タワーマンション(タワマン)に暮らす魅力とは? メリットとデメリットを徹底解説
2025.12.8
こだわり
Earnest architects
都市部での暮らしを検討される際、タワーマンション(タワマン)の購入を候補に入れている方も多いのではないでしょうか。眺望の良さ、利便性の高い立地、充実した共用施設など、タワーマンションには魅力的なメリットが多くあります。一方で、管理費や災害時のリスクなど、デメリットとなり得るポイントも存在するため、実際の暮らしをイメージしながら慎重に住まいを検討することが大切です。
本記事では、タワーマンションのメリットやデメリットをわかりやすく解説し、失敗しない住まい選びのヒントをお届けします。タワマンの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
タワーマンション(タワマン)の定義
タワーマンション(タワマン)とは、高層マンションのことを指し、眺望や共用施設、セキュリティ性の高さなど、暮らしにさまざまな価値をもたらす建物です。法律上・行政上の明確な定義はありませんが、一般的には高さ60m以上、または20階以上で構成されるマンションを指すケースが多いです。
●おおよそ 20階以上
● 高さ 60m以上
● 都市部に多い高層マンション
●眺望・設備が特徴的で、管理体制が手厚い場合が多い
建築基準法では高さ60mを超える建物が別区分として扱われるため、60m以上の高さであることがタワーマンションの基準として広く認識されています(※)。
※参考:e-GOV.「建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)」.https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 ,(参照2025-11-24).
タワーマンション(タワマン)のメリット
タワーマンションには、暮らす上でさまざまなメリットがあります。ここからは主なメリットをご紹介します。
眺望の良さ・開放感が得られる
タワーマンション最大の魅力は、やはりその「眺望の良さ」です。高層階では周囲を遮るものが無く、日常に非日常の体験をもたらします。自然光がたっぷりと入り、室内が明るく開放的に感じられる点も大きなメリットです。都市部では窓一面に広がる都市の夜景や、湾岸エリアでは海の輝きが日常の風景となります。
タワーマンションの多くは、この眺望を最大限に生かすために大きな開口部を設けて設計されており、室内にいながら外の広がりを実感できる点が特徴です。朝日が差し込む時間帯や、夕暮れのグラデーションが窓辺を包む瞬間は、日々の暮らしを格別に彩る特別な時間といえます。窓から見える圧倒的なパノラマビューは、タワーマンションならではの価値と言えるでしょう。
住民サービスが充実している
タワーマンションでは、日々の暮らしをサポートする住民サービスが充実していることが多いです。コンシェルジュによる来客対応やタクシー手配、宅配便の預かり、クリーニング取次など、ホテルライクなサービスが日常の一部として利用できます。このようなサポートによって、ホテルのような快適な暮らしが実現します。細やかな配慮の行き届いた生活は、タワーマンションならではの魅力です。
- <コンシェルジュ対応の一例>
- ●宅配便やクリーニング品の受け取り
●共用設備の予約
●来訪者の案内
●タクシー・ハイヤーの手配
●フードデリバリーやケータリングの手配
共用設備が充実している
タワーマンションの魅力の一つに、共用施設の豊富さがあります。ラウンジやゲストルーム、フィットネスジムなど多彩な設備が整っている物件が多く、その利便性は一般的なマンションと一線を画します。
特にファミリー世帯に嬉しいのが「キッズルーム」の存在です。天候に左右されず安全に遊べる空間があることで、子どもたちが伸び伸びと過ごせる環境が整います。また、子ども同士、親同士の交流が生まれやすく、コミュニティ形成にもつながる点も大きな魅力です。
