2026.1.21

ガレージハウス

Earnest architects

高級住宅の建築を検討する中で、「愛車と暮らす」という理想を叶えるガレージハウスの設計に関心を持つ方も多いのではないでしょうか。ガレージと居住空間が一体となった住まいは、快適な動線だけではなく、愛車を眺めながら過ごす特別な時間を日常に取り込める点が大きな魅力。ガレージハウスならではの価値と言えます。

本記事では、ガレージハウスの特徴や設計時に押さえておくべき9つの注意点をわかりやすく解説します。あわせて、建築設計事務所のアーネストアーキテクツが手掛けたガレージハウスの設計事例をご紹介します。ガレージハウスを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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ガレージハウスとは?

ガレージハウスとは、建物の内部にガレージを組み込み、車と生活空間を一体的にデザインした住まいのことを指します。ビルトインガレージやインナーガレージとも呼ばれ、車を“駐車する場所”としてだけではなく、“暮らしの延長線にある空間”として活用できる点が大きな特徴です。
屋外の駐車場とは異なり、天候に左右されることなく車へアクセスでき、黄砂や紫外線などのダメージも少なく、防犯性が高い点もメリットです。愛車を安全に保管したい方から特に支持されています。
ガレージハウスの魅力は「住まいと愛車の距離が近いこと」にとどまりません。リビングや玄関、プレイルームとガラスでつなぐことで、愛車を“眺めて楽しむ空間”へと進化します。照明や仕上げ材を工夫でショールームのような演出が可能になり、車の存在そのものがインテリアの一部として住まいを彩ります。
ガレージハウスは、車好きのための住まいという枠を超え、趣味性・デザイン性・機能性を高いレベルで融合させた住宅スタイル。ライフスタイルをより豊かにしたい方に最適な住まいです。

ガレージハウスの設計で気をつけたい9の注意点

ガレージハウスの設計には、間取りや動線、採光、換気、防音など、検討すべきポイントが多く存在します。ここでは、より快適なガレージハウスを実現するために押さえておきたい注意点を9つご紹介します。

1. ガレージの広さ

ガレージの設計では、愛車が収まるだけではなく、快適に乗り降りできるゆとりを確保することが重要です。狭い空間では車の出し入れや荷物の積み下ろしが窮屈になり、日常の動作に負担が生じます。愛車との時間を快適にするためには、ガレージを適切な広さにすることが大切です。

ガレージの広さを考える際に目安となるのが、国土交通省が駐車場設計で示している駐車場枠の基準です。一般的な軽自動車は長さ3.6m、幅2.0m、小型車は長さ5.0m、幅2.3m、普通車は長さ6.0m、幅2.5mが基準とされています(※)。また人が通るためには約60cmの幅が必要とされるため、左右のドアを快適に開閉できるよう、車の全幅に加えて少なくとも約1.2mのゆとりを確保する設計が理想的です。
さらに愛車を複数台所有されている場合には、台数分のスペース確保が必要です。現在は1台しか所有していなくとも、将来的に増える可能性を踏まえて検討してください。
なお、メンテナンススペースや趣味を楽しむスペース、アウトドア用品などを収納するスペースなどを設ける場合は、より広い面積が必要です。生活スタイルに合わせて適切な広さを計画することで、愛車と過ごす時間が格別に豊かなものになります。

※参考:国土交通省.「駐車場設計・施工指針について」.https://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/pdf/19920610tyuusyajou.pdf ,(1994-09-28).

2.生活動線・使い勝手

ガレージハウスを設計する際は、居住空間へ直接アクセスできる動線を確保しておくと、暮らしの快適性が高まります。ガレージから玄関やパントリー、キッチンへとスムーズにアクセスできる動線を確保することで、買い物帰りの荷物運びや子どもの乗り降りが格段に楽になります。
また、ガレージは外気の影響を受けやすいため、室内との温度差をどう解消するかも大切な視点です。断熱性能を高めたり、ガレージ側に空調を設けることで、夏の熱気・冬の冷気が居住空間へ伝わりにくくなり、快適性が向上します。
また、意外と見落とされがちなのが洗車場所です。ガレージや車寄せで洗車を想定するなら、ホース接続、照明、コンセントなど、メンテナンス動線にも細やかな配慮が必要です。
動線・日常の使い勝手・メンテナンスを総合的に考えることが、使い勝手の良いガレージハウスをつくるうえで欠かせません。

3. 間口の広さ

ガレージハウスのガレージは両側を壁に囲まれるため、通常の駐車場やカーポートに比べて車庫入れに難しさを感じる場合があります。前面道路の幅や交通量、ガレージ前のスペースの広さ、人通りや歩道の有無など、周辺環境によって車庫入れの難易度は大きく変わります。
そのため車庫入れに苦手意識がある場合には、ガレージの間口を広く設計することで日常の負担を軽減可能です。ゆとりある開口部は視認性を高め、余裕を持って停車できるため、ストレスの少ない動線につながります。快適な駐車環境を整えることが、愛車との時間をより豊かなものにします。

