CONCEPT
オーナーがひと目惚れした富士山を望む立地。恵まれたロケーションや自然環境をどれだけ生かせるかをテーマに、ほぼすべての生活スペースを2階に上げ、富士山をとらえる大開口が浮遊感のある設計を叶えた。開口から富士山がどう見えるかをくり返し計算し、リビング、寝室、バスルームから異なる角度の富士山を臨む。また、大開口からリビングに燦々と入る日の光は時間によってその移ろいを感じられるようシミュレーションを重ね、陰影がよりシャープになるラインにこだわった。キッチンはダイニングテーブルの位置を検討する中で家具の影がノイズに感じ、キッチン、テーブル、カウンターを一体化させ、脚部の目立たない形を考案。また、車好きのオーナーの駐車スペースとしての役割も担う。三日月型の水盤に映る逆さ富士を眺めながら石の列柱が並ぶ小道を進み、トンネル状のポーチをくぐると、ガレージに停車する愛車が出迎える。外観は屋根のスカイラインをシャープな片流れにしたかったが法規等条件面で難しかったため、軒裏の傾斜を変えるなどして工夫。表からは三角形の片流れに見える屋根を叶えている。