コンクリートの表情を楽しむ

「デザインの良さはもちろん第一ですが、実用性が備わっていなければ住み心地の良い家にはならない。」と語るオーナー。そのため、フォーマルとプライベートを分けた2つのリビング、家族の居室、ゲスト用の和室など必要となる部屋を念頭に、それらの配置を暮らしやすさの観点から詳細に検討した。外観はベージュと黒のツートンカラーとし、直線のラインを効果的に入れたデザイン。CGはでは建物の全体を収めることができるが、本来は近隣の家があり叶わないカット。

インテリアのポイントは秋田杉の木目を転写したコンクリートの壁。無機質なコンクリートに躍動感をプラスする重要なアイテムのため、秋田杉の良材選びから、現場で試し打ちを行い、仕上がりの確認を行っている。階段室の両サイドをガラスとし、中庭の植栽をダイニングからも眺められる設計で、開放感をプラス。CGは階段の形状、秋田杉を転写したポイントウォールの位置なども、完成時と同じ仕上がりを見せた。

外観に入れた3本の柱のラインを室内のインテリアにも取り入れたデザイン。下階のフォーマルリビングの一部が吹き抜けになっており、キッチンやダイニングとコミュニケーションを図れる設計。また、3本の柱が下の階までつながっているため、縦方向の広がりを得た。