パノラマに景色を切り取る

周囲には昔ながらの和風建築が建ち並ぶ自然豊かな地域で、周囲とは異なる現代的な建物を求められたオーナー。その要望に曲線を多用し、生活に四季折々の自然の息吹を取り込んだ提案を行った。CGもその印象的なアールの外観を緻密に再現。曲線を描く2階の開口から里山の風景をパノラマで切り取るデザインとした。

母屋側から見た外観のCG。日本家屋の母屋の隣地と限られた敷地条件を最大限に活用し、半円と直線で構成した建物は母屋へのゲートの役割も果たす。平面の壁はやや角度をつけ、緩やかなV字を描く。母屋側から見ると、ゲートという表現がピタリと当てはまる。

エントランスホールの正面にはスロープにつながる階段をデザイン。スロープにはスリット窓があるため自然と視線は上部に上がり開放感を得る。CGは完成時と変わらない出来栄え。

玄関から続く緩やかなスロープに沿って歩を進めると少しずつ視界が開け、その景色に期待感が膨らむ。また、スロープを上がった先には滝を模したウォータースクリーンが出迎える。開口の先の景色はウォータースクリーンで敢えて隠し、開口からの臨むパノラマの景色は、リビングから始めて眺められるように演出した。

リビングダイニングが開口に沿ってアール状に配置され、豊かな自然を臨む里山の景色をパノラマでとらえる。リビングダイニングの内部にアールのラインを重ねた半独立型のキッチンをLDKのコアとして配置。開口のアールのラインとリンクする間接照明を設けた。夕景を描いたCGでは間接照明の光のラインが良く分かる。