愛車4台を駐車するガレージハウス!その間取り・予算・実例を紹介
2025.6.20
ガレージハウス
Earnest architects

「ガレージハウスをつくるには、どれくらいの予算や広さが必要なの?」
週末は愛車を眺めながら、ゆったりと過ごすひととき。そんな理想のライフスタイルを実現するのが、デザイン性と機能性を兼ね備えた「ガレージハウス」です。特に、車を複数所有する方にとっては、【車4台を収容できるガレージハウス】は憧れの住まい。
この記事では、車4台を駐車できるガレージハウスを建てる際の予算や必要な広さ、間取りの工夫といった基本情報に加え、設計時にチェックすべき6つのポイントを詳しく解説します。さらに、デザインにこだわった【魅せるガレージハウスの実例】を3つご紹介します。
目次
車4台の駐車スペースを贅沢にとったガレージハウスの広さと間取り


ゆとりの駐車スペース!車4台分のガレージハウスの広さは?
【パターン1】間口が広く、4台を並列・縦列駐車できる場合
敷地にゆとりがあり、間口が広ければ、車4台を並べて駐車したり、縦列に2台ずつ並べたりすることで、約20坪前後で設計可能です。出し入れがしやすく、ガレージの使い勝手も良いため、理想的な配置といえます。
【パターン2】間口が狭く、敷地奥や地下に配置する場合
一方、敷地の間口が狭い場合や、車を地下や奥にレイアウトする場合は注意が必要です。この場合は、車路やアプローチ、スロープ、転回スペースなどが必要となり、ガレージの広さも必然的に大きくなります。
また、設計の際には以下のような点も考慮しましょう
・右ハンドル・左ハンドルの違い
・小型車と大型車(回転半径)の違い
・日常的に使う車と、休日に使う趣味車の出し入れ頻度
・家族全員分の車を収納する必要があるか
・ガレージ内に趣味のアイテム(ゴルフバッグ、スノーボード、サーフボードなど)を収納するか
このように、ガレージに求められる要素は多岐にわたります。そのため、同じ「車4台分のガレージハウス」といっても、必要な広さはライフスタイルや車種によって大きく異なるのです。
まずは信頼できる設計士に希望や条件を伝え、敷地や生活スタイルに合ったベストなプランを提案してもらうことが成功の鍵になります。
まるでギャラリー!夢を形にする【ガレージハウスの間取り】の考え方
車をオブジェのように見て楽しむガレージハウスの間取りにもいろいろなスタイルがあります。
車をただ保管するだけでなく、生活空間と美しくリンクさせることで、住まいの一部として楽しむことができます。ここでは、愛車と暮らすための間取り設計のポイントを2つの視点からご紹介します。

【ポイント1】車をどの方向から眺めたいかを考える
ガレージハウスの間取りを考えるうえでまず重要なのが、「車をどの角度から眺めたいか」という視点です。
・正面から眺めたい場合→車を頭からガレージに入れるレイアウトが基本
・横から全体を眺めたい場合→ガレージの側面にガラスの間仕切りを設る
・上から眺めたい場合→リビングの床にガラスを設置して、階下のガレージを見下ろす
・愛車を360度眺めたい場合→ショールームのようなガラス張りの空間
たとえば、当社で手掛けたこちらの作品は、ガレージにリフトを設けて車をガラスショーケースの中にディスプレイし、バーラウンジから愛車を眺めながらゲストと語らう空間をデザインしました。まるで映画に出てくる邸宅のような非日常が、ガレージハウスで現実になります。


【ポイント2】家のどこから愛車を眺めたいかを考える
もう一つのポイントは、「家のどの場所から愛車を見たいのか」という観点です。
玄関ホールから愛車が顔をのぞかせる演出は、シンプルながら印象的な間取りになります。書斎やホビールームに隣接したガレージなら、車関連の書籍や模型を楽しみながら、いつでも愛車を視界に入れることができます。リビングやダイニングから車を眺められる設計は、車好きにとっては夢のようなシチュエーションです。ただし、家族全員が車好きとは限らないため、瞬間調光ガラスやロールスクリーンを使って、必要に応じて視界を切り替えられる工夫があると安心です。
当社で手掛けたこちらの作品は、1階にお気に入りの愛車を眺めながらゲストと映画やカラオケを楽しめるプレイルームがあり、眺望の良い2階は家族と過ごすLDKを配置しています。各フロアで異なる用途を持たせることで、様々なシーンに合わせた楽しみ方ができる住まいです。


愛車4台を駐車できる【ガレージハウス】の予算はどれくらい?

