CONCEPT
景観条例が厳しい地域だが、モダンな住宅を望まれたオーナー。外観はファサード部分の2つの曲線を組み合わせた壁を全面に配置したモダンなデザインとし、必要条件で勾配のある屋根の形状を視線に入れないよう配慮した。周囲の環境に左右されない住宅を目指し、室内の開口は噴水のある水盤の中庭に向けられた。カタカナのロの字のようにリビングダイニング、キッチン、バスルーム、主寝室を配置することで、周囲の環境は一切目に触れず、プライバシーも守られた空間を実現。天井高、5.4mの吹き抜けを持つリビングは空中廊下が、オブジェのように存在する。インテリアはシックなモノトーンとし、ドイツ製のポーゲンポールのキッチンはステンレスを基調としたシンプルでシャープな印象。調理の際も視線を上げれば水盤の美しい景色を臨む。主寝室はリビングダイニングと同じモノトーンでも黒の割合を多くしたバロックモダンに。重厚感のあるインテリアに仕上げ、その対比を楽しむ。古都の町並みに埋没させることなく、オーナーの個性と感性を具現化させた。