自分だけの空がある家

「セキュリティが守られた大きな窓のある開放的な家」を希望されたオーナー。相反する条件を叶えたのは北東に設けた中庭。家の外周の壁を高くし、その壁と居住空間の間に中庭を設けて採光と開放感を得たことで、大開口の窓を設けてもプライバシーが守られた空間を実現させている。外観を描いたCGは、形状から素材、開口の位置まで完成時と変わらないリアリティのある出来ばえ。

中庭と隣接したエントランスホールは、ガラスの間仕切りによって中庭を臨む。夜は照明に照らされて優雅なムードが漂い、その雰囲気を室内にも取り込んだ。中庭は周囲の視線や近隣の環境をシャットアウトするだけでなく、華やかなタイル張りのテラスのため手入れも軽減でき、クリーンな印象に仕上げている。夜は、ライトアップされた植栽の影が壁面を飾る美しい空間を叶えた。

リビングは2層吹き抜けのダイナミックな空間とし、周囲の景観を臨めない都会で開放感を得るには、空の取り入れ方が重要になる。中庭の高い塀によってリビングからの眺望は隣家など眺めに不要な景色をカットし、遮るものの無い贅沢な空を独占した。インテリアはベージュを基調にダークカラーの木製のキャビネットで空間を引き締めた。

ダイニングキッチンもリビングと同じイメージのインテリアだが、アクセントカラーのダークブラウンを控えめにして、リビングよりも軽やかな空間とした。キッチンは間接照明を施した光るスッキリとしたカウンターを空間のアクセントにしている。

1階は、ガレージとガレージの愛車を眺めることができるボビールームにゲストルームがある。車好きのオーナーの友人が集う際は1階で完結できる間取りのため、ゲストが遊びに来ても家族は気兼ねなく過ごせるように配慮した設計となっている。