4. 法規・敷地条件

ガレージハウスを設計する際には、デザインや動線と同じくらい、法規制と敷地条件の確認が重要な工程となります。まず、ビルトインガレージの場合、建築基準法における「車庫」としての扱いが住宅部分と異なるため、床面積や容積率の算定に影響するケースがあります。特に都市部の狭小地では、容積率の制限によってガレージの広さが思うように確保できない場合もあるため、初期段階での法規チェックは欠かせません。
また、防火地域・準防火地域では、シャッターや開口部に防火設備が必要となる場合があり、ガレージの大開口を実現するためには、対応した建材の選定が求められます。これらはコストにも影響するため、設計者の経験が問われるポイントです。
敷地条件もガレージハウスの計画に大きく関わります。道路幅や接道条件、勾配の有無によって車の出入りが制限されることがあり、特に大型車や複数台所有の場合は、転回スペースの確保やスロープ設計が不可欠です。また、敷地の向きや周辺環境によって、採光・換気・騒音への配慮も変わります。
法規と敷地特性を正確に読み解くことは、ガレージハウス成功の鍵。経験豊富な設計者の判断が、理想を実現する大きな支えとなります。

5. 換気・ニオイ対策

ガレージハウスを設計するうえで、もっとも重要な設備のひとつが換気計画です。ガレージ内では、エンジン始動時の排気ガスだけでなく、暖機運転や整備作業によって一時的に大量のガスが発生します。そのため、通常の居室以上に「短時間で効率的に空気を入れ替える性能」が求められます。大型の換気扇や排気ダクトを設け、強制換気(機械換気)を中心としたプランを採用することで、有害物質が滞留しにくい安全な空間を維持できます。
吸気と排気のバランスは大切ですが、ガレージ内の排気を強くすると負圧となり、居住空間からガレージ側へ空気が流れます。一方で給気側を強くすると、ガレージ内の空気圧が高くなり、居住空間側へ空気が流れる可能性が高まります。そのため、ビルトインガレージにおいては、基本的に負圧設計とすることが有効です。
また、換気設備を複数の位置に分散させたり、天井と足元の両方から空気を動かすことで、車体下に溜まりやすい排気を効率よく排出できます。
ニオイ対策としては、ガレージと室内を仕切る建具の気密性を高めるほか、温湿度管理を行うことで、オイル臭やこもり臭の発生を抑えることが可能です。
換気は「快適性」だけでなく「健康と安全」に直結する要素。専門的な計画を行うことで、ガレージハウスはさらに安心で心地よい空間へと進化します。

6. 騒音・振動への対策

ガレージハウスでは、車のエンジン音や振動が室内に伝わる可能性があります。リビングや寝室といった落ち着きを求める空間にも影響が生じる可能性があるため、設計段階で対策を講じることが大切です。

例えば、以下の対策を取ることで、生活の静けさを確保しやすくなります。

●ガレージと居住スペースの間に吸音材や防音材を用いる
●LDKや寝室、書斎などは、ガレージから距離をとった配置にする
●シャッターは静音タイプを採用

騒音・振動の対策は、快適性だけでなく、長期的な満足度を大きく左右するポイント。設計段階で十分に検討することで、愛車との時間をストレスなく楽しめるガレージハウスが実現します。

7. 耐震性への配慮

ガレージは柱や壁が少ない大開口となりやすく、建物全体の構造バランスに影響を与えます。そのためガレージハウスにおいて、耐震性を確保する設計は特に重要です。
特にビルトインガレージは、車の出入り口として広い開口部を設けることが多く、建物の“耐力壁が減りやすい”という構造上の特性を持っています。そのため、構造計算を踏まえた耐力壁のバランス配置や、梁・柱の補強計画が欠かせません。
また、車の重量は1台あたり1~2トンにも及ぶため、車を複数台格納する場合は、床の耐荷重や基礎の強度も慎重に検討する必要があります。
ガレージハウスはデザイン性に注目されがちですが、耐震性能の確保は住まいの根幹です。
ガレージハウスの実績が豊富な設計会社に相談し、構造の選択肢や強度バランスを慎重に検討することが、住まい全体の安心感につながります。

8. 必要な設備と収納

快適なガレージハウスを実現するには、照明やコンセント、水場、換気設備など、日々の使いやすさに直結する設備と収納計画を丁寧に考えることも大切です。インテリアや間取りに意識が向いてしまいやすいですが、設備や収納が充実していないと暮らしの質を十分に高めることはできません
設備面が不十分だと、「愛車を整備する際に手元が暗い」「コンセントが足りず作業が制限される」「アウトドア用品を洗う場所がなく手間がかかる」といった不便が生じ、後悔につながりやすくなります。同様に、収納が適切に計画されていない場合も、「工具やメンテナンス用品が散らかる」「季節物のアウトドア用品やパーツを置くスペースが足りない」「動線が悪く作業しづらい」などの問題が起きやすくなります。
ガレージをどのように使いたいのかを具体的にイメージし、照明の配置やコンセント数・位置、水場の有無、必要な電力容量に加え、工具類やパーツ、趣味用品をどれだけ収納するのか、棚や壁面収納の配置をどうするのかといった点も事前に検討することが重要です。設備と収納を計画的に整えることで、作業性が高まり、ガレージライフをより快適に楽しむことができます。