さらに、敷地内に保育園が設けられているマンションもあり、子育てと仕事の両立に適した環境が整います。一般的なマンションでは得られない充実度であり、タワーマンションの住民は自由に利用できる点が魅力です。多彩な共用施設は、タワーマンションの住まいを「居住空間以上の価値」へと引き上げます。
利便性が高い
タワーマンションは駅近に建つことが多く、中には最寄り駅に直結している物件もあります。駅ビルや商業エリアに隣接するケースも多いため、日常の移動が非常にスムーズです。通勤・通学はもちろん、買い物や外食も徒歩圏内で完結できることが多く、車に頼らず生活できるのは都市部ならではの大きなメリットです。
また、物件によっては建物の1階部分にスーパーマーケットやコンビニエンスストアが入っていることもあります。さらに、複合開発エリアに位置するタワーマンションでは、医療施設や保育施設、行政機関が併設されているケースもあり、暮らしの利便性が格段に高まります。生活圏がコンパクトにまとまることで、日々の時間にゆとりが生まれる点も魅力のひとつです。
防犯性・セキュリティが高い
タワーマンションは、一般的な集合住宅に比べ、防犯性が非常に高い傾向にあります。防犯カメラや防犯センサーの設置をはじめ、二重・三重のオートロックや顔認証システムなど、安全性を確保するための設備。管理人やコンシェルジュによる有人管理など、多層的なセキュリティが整っています。
また、高層階の場合、窓や屋上から侵入されるリスクもリスクが低いため、小さな子どもや高齢者のいる家庭でも安心感を持って暮らすことができます。セキュリティ性の高さは、タワーマンションが選ばれる大きな理由のひとつです。
耐震性に優れている
現代のタワーマンションは、地震に対する安全性を高めるための最新技術が導入されていることがほとんどです。制震・免震構造の採用により、建物の揺れを軽減し、居住者の安全を守る仕組みが整えられています。
厳格な建築基準を満たすことで、高い耐震性を備えている点もタワーマンションの特長の一つです。
高層階では虫が侵入しにくい
タワーマンションは階層が上がるにつれ、蚊やハエ、ゴキブリといった虫が発生しにくい環境になります。虫の発生源に距離があることに加え、風の影響で飛来しづらいことが理由です。またタワーマンションの多くは廊下が屋内にある内廊下方式を採用しており、外気と直接触れる機会が少ない造りです。この構造により、玄関から虫が侵入する可能性が低くなります。
もちろん、換気口や荷物の搬入時などに虫が侵入するケースもありますが、一般的な住宅と比較すると侵入リスクは低いといえます。虫が苦手な方にとっては大きなメリットの一つになるはずです。
管理体制が整っている
タワーマンションは管理体制が非常に整っていることが多く、住み心地の良さに直結します。管理人やコンシェルジュが常駐しているケースが多いため、共用部の清掃・点検が行き届き、建物全体のクオリティが維持されやすくなっています。また、専門業者による定期メンテナンスが入ることで、設備トラブルが発生しにくいのも特徴です。
マンションの各階にゴミを出すためのスペースが設けられている場合が多く、時間を気にせずゴミを出せます。忙しい方や衛生面を気にされる方にとって、24時間利用できるゴミステーションが備わっていることは大きなメリットになります。
管理の行き届いた環境は、タワーマンションの付加価値のひとつです。
資産価値が維持されやすい
タワーマンションは立地の良さ、ブランド力、共用施設の充実度などから、中古市場でも評価が高く、資産価値が維持されやすい傾向にあります。特に都心部の人気エリアでは需要が安定しており、売却時の価格が大きく崩れにくい点も魅力です。また、管理体制や建物のグレードが価値を左右するため、高品質なタワーマンションほど資産形成の観点からも有利に働きます。“住まい”でありながら“資産”としての機能を持つ点は、大きなメリットと言えるでしょう。
タワーマンション(タワマン)のデメリット
タワーマンションには多くの魅力がある一方で、暮らしの中で注意しておくべきポイントもあります。ここからはタワーマンションのデメリットをご紹介します。
管理費や修繕積立金が高額になりやすい
