幼き日の憧れを日々の住まいの場に

クリエイティブな仕事をされているオーナー。繁忙期には外出する時間もとれないことが多く、幼いころに夢中になった童話や空想した世界を具現化できたらおもしろいと、住まいにエンターテイメント性を求めた。そんな、夢想を住まいという形に落とし込むため、海や森、空など大自然の営みを表現することにした。地下2階にあるシアタールームは海底のイメージ。天井には深海の写真フィルムが貼られ、フロアをつなぐ階段室はLEDライトを組み込んだ壁が七色に変わり、フロアごとのテーマに沿う色彩の演出を行っている。

シアタールームのスクリーンの対面にあるホームバー。光を透過して輝くガラスの棚板が光のラインを描き、幻想的に光る。完成時はチャーミングなクラゲの形をしたペンダントライトがプラスされ、海底のイメージをさらに盛り上げた。

"廊下のCG。
最上階は森をイメージした空間とし、そのイメージに合う床材や壁材が検討された。最終的には床がグリーンで壁と天井は木材を使用した折衷案で決定。また、扉にドアノブを付けず、押して入る隠し扉にすることで、空間に遊び心もプラスすると共に、美しいミニマルデザインを叶えている。"

童話や空想した世界を具現化する際「幼稚性に偏らない昇華させたデザイン」と「生活機能」を両立させたることが重要となった。その代表的な空間が童話「ジャックと豆の木」の世界感を表現したライブラリー。豆の木は原寸大の模型をつくって仕上がりを検証した力作。トップライトを設け、ツルが天に向かって伸びるように演出した。