CONCEPT
道路の拡張工事に伴い、旧家を二世帯住宅に建て替えたプラン。コンクリート、金属、石、複数の無機質なマテリアルと有機的な光と緑が織りなす空間は、以前の庭石をインテリアに加えるなど旧家の面影を感じさせるモダン住宅に生まれ変わった。車移動が主となったお母様の送迎が行いやすいように広い石畳の車寄せを設け、入口と出口を設けることでスムーズな乗車を叶えた。旧家にあった和風庭園の巨石を利用した洋風の庭には、シンボルツリー「スダジイ」をはじめとする豊かな木々が植えられている。その豊かな庭はお母様のエリアからも、フォーマル空間からも子世帯からも眺められる。子世帯は外観から続くコンクリート打ち放しの無機質な素材を使いながら、庭に植えられた力強い木々が映え、その威風堂々とした雰囲気を室内にも取り入れた。子世帯のダイニングは高さ5.8mでコンクリートの壁面が存在感を表すクリーンなイメージとし、夜は木々の声に耳を傾けると、庭と共に旧家の思い出を身近に感じる住まいに仕上がった。