浮遊感のある家

都市型住宅らしく四方を囲んで外部の視線をシャットアウトしながらも、光はしっかりと取り込んだ住まい。約5ｍの吹き抜けのある真っ白なリビングは、外に閉じた空間でも大開口から自然光が注ぎ、明るく清々しい気分で過ごすことができる。当初のインテリア計画では、アクセントカラーにオレンジを用いていたが、途中で赤に変更された。

2階の廊下からリビングダイニングを見下ろしたCG。吹き抜けの2階部分に取り付けられたアクリルの飾り板から発する光が、浮遊しているような印象を与える。特に夜は多くのガラスにこの飾り板が映り込んで、爽やかな日中とは一変、神秘的な雰囲気を楽しめる。ＬＥＤ照明とアクリル、ガラスを組み合わせることにより、手すり、棚などの建築物の小口から光があふれ出し、あえて照明器具を抑えて、その光を空間のアートとして見せた。

3階のパーティールームは黒やグレーなどのダークカラーを基調とし、光が透過するバーカウンターを設置するなど、自然光だけではなく、人口の光を利用した演出が、ゲストの目を楽しませる。同じモダン建築でも白を基調としたフレッシュなイメージのLDKとは異なるインテリアを楽しむ。CGではフローリングにダークブラウンを使用しているが、完成時はダークグレーに変更され、よりシックでスタイリッシュな印象とした。

地下の和室は、よしずの間から木漏れ日が差し込んでいるかのような演出を行い、照明の光を自然光のように見せ、眺める庭もトップライトのある枯山水とし、白い小石に太陽の光を反射させた。各所で行った光による演出の効果で、地下であることを感じさせない空間に。CGでは、和色を用いた壁面や囲炉裏など細部まで忠実に表現された。