瑞々しい庭を臨む

築40年のご自宅の建て替え計画。
上品で重厚感がある建物を希望されていたため、外観は塀に天然石が持つ風合いを生かしたコブ出しの石を使用し、建物の1階部分は小端積み仕上げ、2階部分は滑らかな左官を想定。重厚感のある素材から徐々に軽やかな仕上げを用いて、安定感のある佇まいに。繊細なアイアンの門扉と柔らかいカラーリングで上品な印象をプラスし、オーナーのご希望に応えた。

既存の建物は南東側が生かされておらず、お庭も見えなかったため、今回の計画では南東側にリビングを配置。リビングとダイニングは各々庭に対して2面が開放され、広々とした景観を確保しました。
隣地からの視線を意識しないよう、常緑の白樫を用いた生垣を緑の壁とし、視線の先にはいつも青々とした緑を眺める瑞々しい暮らしのご提案を行っています。

お庭全体が見渡せる2層吹き抜けのリビング。インテリアの基本はシンプルなモダンですが、ベージュを基調とした柔らかい色彩や階段の手すりにアイアンを用いるなど、シャープさは抑え、エレガントなインテリアに宿る品格や華やかさをプラスした「モダンエレガンス」な装いに。

緩やかな曲線を描くサロンは、モールディングやシンメトリーに並ぶ開口がエレガントな雰囲気をまとい、華美にはない洗練された美しさを湛える。多くの空間が南に位置する庭に向かって開口を得ているため、家全体が自然光に包まれる、明るい住まいを叶えています。

地下にあるプールはラウンジとジムに隣接した壁をガラスで仕上げ、水辺の美しい景色を他の空間にも取り入れました。ジムから続くトップライト（天窓）で自然光を取り込み、水面に反射した眩い光が室内に広がる地下とは思えない明るい空間で、心地良い汗を流すリフレッシュの場。