2014.5.4

インテリア

Giorgio Busnelli

B&B Italia

「C&BからB&Bへ」

革新的な技術、効率的な生産、デザイン、そして優れた広告の賜物で、爆発的な人気を得たC&B italia は、すぐにカッシーナの売り上げを超える業績を上げるようになりました。オーナーであるピエロ・ブスネリとチェザーレ・カッシーナは、こうした事態をそれほど問題視していませんでしたが、取締役会など外部が黙っていませんでした。

様々な圧力から1973年、チェザーレ・カッシーナは、ピエロ・ブスネリのC&B italia 株の持ち分をカッシーナに売却し、事業から手を引くよう要望しました。

40歳半ばのピエロ・ブスネリは、引退にはまだ早すぎると、逆にカッシーナの持ち分である株式を買い取ることを提案します。そして45日以内にその代金を払い込み、ピエロ・ブスネリが全てのビジネスをマネージするようになりました。

この時ふたつの銀行がピエロ・ブスネリを支援し、無事にカッシーナの持ち分を買い取ることができたのは有名な話です。このエピソードから「銀行(BANK)」の「B」を新社名の頭文字に使用したという話は、冗談に尾ひれがついたようなものです。

発砲モールドウレタン製法を活かしたデザインの「UP」

最先端の発砲モールドウレタン製法での家具づくりのために生まれたB&B italia では、逆に伝統的な木の家具を製作することはできませんでした。そこで伝統的なキャビネットや楽器のリュートの製法を取り入れた質の高い木工家具を専門に製作していたマスプロ社を買収し、より幅広い家具づくりに乗り出しました。

こうして1975年に生まれたブランドがMaxalto(マックスアルト)。名前は「最高」という単語を二つ組み合わせた造語です。

スタートは当初はトビア・スカルパと彼の奥方であるアフラがデザインと監修を務め、Maxaltoは瞬く間に人気ブランドとなりました。そのため、小さな工房はすぐに生産が追い付かなくなり、何度か工場を移転したのち、現在Maxaltoの家具はB&B italia のミシント工場で生産されています。

木目が美しいMaxaltoの初期の代表作「アフリカ」

1995年からはアントニオ・チッテリオがデザイン・監修を担当。彼の生み出す「ニュー・クラシック」と呼ばれるスタイルは、B&B italia とは異なる、1930年代のフランス家具の雰囲気を持った品のあるデザインが魅力となっています。

アントニオ・チッテリオがデザインした「Amoenus」

これまでの歴史をご理解いただければ、B&B italia が権威あるデザイン賞であるコンパッソ・ドーロを四回獲得し、そのうち一回は企業として最初にこの賞を受賞したというのも、ご納得いただけるのではないでしょうか。


B&B ITALIAホームページ

次回は「再び自由になった家具作り」というテーマで綴って参ります。

※掲載内容は、B&B italiaが発行した「B&B ITALIA TABLOID N0.2」をB&B italia様よりご提供頂き、掲載されているジョー・スズキさんのインタビュー記事から抜粋した内容になります。