光とガラスの形象

「光とガラス」をテーマにした住まい。雑踏な都市の中で生活空間を守るためにガラスブロック、ファブリックガラス、エッチングガラスと光の表情が異なる演出よってさまざまな輝きを放つ。ガラス、水、緑が光に包まれるクリスタルな空間は、透明感と浮遊感を併せ持った。外観はプライバシーを守りながらも、透過するガラスブロックが閉鎖的な印象を払拭し、このガラスブロックの内側にプールが内包されていることを、外からは窺い知れないデザインとした。

この家は、所有する愛車のコレクションをいかに美しく見せるかが問われる、ガレージハウスとしての側面も重要視された。光や照明の演出で陰影を出し、シルエットを際立たせ、光の空間の中に愛車のコレクションが並ぶインナーガレージ。時間と共に変化する光によって車の陰影が強調され、ディティールの美しさがより一層増す。北側の借景をガレージからは見えないため、木立をイメージした壁面をミラー張りにして映し、吹き抜け上部に見える借景の木々と重ねた。

2層吹き抜けの開放的なLDKは北側から借景の緑を、南側から空の青を室内へ取り込み、3階を繋ぐ空中回廊がアクセントを与える。CGは置き家具などは異なるものの、建築は完成時をリアルに再現。図面では伝わりにくい空中回廊なども、絵として視覚化することでオーナーとの認識のズレを防いでいる。

対面から見たリビングのCG。
南側のプールのあるバルコニーは水面とガラスブロックに光が反射し、まばゆい光に包まれる空間。プールに流れる水が心地よいＢＧＭとなってリゾート気分を盛り上げ、外部から守られたリゾート空間が広がる都市型住宅。

他の部屋と趣向を変えた和モダンテイストのゲストルーム。バスルームの引き違い窓を開ければ、桜の木に触れられるほどの距離間でパノラマ開口から桜の木を臨み、バスタブに浸かりながら露天風呂感覚で四季を愛でることができる、温泉旅館さながらの空間を叶えた。