注文住宅にサウナを導入しよう! 設置のメリットや注意点、施工事例をご紹介
2025.10.6
高級注文住宅
Earnest architects

高級住宅を建てようとお考えの方の中には、自宅にサウナを設け、日常の中で心身を整えるひとときを求められる方も少なくありません。注文住宅の場合、自由に間取りを決められるため、理想のサウナ空間を実現できます。
サウナを設置することで、仕事や家事の合間にも気軽にリフレッシュできる他、ご家族やご友人と共有する特別な時間を楽しむことも可能です。本記事では、注文住宅に設けられるサウナの種類やメリット・注意点、施工事例などについて詳しく解説します。
目次
注文住宅に設けられるサウナの種類

サウナには複数の種類があり、採用するタイプによって得られる体験や設計上の配慮も異なります。ここからは、注文住宅に設けられる代表的なサウナの種類をご紹介します。
ドライサウナ
ドライサウナは、湿度10~20%を低めに抑え、温度を約70~100度にまで高める乾式サウナです。室内の空気が高温になるため、入室した瞬間に熱気に包まれるのが特徴です。
高温での発汗や、その後の水風呂との温度ギャップによる温冷交代浴効果、また格別なリフレッシュ感を得ることができるため、特に男性に人気が高いサウナです。
ただし、乾燥や熱による肌や心臓への負担はやや大きく、熱気による息苦しさを感じる場合もあります。
フィンランド式サウナ
フィンランド式サウナはドライサウナより低温(60~80℃)で湿度30%程度。ドライサウナより低温ですが、ロウリュ(サウナストーンに水をかける行為)によって湿度を調整する多湿な環境が特徴で、体感温度が上がり発汗を促すサウナです。息苦しさが少なく、長時間じっくりと身体を温めることができるため、リラックス効果が高いと言われています。
スチームサウナ
スチームサウナは、室内に蒸気を充満させることで温度と湿度を高めるサウナです。湿度は約80~100%と高くなる一方で、温度は約40~60度と比較的低めに保たれます。そのため熱気が強いドライサウナが苦手な方でも、入りやすいサウナです。蒸気によって体をじっくりと温められるのでリラックス効果を得やすく、美肌効果や血行促進も期待でき、発汗も時間をかけて穏やかに進みます。特に、心身をゆったりと解放したい方に向いています。
以前は湿度が高いためにカビが生えやすく、日々の換気や清掃を怠ると衛生面での問題がありましたが、近年では使用後にシャワーでスチームルーム内を流すのみなど、メンテナンスが軽減されたタイプもあります。
ミストサウナ
ミストサウナは、約40℃前後の室温で霧状の温水を浴びる入浴方法です。スチームサウナと混同されることも多いのですが、その原理は全く異なります。ミストサウナは温水を霧(ミスト)状にして噴射するのに対し、スチームサウナはお湯を沸騰させて発生した蒸気(スチーム)で室内を温めます。なお、マンションのユニットバスなどに標準装備されているのは、ミストサウナである場合がほとんどです。
注文住宅にサウナを設けるメリット