ひと口に「ガレージハウス」といっても、その用途はさまざまです。たとえば、自ら車をメンテナンスするのが趣味で、おしゃれな作業場のような空間をイメージしたものもあれば、高級車をコレクションし、ショールームのように美しくディスプレイすることを目的としたものもあります。目的に応じて、求められる仕様や機能は大きく異なります。
たとえば高級車をディスプレイして楽しみたい場合、室内との間仕切りをガラスにして照明で演出したり、床・壁・天井の仕上げを、タイル張りや塗装仕上げにするなど、空間演出にもこだわりたいところです。シャッターもデザイン性や機能性を重視して選ぶ必要があります。
ただし、こうしたこだわりが増えるほど、当然ながら建築費も上がり、坪単価(1坪あたりの建築費)にも影響します。坪単価は「家本体の販売価格 ÷ 延床面積(建物各階の床面積の合計)」で算出できますが、上述のように条件が複雑になると、「坪いくら」と算定するのも難しくなります。そのため、一般的には設計士などの専門家に見積りを依頼するのが一般的です。
愛車4台を魅せるガレージハウスの実例3パターン
ここからは、車4台分のガレージをどのように設計プランに組み込むかについて、設計事務所・アーネストアーキテクツが手がけた実例を交えながらご紹介していきます。
4台の車を収容したコートハウスタイプのガレージハウス


中庭を住まいの内側に取り込む、人気のコートハウス。その中庭を車のアプローチスペースとしても活用し、1階部分に4台分のガレージを組み込むことで、コートハウスとガレージハウスを融合させた住まいです。
外部からの視線が遮られる中庭空間にガレージを設けることで、プライバシーを確保しつつ、愛車を美しく収納できます。希少な車を大開口のサッシ越しに収め、パティオを囲む各部屋からその姿を眺められる、愛車と暮らす贅沢な空間です。
スーパーカーを眺め、日常の利便性を両立したガレージハウス


お気に入りの愛車は、ホームオフィス(書斎)とご主人の寝室どちらからも愛車を眺められる設計。天井高を高くしたガレージはスーパーカーのアイドリングも可能です。日常に使用する車は、道路に面して出入り口を2つ設け、堅牢なスチールとガラスのルーフを持つ車寄せに停止するだけ。カーポートにバックさせる必要もありません。
趣を変えた地下室から愛車を愛でるガレージハウス


南北に接道している立地を活かし、ガレージを北側と南側に確保しました。
南側のガレージを見上げる地下の多目的室は上階とは異なるインテリアとし、愛車もインテリアの一部として取り入れています。オフジェとして眺める愛車を南側のガレージに、普段使いの車は北側のガレージと、用途によって分けることもできます。敷地の形状を活かし、並列で駐車できる最大限のスペースを確保したガレージハウスです。
4台駐車のガレージハウスをつくるときにチェックすべき6つのポイント
ガレージハウスのガレージは、さまざまな機能も必要になってきます。ここでは、チェックすべき6つのポイントを紹介します。
(1)ガレージ内でエンジンを長時間かけるときには換気に注意 |
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車のメンテナンスをガレージ内で行う場合、一般的なガレージ以上に注意が必要です。排気ガスがこもらないよう、排気システムを導入するか、少なくとも窓や換気扇を設けて十分な換気ができるようにしましょう。 また、エンジン音などの騒音は、近隣とのトラブルにつながる可能性もあるため、防音対策を含めた配慮の行き届いた設計が求められます。 |
(2)ガレージの床の汚れ対策 |
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ガレージの床はオイルや、タイヤのゴムで汚れます。また、外部から持ち込んだ雨や埃、排気ガスにもさらされます。どのような仕上げが適切か設計士とよく相談しましょう。 |
(3)洗車はどこでする? |
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ガレージ内で洗車を行うことを想定している場合は、排水設備についても配慮しておくことが大切です。 |
(4)ビンテージカーなどは湿気に注意 |
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ガレージはシャッターで仕切られているとはいえ、基本的には外部空間として扱われます。そのため、外気の湿気が入り込みやすく、雨に濡れた車をそのまま入庫することで、内部の湿度が高くなりがちです。特に高価な車を保管する場合は、車体の劣化を防ぐためにも、除湿対策に十分配慮することが重要です。 |
(5)マストアイテム!充電用コンセント |
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電気自動車が今後の主流となることを見据え、充電用コンセントをあらかじめ設けておくと安心です。また、高級スポーツカーの中には、停車中もバッテリー維持のために電源接続が必要なものもあります。用途に応じて、コンセントは多めに計画しておくことをおすすめします。 |
(6)ガレージ内に入れておきたいものは? |
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ガレージは、ゴルフバッグやスノーボード、サーフボードといった趣味の道具のほか、自転車やバイク、屋外用の掃除道具、さらには家庭ごみの一時的な保管場所としてなど、多目的な収納スペースとしての役割も果たします。何を収納するかを家族でよく話し合い、必要なスペースをあらかじめ計画しておくことが大切です。 |
【まとめ】4台を駐車するガレージハウス
ガレージハウスとひと口にいっても、そのスタイルやこだわりは実に多様です。4台もの愛車を効率よく収容し、愛車を見る、見せるガレージハウスは、住まい全体のバランスや車との距離感が重要になってきます。
理想のガレージハウスを実現するためにも、さまざまな実例を参考にしながらアイデアを広げ、「自分だけのガレージハウス」を叶えましょう。
設計事務所・アーネストアーキテクツでは、4台を駐車できるガレージハウスも数多く手掛けていますので、ぜひお気軽にご相談ください。