9. シャッターの種類

ガレージに設けるシャッターは、操作性はもちろん、外観のデザインにも直結する重要なものです。
シャッターには手動式と電動式があり、それぞれに特徴があります。手動式はリーズナブルで停電時でも問題なく開閉可能です。ただし、都度車から降りて操作する必要があるため、日常の手間を感じる場合があります。
一方、電動式シャッターはリモコン操作によって車内から開閉でき、女性やご年配の方でも扱いやすい点が魅力です。ただし停電時には、モーター付きのシャッターを手動で開閉する必要があり、力を要することがあります。

またシャッターは、素材もさまざまなものがあります。それぞれの主な特徴は、以下の通りです。

スチール:塗装がしやすく家の雰囲気に合わせやすい。一方で時間が経つとさびが出やすく、定期的なメンテナンスが必要
アルミ:軽量でさびに強い。開閉音も小さく、扱いやすい
ステンレス:高級感があり耐久性も高く、塩害にも強い
木製:自然素材の美しさがあり、邸宅に温かみをもたらす。一方で小まめなメンテナンスが必要

こうした操作方式や素材の違いを踏まえ、住まい全体のデザインや使い勝手に合わせて適切なシャッターを選ぶことで、暮らしに洗練された品格が宿ります。



アーネストアーキテクツが手掛けたガレージハウスの設計事例

アーネストアーキテクツは、ガレージハウスを数多く手掛けている建築設計事務所です。車を収めるための空間としてだけではなく、暮らしと調和した美しいガレージを設計し、住まい全体の価値を高めるデザインを追求しています。

ここからは、アーネストアーキテクツが実際に設計したガレージハウスの中から、4つの事例をご紹介します。

リニアなラインを描く

三方を道路に囲まれた敷地条件の中、交通量の少ない西側に玄関と車の出入りをまとめ、堅牢なスチールとガラスで構成した車寄せをご提案し、道路に2つの出入り口を設けることで、日常の車はルーフ下に停めるだけで動線が完結する設計としています。
また、愛車のランボルギーニ専用のガレージはホームオフィスと寝室の間に配置し、どちらの空間からも愛車を眺められるよう計画しました。さらに正面にも大開口を設け、庭側からもその姿を楽しめる、特別なガレージ空間を実現したガレージハウスです。

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空間がリンクする家

車好きのオーナーが、都心のタワーマンションから住み替えた、愛車と共に暮らす高台のガレージハウス。
南北で道路の高低差がある敷地条件を活かし、それぞれにガレージを設けることで計5台の駐車スペースを確保しました。内部はスキップフロアとし、南北のレベル差を解消しながら、フロアごとに異なるテイストを楽しめる構成としています。地下の趣味スペースはアンティーク調でまとめ、南側ガレージに停まる愛車を見上げて眺められる特別な空間に仕上げました。一方、地上階のインテリアはモダンテイストで統一し、素材や色使いに意図的な変化を持たせています。

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包容力を魅せる

角地という恵まれた立地を活かし、外観は巻貝のようなシェルを纏わせることで内部が直接見えない独創的なデザインとしました。複数台の車を所有され、日常の移動は主に車で行うというライフスタイルに合わせ、8台をゆったりと停められるビルトインガレージを計画。ガレージ奥には日常動線となるサブエントランスを設け、生活空間へのアクセスをスムーズにしています。また、ガレージとサブエントランスのポイントウォールを揃えることで、空間に統一感と連続性を持たせました。

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都市に建つリゾートハウス

海外のリゾート地に建っているかのような、白を基調にしたモダンなガレージハウスです。敷地の間口の広さを生かした門型ゲートを設け、外部のシャッターは敢えて無くしました。奥行きを感じさせる長いアプローチは、カーポートとしても機能します。また門扉からポーチ、エントランス、回廊を経てLDKに進む動線の中で、どのシーンでも愛車を眺められる設計になっています。

エントランスからガレージにもアクセスでき、ガレージをレセプションルームとしての活用も可能です。ガレージの背面にはホームバーも完備された大人の空間に仕上げました。

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愛車と共に過ごす上質な住まいを作ろう

ガレージハウスは、車を格納する空間ではなく、「暮らしの世界観を広げるための空間」です。愛車を美しく魅せるガレージ、日常動線と連動した快適な設計、光や素材の表情まで計算された建築──。それらが高度に融合した住まいこそ、ガレージハウスの真価といえます。しかし、大開口・耐震計画・換気設備・騒音対策など、専門的な検討事項も多く、設計力がそのまま完成度に直結します。
アーネストアーキテクツは、これまで数多くのプレミアムなガレージハウスを手掛けてきました。敷地条件の読み解きから構造・設備の計画、演出照明や素材選定に至るまで、細密な設計を積み重ねています。オーナーの美意識やライフスタイルを深く理解し、唯一無二のガレージハウスを建築美として表現しています。
ガレージハウスをご検討の方は、ぜひアーネストアーキテクツにご相談ください。
カタログの取り寄せやショールーム見学などを随時承っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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