまで手掛けてきた豊富な実績の中から、こだわりの一軒家の設計事例をご紹介します。

庭園を内包する離宮

高級住宅の外観・夕景
高級住宅の外観│邸宅

「庭園を内包する離宮」の一軒家は、直線で構成された外観デザインです。悠然とした佇まいを引き出すためシンメトリーを意識し、門から敷地内を進むアプローチにかけた屋根が、一直線にエントランスまで続きます。まるで天空のレッドカーペットのように訪れたゲストを出迎えます。
グレーの御影石を基調としたモダンをベースにしつつ、木端積みにしたブラウンの粘板岩をアクセントに用いて、素材感とナチュラルさを添えたデザインです。

この事例を詳しく見る


好みの融和を図る

高級住宅の重厚感のある外観デザイン
高級住宅の重厚感のある外観

「好みの融和を図る」の一軒家は、高台にある三方向が道路に接した敷地条件。すべての面がファサードになる好条件ですが、どこから見ても美しい外観を叶えなければならない課題でもあります。そこで、敷地の最も眺望を得られる位置に塔状の建物を配して外観のポイントとしました。外壁はすべて花崗岩のアンゴラブラックを使用していますが、仕上げや張り方を変えることで色や質感に変化をつけています。
重厚な佇まいと街並みに調和する外観デザインが、多年を重ねたような風格を与えています。

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一軒家の外観は住む人の顔になる重要な要素

一軒家の外観は、住まいの第一印象を大きく左右する大切な要素です。外観は人目に触れやすく、住む人の価値観や美意識を映し出す「家の顔」ともいえます。周辺環境と調和の取れたデザイン性の高い外観は、地域のランドマークになることも。行き交う人の目を引く自慢の住まいは、自身の生活や気持ちまでも豊かにしてくれる存在です。
一軒家の外観デザインは、ナチュラルやモダン、和モダン、クラシック、キューブ型など、さまざまなテイストが存在します。理想の住まいを形にするためには、ご自身のイメージを整理し、建築のプロと相談しながら設計を進めることが重要です。

建築設計事務所・アーネストアーキテクツでは、住み手の価値観やライフスタイル、立地条件などを丁寧にヒアリングし、お客さまに最適な一軒家の外観デザインをご提案しています。「理想のデザインがまだはっきりしない」「おしゃれな施工事例をたくさん見たい」とお考えの方も、お気軽にご相談ください。お客さまの“らしさ”が息づく住まいを、私たちが全力でサポートいたします。

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