CONCEPT
「雄大な大自然を眺めながら、天然温泉を楽しみたい」との希望を受けた別荘の計画。谷間のある土地で、周囲には古い民家がぽつりぽつりと建っている立地条件から、民家の風景を上手くシャットアウトして自然の景観だけをダイナミックに取り込むツリーハウス状のプランが採用された。地上6mの2階部分をメインの居住スペースとし、リビングとダイニングの大開口を通じて180度以上のパノラマの景色を悠々と独占することができる。谷間の土地は開口部がすべて山の緑で埋め尽くされてしまい、ともすれば圧迫感を感じてしまうこともあるが、この別荘の開放感はリビングの開口の高さとバルコニーに伸びる庇の奥行きのバランスを考慮して、開口の視点の幅から山の稜線が見えるように設計しているため、視線が山の縁から空へと抜け、室内に居ながらその開放感を味わえる。念願の温泉を楽しむバスルームは内風呂と外風呂を用意。外風呂はバルコニーの一角に設けた。秋になると落ち葉でメンテナンスに手間が掛かるため浴槽は適度な大きさとし、実用性にも配慮している。