タワーマンションは共用施設やサービスが充実している反面、その維持費として毎月の管理費・修繕積立金が高額になる傾向があります。ラウンジやゲストルーム、フィットネスジムなどの共用施設は便利ですが、利用の有無に関わらず維持費が必要です。また、タワーマンションは建物規模が大きいため、エレベーターや空調などの機械設備の点検・交換費用も多く発生します。さらに、将来的な大規模修繕では、高層ならではの工法や足場設置が必要となり、一般的なマンションよりコストが上昇しがちです。購入前に、長期的なランニングコストを見据えて検討することが大切です。
エレベーターが混雑することがある
タワーマンションでよく挙げられる悩みが、エレベーターの待ち時間です。特に朝の通勤・通学などのピーク時間帯は、複数の住人が一斉に利用するため、エレベーターが満員になったり、到着まで時間がかかったりすることがあります。住戸数が多いマンションほど、この傾向は顕著に現れます。複数基を設置している物件がほとんどですが、階数が多い建物ではどうしても時間がかかるため、利便性とのバランスを理解したうえで検討することが重要です。
立地が良いタワーマンションでも、マンションを出るまでに時間を要するようでは、折角のメリットを活かせないことになります。
災害時のリスク(停電・断水・エレベーター停止)
タワーマンションは耐震性が高く設計されていますが、災害時には特有のリスクが存在します。停電が起こるとエレベーターが停止し、高層階への移動が困難になります。また、断水が発生した場合、給水ポンプが機能しないため、水が上層階まで届かなくなる可能性があります。さらに物流の停滞によって、物資の供給が遅れることもあります。こうしたリスクを軽減するため、多くのタワーマンションでは非常用電源や備蓄倉庫が整備されていますが、完全にリスクをゼロにすることはできません。災害時の行動を事前に想定しておくことが重要です。
風の影響を受けやすい(揺れ・バルコニーの使いにくさ)
高層階では風の影響を受けやすく、強風によって窓を開けられない日があるほか、洗濯物や布団をバルコニーに干すことが禁止されている物件も多くあります。
また、近年のタワーマンションは制震・免震技術が進化していますが、大きな建物特有の“ゆっくりとした揺れ”を感じる場合があります。これは構造自体が揺れを吸収し安全性を高めるための仕組みですが、敏感な方にとっては不安につながることも。こうした高層ならではの使用感を理解したうえで、生活スタイルに合うかどうか検討することが大切です。
修繕工事に時間とコストがかかる
タワーマンションは規模が大きく、高層階の外壁修繕や設備交換には専門的な作業が必要となるため、一般的なマンションよりも工期と費用がかかる傾向があります。
外壁工事では高所作業車やゴンドラが必要になり、そのぶん費用が増大します。また、エレベーターや機械式駐車場など設備が多い分、メンテナンスや更新にも継続的なコストが発生します。
こうした点から、修繕積立金の増額が避けられない場合もあります。長期的な維持費を見据えた購入判断が求められます。
共用施設を使わないと割高に感じる
タワーマンションの魅力である共用施設ですが、利用頻度が低い場合は維持費が負担に感じられることがあります。フィットネスジムやラウンジ、ゲストルームなどの設備はどれも便利ですが、使わなくても管理費として毎月費用を負担する必要があります。子育て期やライフスタイルの変化によって利用機会が減ると、「費用に対してメリットが少ない」と感じるケースもあります。共用施設の内容が自分の生活に合うかどうか、将来の暮らし方も含めて慎重に見極めることが重要です。
ライフスタイルに合った住まいを見極めることが大切
ここまでご紹介したように、タワーマンションには多くの魅力がある一方で、管理費や修繕積立金が高額になりやすい点や、エレベーター待ち・災害時のリスクといったデメリットがあるのも事実です。こうした特徴を踏まえると、「タワーマンションが理想の暮らしに本当に合っているのか」を一度立ち止まって考えることが大切です。
タワーマンション以外にも一戸建てという選択肢もあるため、ご自身やご家族に適した暮らしを実現できるかどうかをしっかりと見極めることが重要です。
