2014.8.17

オーナーズ

関博子

茶道家 表千家教授

「心の交流」

茶道との出会いは、嫁ぎ先の義理の父が茶道を教えていたこと。その父の弟子になったきっかけは、主人が外資系の企業に勤めており、年に4~5回は同伴で海外に行く機会を通じ、観光目的ではなく海外に出てみると、現地の方から日本の歴史や文化について聞かれることが多く、自分自身日本についてこんなに知らないことがあったのだと、気が付きました。そこで、身近に日本文化の茶道を学ぶ場があるのだからと思い、義父に指導を受けることにしたのです。

先代の父

義父は2013年に99歳で亡くなったのですが、95歳までお茶室に出て茶道に携わり、一生を茶道一筋とした人生を歩んだ人でした。また 茶道を通して陶芸にも興味を持ち、陶芸家としても作品を多く残しています。今でも義父の作品をお稽古に使うことが多く、この世を去った今もなお、義父の偉大さを弟子共々感じております。

先代の作品

そんな義父の姿を見ていたので、「跡を継がないか?」といわれた時はとても無理だと思い、始めのうちは断っていました。しかし、「人に教えるということはとても勉強になるよ。」と勧められ、確かに人に教えるということは、質問される立場になり、それに応えられるようにならなければいけません。お稽古で何かをしようと思えば、調べるようになります。
人に教えるということは、それは私自身の勉強に繋がることだと、改めて思っています。

自宅の茶室にて

その義父から跡を継ぎ、現在20代~70代と年齢層の広いお弟子さんがお稽古に通ってこられます。男性の方もいらっしゃいますし、ご家族でお稽古に見える方もおられます。義父は師弟の関係を超えていると思うほど、お弟子さんとの強い結びつきを感じました。それだけ、義父も温かい気持ちで接していたのだと思います。私も、ただ茶道を教える、教わるという関係ではなく、お弟子さんとの間に、暗黙のコミュニケーションが培われていくのを感じるようになりました。弟子と師匠との間で、大切なのは心の結びつきではないでしょうか。指導する立場になって、お弟子さんのちょっとした変化に気づくようにもなりました。いつもできていることが出来なかったり、動作にゆとりがなかったりすると、疲れているのかな?心配ごとでもあるのかな?と気になります。直接話を聞くことがなかったとしても、気に掛けることが大切です。お弟子さんと心を通わせることができるようになる第一歩だと思っています。茶道を通して、さまざまな方と心の交流ができたらうれしいですね。

お茶事の席にて

【お茶教室のご案内】

毎週木曜日と土曜日に関様のご自宅(東京都世田谷区)の伝統ある茶室にて、お茶の教室を開催しています。ご興味のある方は、アーネストグループの代表番号(03-3769-3333)広報担当あてにご連絡ください。
ご紹介させて頂きます。