2017.7.9

こだわり

八岡史郎

Artis

アルティスのこだわり

高機能アクリルバス「アルティス」ブランドマネージャーの八岡です。今回の洒洒落落では、「アルティスのこだわり」をお話しさせていただきます。

前回は世界のお風呂文化と浴室の関係をお話ししました。
世界各国のお風呂文化は、気候、風土、国の成り立ちがお風呂文化の形成に係わっており、浴室の形態もそれに準じて変化しています。日本の浴室も漏れなく該当します。
近年の日本の家庭における浴室はユニットバスが主流となっております(※第一回の洒洒落落より)。ユニットバスという言葉を聞くと、浴槽・洗面台・トイレがセットになった浴室の3点ユニットバスを想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、近年一般的に言われるユニットバスとは周りの壁・天井・床が一体になっている浴室です。ちなみに3点ユニットバスもれっきとしたユニットバスです。

アルティスではユニットバスのことを「システムバス」と呼んでおります。業界でもシステムバスと呼ばれることが多くなりました。おそらくこの3点ユニットバスのイメージがあまりにも強く、多くの誤解を生んでいる為、多くのメーカーが呼び名を変えてきているようです。私も当ブログでは以降の呼び名を「システムバス」に統一します。

(一般的な3点ユニットバス)

高度経済成長期以降の急激な住宅供給に対応する為に、短工期で漏水のリスクが低いシステムバスを日本の水回りメーカーが研究開発し、そしてそれが現在の一般家庭の浴室の主流になった訳です。
このシステムバスを開発するにあたって、メーカーの開発における企業努力は大変なものだったと思います。あくまでも私の私見ですが、当時のシステムバス開発における条件は以下が考えられます。

①施工性の向上
②価格(コスト)の低減
③メンテナンス性の向上

以上3つの条件下で当時のシステムバスは開発されたのだと思います。たった3つと思われがちですが、私たちのようなモノづくりを担う側からすればこの3つの条件は非常に高いハードルです。
想像の範疇(はんちゅう)ですが、日本でシステムバスというものが発表されて50年以上が経過した今でも、これらの条件は姿を消すことはなく、少しずつ変わりゆく時代と共に変化しながらメーカーの商品開発条件として残っていると思います。
しかし、この「限られた条件下」というワード(言葉)。
私たちアルティスは、この「限られた条件下」という言葉を非常に息苦しく感じております。なぜならこれらの条件はその時代におけるニーズの大多数であっただけだからです。なぜ、少数のニーズに耳を傾けてはいけないのでしょうか?きっとそこにまだ大多数が発見できていない新しいお風呂文化が隠れていると思いませんか?

例えば「①施工性の向上」です。もちろん施工性が高いことはとても良いことだとは思います。しかしこれは建築工事を行う側のニーズであって、実際に浴室を使う人のニーズでは無いはずです。施工性を向上させるためには製品を規格化する必要があります。規格化が進めば進むほど浴室のデザインはメーカーという作り手が主導になって行き実際に浴室を使う人の自由なご要望が入り込む隙が少なくなってしまいます。まさにそれがシステムバスという製品なのかもしれません。つまり施工性を求めるあまり、浴室設計の自由度を犠牲にしていないでしょうか。

私たちアルティスは、実際に浴室を使う人の自由な要望にお応えできるような柔軟性にこだわっております。そのため、アルティスでは浴槽(バスタブ)のことを「SHELL(シェル)」と呼び、多数あるシェルのラインナップからお客様のご要望に沿った浴室空間をデザインしご提案できます。
通常のシステムバスではご提案が難しいような空間創りもアルティスでは可能です。その柔軟性が私たちアルティスのこだわりです。

(アルティスのシステムバス)※写真5枚

と・・・・・・今回の洒洒落落はここまでとします。次回は今回の「アルティスのこだわり」の続き。それとアルティスがご提案したい、浴室を通した「至福の時間」のお話をしたいと思います。

ライター:八岡 史郎(ヤツオカ シロウ)

株式会社アベルコ
ブランド統轄部 アルティス ブランドマネージャー

1969年 東京生まれ
大学卒後、建材の専門商社である株式会社アベルコに入社し、2002年に立ち上げた高機能アクリルバスブランド「アルティス」に参画、2014年にブランドマネージャーに就任し今に至る。


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