最終回│フィンランドサウナ紀行
2022.8.31
こだわり
金子仁美
AVANTO
フィンランドサウナ紀行
ブログ連載最終回は、フィンランドのサウナ紀行。本場フィンランドのめくるめくサウナの世界を紹介したいと思います。そもそも「サウナ」とはフィンランド語。人口540万人に対して330万ものサウナがあるそうです。ホテルにも共用部としてサウナが併設されているところが多く、私が泊まったヘルシンキのLaplandhotelには、客室にもサウナがありました。寝ても覚めてもサウナに入り放題です。
今回は、そんなフィンランドの個性豊かな3つのサウナ施設をご紹介します。
Loÿly(ロウリュ)@ヘルシンキ
まず1つ目は、ヘルシンキの沿岸部に2016年に出来た、とにかくかっこいいの一言に尽きるサウナ&レストランの複合施設「Loÿly(ロウリュ)」。ヘルシンキの新進気鋭の設計事務所、その名もAVANTO Architectsが設計しました。
私は、朝イチの7時半の時間帯で(Websiteで予約)入場。まだ誰もいなくて、なんと清々しい!海沿いには、デッキチェアがずらりと並んでいます。
サウナは3タイプ。1つは都心にしては珍しいスモークサウナ(後程詳しく説明します)、残り2つは薪ストーブで温める薪サウナ。サウナはすべて男女共用、水着着用で入ります。やはり薪ストーブで温めるサウナは、熱がまろやかで、汗の出方も違います。
朝イチの時間帯は、張り切って訪れる観光客が多いせいか、日本人もちらほら。横浜からいらしたご家族と、港区からいらした不動産関係の実業家男性2人組と、サウナの中でお喋りしました。日本のサウナはじっと黙って入るイメージがありますが、フィンランドでは、仲間や家族でお喋りをしながら楽しく入るもの。またフィンランドでは、ロウリュ(サウナストーンに水を掛け蒸気を発生させる)する際、必ず周りの人に一言「ロウリュしていいですか?」と声を掛けます。そんな一言から知らない人とも会話が弾みます。サウナはコミュニケーションの場でもあるのですね。
サウナで温まった後は、もちろん目の前の海へダイブ。9月上旬でしたが、おそらく水温は13~14℃くらい。今までたくさんの水風呂に入って参りましたので、水温が大体何度なのか、体でわかるようになりました (笑)
今はコロナですが、普段は夕方になると観光客はもちろん、ヘルシンキ市内からも多くの人が集まってきて、食事やビール片手に北欧の長い夜を楽しみます。サウナ+食+リラックスが完璧に揃った、ここはまさにその黄金比の施設ではないでしょうか。
UUSI SAUNA(ウーシサウナ) @ヘルシンキ
ヘルシンキ市内の移動には、トラムが欠かせません。そのトラムで街の中心地より15分。マンションが立ち並ぶ住宅街の一角に、突如として現れる真っ赤なサイン。ここが古い伝統的な公共のサウナをスタイリッシュに変身させた「UUSI SAUNA(ウーシサウナ)」です。
中は男女別で、サウナは裸で入ります。この時女性客は私一人のみで貸切状態でした。ロッカーはなんとヴィヴィッドな赤。ロッカーもデザインされているのがいかにもフィンランドらしいですね。
中に入ると、まるで監獄のようなサウナが。照明も暗く、無機質でハードな内装にまず驚きます。この写真の一段高くなっている高さ約1m50㎝のところがベンチで、中腰でないと天井に頭をぶつけるほどです。そして右奥にある巨大な釜のようなものが薪ストーブ。このレバーを引き上げて長い柄のついた柄杓でロウリュすると、ジューッという音も蒸気の量も大迫力!快感とはまさにこのことです(笑) 実はこのストーブとベンチの高さ関係が、良いサウナルームのためのポイントでもあります。
そしてサウナの後は、ひんやりとした外気に包まれ、中庭でビール片手にお喋り。これぞフィンランドスタイル!
Kuusijarvi (クーシャルヴィ)@ヴァンター
ヘルシンキからバスに揺られること40分。Vantaaという地域の国立公園の中にひっそりと佇む森と湖のサウナ、それが「Kuusijarvi (クーシャルヴィ)」です。まず見えてくるのはクラブハウスのような建物。
この中には受付とロッカー、そして男女別のフィンランド式サウナが(女性用は2つ)あります。まずは、室内の2つのサウナを体験。ロウリュ用のバケツがなんとも庶民的です。
クーシャルヴィで、必ず味わってほしいのが、フィンランドの伝統的なスモークサウナ。通常、薪サウナには煙突がありますが、スモークサウナには煙突がありません。小さな小屋の中には巨大な薪ストーブがあり、朝から薪をくべて小屋の中を温め、煙を充満させます。その後、小さな穴から徐々に煙を小屋の外に出していく、ここまでに約半日かかるので、やっとサウナに入れるのは午後になってから。この時サウナ室内の温度は110℃。そしてしっかり温まったサウナ室内の温度は、新たに薪をくべることなく約半日の間その余熱だけで十分に温度が保たれるのです。
小屋の中は、すすで真っ黒。小窓がひとつあるだけのほの暗い室内には、スモークされた深い香りが充満していました。おそるおそる中に入ると、110℃という高温にもかかわらず、あまりにもまろやかな熱と心地よさに驚き、そして静かにロウリュをすると、濃厚すぎるくらいの蒸気が体中を駆け抜け、滝のように汗が噴き出てきました。今まで、数え切れないほどのサウナに入ってきましたが、未だかつてこのスモークサウナに勝るものはありません。しかも、隣に座ったフィンランド人の男性がまるで俳優のようにイケメンさんでしたので、更に気分は最高でした(笑)
スモークサウナで温まった後は、目の前の冷たい湖で泳ぎ、そして湖畔で寛ぎます。これを何度となく繰り返し、気づくと夕方に。一見何でもない穏やかな一日ですが、未だに忘れられない貴重な思い出です。
フィンランドにはまだまだたくさんの名サウナが存在します。いずれ自由に旅行が出来るようになる日を夢見て、しばらくは妄想サウナで我慢するとします。
最後になりましたが、このようにアツいサウナ愛に溢れた私ども株式会社AVANTOは、2021年2月、tylohelo最高のスチームサウナが体験できるショールームを神宮前にオープンする運びとなりました。詳細は随時弊社ウェブサイトにてお知らせいたします。
人生が楽しく豊かになるサウナ。是非ショールームにてご体験くださいませ。
ここまで全4回のブログを読んでくださった皆様、また掲載にお声掛けくださいましたアーネストアーキテクツ様に感謝いたします。どうもありがとうございました。
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