サウナを自宅に設けると、心身が整いやすくなるだけではなく、暮らしそのものが豊かに彩られます。ここでは、注文住宅にサウナを設ける主なメリットをご紹介します。
いつでも好きなときにサウナを楽しめる
自宅にサウナがあると、24時間365日、いつでもサウナを使用できます。サウナ施設へ出向く必要がなく、仕事や家事の合間、悪天候の際にもサウナで気軽にリフレッシュすることが可能です。移動時間に左右されず、自分の生活リズムに合わせてリフレッシュする時間を組み込めるのは、自宅にサウナがあるからこその魅力です。
人目を気にしなくてよい
サウナ施設では、混雑していて思うようにリラックスできない場合があります。また男女別に分かれている施設では、ご夫婦やご家族で一緒にサウナを楽しめません。
自宅にサウナを設けると、ご夫婦やご家族、ご友人のみで共有するプライベートな空間を作ることができ、落ち着いたひとときを過ごせます。周囲の目を気にせず楽しめるため、水着の着用せずとも、開放的なサウナ体験を味わえます。
自分好みの温度・湿度に設定できる
多くのサウナ施設では一定の温度や湿度が設定されており、ご自身にとって適した環境ではないこともあります。自宅にサウナがあると、高温の爽快感を楽しみたいときや湿度を高めてじっくり体を温めたいときなど、その日の気分や体調に合わせて自由に温度や湿度を調整可能です。
ご自身の好みに合った温度や湿度に調整することで、快適性が向上し、長期的に継続できる可能性が高まります。心身に無理のない範囲で使用できるため、毎日の生活にサウナ習慣を取り入れやすくなります。
好きな環境を作れる
自宅にサウナを設ければ、サウナの種類や温度・湿度設定に加え、音楽や香りなども自由に選び、空間全体を自分好みに整えることができます。
内装や照明にもこだわりを反映でき、落ち着いた木材の質感に間接照明を組み合わせたり、変色LEDライトを取り入れたりと、多彩な演出が可能です。ご自身の感性に合わせた空間づくりによって、世界に一つだけの上質なリラクゼーションを体験できます。
リフレッシュ後にそのまま眠れる
サウナの温熱効果によって筋肉がほぐれ、血行が促進されることで、体全体がリフレッシュされます。そのため、サウナ後に眠気を感じたご経験がある方も多いのではないでしょうか。
自宅にサウナを設けるメリットの一つは、このリフレッシュした状態のまま眠りにつけることです。施設利用の場合は帰宅までの移動でリラックスが途切れてしまうこともありますが、自宅ならその心地良さを保ったまま休むことができます。
こうしてスムーズに眠気が訪れることで、深い眠りにつながり、質の高い睡眠が期待できます。
注文住宅にサウナを設ける際の注意点

ここからは、注文住宅にサウナを設置する際の注意点をご紹介します。
余裕のある間取りが必要
サウナは水回りやシャワー室と隣接させると利用しやすく、脱衣室や休憩スペースを近くに設けることで快適な動線を確保できます。また、外気浴や庭に直接アクセスできる配置にすると、リフレッシュ効果を高めることが可能です。換気性や防水性を考慮した施工も欠かせません。適切な間取りと設計上の工夫を行うことで、快適なサウナ空間を実現できます。
構造・防水・耐久性が重要
サウナは高温多湿の環境になるため、壁·天井·床には耐湿性の高い木材を使用し、防水処理や断熱施工を入念に行うことが重要です。適切な素材選びと施工を怠るとカビや腐食の原因となり、住宅全体の耐久性にも影響するため、設計段階から専門家と相談することが安心です。
初期費用とランニングコスト
自宅サウナの設置には設備費の他に、床下や壁内部に熱気や湿気がこもらないよう、適切な換気システムや断熱設計、電気式ヒーターを使用する場合は専用回路や出力容量の確認も必要です。加えて、ガスや電気代、シャワーや水風呂を使用する場合の水道代もランニングコストとして考慮が必要です。長期的に快適に使用するためには、使用後の換気や掃除、設備の定期的なメンテナンスも必要です。初期費用だけでなく、ランニングコストや手入れの手間も考慮して計画することが重要です。
注文住宅にサウナを設ける際に押さえておくべきポイント