例えば、日々の暮らしに“自分らしさ”や“こだわり”をより深く反映させたい方には、タワーマンションよりも注文住宅が適している場合があります。タワーマンションは規約が細かく、間取り変更やDIY、ペットの飼育などに制約がある一方、注文住宅なら、間取りから素材選び、収納計画に至るまで、生活スタイルに合わせて自由に設計できます。また、子育て世帯で「広い庭がほしい」「静かな環境で暮らしたい」という希望がある場合、戸建てのほうが柔軟に叶えやすいメリットがあります。
タワーマンションと注文住宅は、どちらが優れているということではなく、「どちらが自分の価値観や暮らし方に合っているか」がもっとも重要です。双方の特徴を理解したうえで、理想の住まいを見極めることが、後悔しない住まい選びにつながります。
アーネストアーキテクツが手掛けた高級住宅の設計事例
アーネストアーキテクツは、お客さまご自身の価値観や感性を大切にしながら、理想の住まいを形にする建築設計事務所です。ここでは、アーネストアーキテクツが手掛けた高級注文住宅の事例をいくつかご紹介します。住まい選びの視野を広げるヒントとして、ぜひご覧ください。
伸びやかに暮らす
都心の閑静な住宅地に建てられた高級住宅です。南・東・西の3方向を隣地に囲われた土地でありながら、吹き抜けのある広い中庭を設けることで、プライバシーやセキュリティ、採光の問題をクリアしました。
道路に面した地階には、合計3台が入るインナーガレージとエントランス、奥にはゴルフシミュレーターを設置した45畳ほどのアスレチックルームを設けています。1階には、LDKと家事スペースなどがあり、家事動線を集約しました。キッチン横にはお子さまの学習スペースを設けて、家事の合間でもお子さまの様子を見守れます。
2階には、ファミリーリビングと家族の居室、大容量の共用クローゼットを設けました。さらに屋上には広々としたルーフバルコニーもあり、都会の夜景を楽しめます。
景観に沿うモダン住宅
隣接する竹林とマッチする、モダンな外観が特徴的な高級住宅です。マットゴールドのオリジナルデザインの門扉が美しいだけではなく、植栽も日本古来の松や竹をコーディネートしています。
風水の観点から運気が中央に集まるように、リビングは吹き抜けにして風が直線を流れる設計としました。コンクリート打ち放しの外観に合わせ、室内もグレーを基調としたシックな内装とインテリアで統一しています。
東西に設けたテラスは対照的な構成とし、東側は無機質なミニマルデザインに。西側は既存樹の紅葉を生かし、水盤を設けて樹木や水など有機的な印象の和テイストにしました。
プライバシーを守る箱
美しい公園を望む閑静な住宅街に建つ、建築とインテリアに強いこだわりを持つご夫婦のための注文住宅です。外観は、異素材を組み合わせた直線的で立体的なデザインを採用し、ミニマルながら存在感のあるファサードを実現しました。
住まいの内部は、暮らしやすさとプライバシーを両立する設計に。2階のリビングは通りからの視線を避けつつ、東側の大開口と広いバルコニーから柔らかな光を取り込み、開放的で快適なLDK空間をつくり出しています。
シンプルな直線美にこだわり、意匠性と機能性を高いレベルで両立させた、注文住宅ならではの魅力を体現する住まいです。
理想に合う快適な暮らしを手に入れよう
ここまで、タワーマンションのメリット・デメリット、そしてアーネストアーキテクツが手掛けた高級住宅の設計事例をご紹介しました。タワーマンションには、眺望の良さや利便性の高さといったメリットがある一方で、ライフスタイルによってはストレスにつながる場面があるのも事実です。その点、一戸建ての注文住宅は、空間構成の自由度やプライバシーの確保など、また異なる価値をもたらしてくれます。
大切なのは、ご自身やご家族が「どんな時間を心地よいと感じるか」を見極め、その想いを叶えられる住まいを選ぶことです。
もし注文住宅に可能性を感じているのであれば、ぜひアーネストアーキテクツへご相談ください。あなたのライフスタイルに沿う“理想の住まい”を土地探しからサポートいたします。
建築のご相談やカタログ請求、ショールーム見学なども随時承っていますので、お気軽にお問い合わせください。