サウナを快適に楽しむためには、設計段階から押さえておくべきポイントがいくつかあります。ここからは動線や快適性、安全性などの観点で押さえておくべきポイントをご紹介します。
動線にこだわる
サウナ、水風呂、外気浴のサイクルを繰り返すことで得られる「ととのう」という体験を自宅でも味わいたい場合、サウナ室から水風呂や外気浴スペースへスムーズに移動できる動線を確保することが大切です。
外気浴スペースを設ける場合は、第三者の視線を遮る目隠しを取り入れる必要があります。またルーフバルコニーや中庭を外気浴スペースとして活用することで、開放感のあるリラックス空間を演出可能です。
庭に外気浴スペースを設けられない場合は、屋内に内気浴スペースを設けるのも一つの方法です。
快適性にこだわる
快適なサウナ空間を実現するためには、高い断熱性と気密性の確保が重要です。これにより、サウナ室内の温度を効率よく均一に保ち、余分なエネルギー消費を抑えることができます。
サウナ室の内装材には、耐熱性・耐湿性に優れたヒノキやスプルースなどの木材を選ぶとよいでしょう。これらの木材は劣化を抑えつつ、心地よい香りを楽しめる点でも人気があります。
また、快適性の維持と湿気·カビ対策のため、適切な給気·排気のルートを確保する必要があります。
安全性にこだわる
サウナを設ける際には、安全性への配慮を徹底することが重要です。内装には耐火性に優れた素材を使用し、床材には滑りにくいものを選びます。電気設備は防水·耐熱仕様にする他、換気を十分に確保することが大切です。
なお、特に注意すべきなのが、サウナ用電気ストーブの安全基準です。日本国内で販売される電気製品には「PSEマーク」が付与されており、これは電気用品安全法(電安法)の安全基準を満たしている証明といえます。
設備や電気系統の定期点検を行い、専門業者や建築家と連携して基準を満たした設計·施工を実施することで、安心で快適なサウナライフが実現できます。
本当にサウナが必要か家族と相談する
自宅にサウナを設けても、実際には使用頻度が少なく“使わない空間”になってしまうこともあります。予熱にかかる待ち時間やメンテナンスの手間、継続的な電気代·水道代といったランニングコスト、さらには家族構成や生活リズムの変化によって利用が難しくなる場合もあります。
サウナは他の居室に転用しづらく、撤去にも費用がかかってしまいます。そのため、設置する前には、ご家族と使用頻度や維持管理への協力体制について十分に話し合うことが大切です。「ブームだから」「健康によさそうだから」と安易に導入せず、ご自身のライフスタイルに本当に定着するかを冷静に見極めることが後悔のない住まいづくりにつながります。
アーネストアーキテクツが手掛けたサウナ付き注文住宅の施工事例
建築設計事務所のアーネストアーキテクツは、サウナを導入した上質な住まいを数多く手掛けています。ここでは、実際にサウナを設置した注文住宅の施工事例をご紹介します。
スパを楽しむ別荘

海沿いのセカンドハウスでは、温浴・サウナ・水風呂を備えたぜいたくなスパエリアが設けられています。3階に配置されたスパエリアからはらせん階段で屋上へとつながり、潮風を浴びながらの外気浴が可能です。
トラディショナルモダン

洗面室から脱衣室、バスルームへと続く水回りは、床材と壁材を揃えることで一体感と流れるような連続性を実現。バスルームは温浴、サウナ、水風呂を備え、高窓から外気も取り込めます。
海と過ごす週末住宅

インフィニティプールに隣接して設けられたサウナから、海を一望できるぜいたくな住まいです。プールとテラスが一体化した設計により、リゾートホテルのような非日常の癒やしを享受できます。
注文住宅にサウナを設けて心身を整える上質な日常を手に入れよう

自宅にサウナを設けることで、認知機能や集中力の向上、メンタルの安定、免疫力アップ、疲労回復、美肌効果、質の良い睡眠など、近年注目される効果を日常的に得られます。一方で、適切な動線計画や安全対策が整っていなければ快適さは損なわれ、初期費用やランニングコストといった課題も伴います。導入にあたっては、ご家族と使用頻度や維持管理について十分話し合うことが大切です。
アーネストアーキテクツでは、高級住宅に特化した豊富な経験と独自のデザイン力を基に、数多くのサウナのある住まいを手掛けています。カタログのご請求や建築のご相談、ショールームでのご見学も随時承っておりますので、サウナのある上質な暮らしを実現されたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。