おしゃれなガレージハウスを建てるポイントは? デザインの工夫や5つの施工事例をご紹介
2025.12.8
ガレージハウス
Earnest architects
ガレージハウスは、単に車を駐車するだけの空間ではありません。暮らす方の価値観やこだわりが投影され、日常の中に特別な時間を生み出す舞台となります。とりわけおしゃれなガレージハウスは、住まい全体の品格を高め、日常に特別な体験をもたらします。
仕事を終え、エントランスを開けた瞬間、こだわり抜いた空間に佇む愛車──その光景は心をふっと緩め、毎日に誇りや高揚感をもたらします。
そこで本記事では、ガレージハウスの魅力や種類、おしゃれなガレージハウスを建てるメリット、そして建築設計事務所のアーネストアーキテクツが手掛けた施工事例をご紹介します。ガレージハウスの建築を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
おしゃれなガレージハウスとは?
おしゃれなガレージハウスとは、住まいにガレージを組み込むだけでなく、車と暮らしを美しくつなぐデザイン性の高い住空間のことを指します。建物内にガレージを設けたビルトイン(インナー)タイプのため、車へのアクセスがスムーズで、雨の日でも濡れずに移動できる快適性が魅力です。
おしゃれなガレージハウスでは、ガレージそのものを“見せる空間”として楽しめるのも特徴。照明計画や素材選び、間取りとの連続性によって、愛車がインテリアの一部となり、住まいの印象を一段と引き上げます。
敷地に制約のある都市部でも駐車スペースを効率的に確保でき、機能性とデザイン性を同時に叶えられる住まいとして人気が高まっています。
おしゃれなガレージハウスを建てるメリット
おしゃれなガレージハウスは、愛車を守れるだけではなく、暮らしの質を高める多くの価値を備えています。ここでは、おしゃれなガレージハウスのメリットをご紹介します。
凍結・直射日光・雨風・黄砂から愛車を守る
屋内に車を保管できるガレージハウスは、季節による車の負担を大幅に減らせます。冬は霜取りや積雪の心配がなく、夏は強い日差しによる塗装の劣化を防げるため、車のコンディションを長く維持できます。また、エンジンの温度変化も抑えられ、始動時の負担も軽減できます。
屋外の駐車では雨風はもちろん、ほこりや花粉、鳥のふんなどによって汚れやすく、日々のメンテナンスに手間がかかります。ガレージハウスの場合、こうした外的要因から愛車を守れ、車を大切にしたいオーナーにとって、ガレージハウスは保護性能の高い保管場所として欠かせない存在となります。
天候を気にせず快適にアクセスできる
インナーガレージのメリットは、外へ出ずに家の中と車を行き来できる快適性にあります。
雨や雪の日でも濡れることなく移動でき、荷物の積み下ろしもスムーズです。特に都市部や共働き世帯、小さなお子さま、高齢者のご家族がいる家庭では、日常のストレスを大きく軽減してくれます。おしゃれなガレージハウスでは、この動線計画にデザイン性を加えることで「使いやすさ」と「美しさ」を両立。快適性を損なうことなく空間全体の美しさも保ち、「効率」と「上質」を同時に叶える住まいが実現します。
防犯性・安全性・利便性が高まる
室内とつながるガレージは、外部からの視線を遮りながら車を保管できるため、防犯性が高いのが特徴です。シャッターやオートロックを組み合わせれば、盗難のリスクを大幅に軽減し、深夜の帰宅時でも安全に建物へアクセスできます。ガレージ内に適切な照明や監視カメラを設置することで、より安心感の高い住まいになります。
また、インナーガレージから玄関やパントリー、キッチンへと短い動線でつなぐことで、買い物帰りの荷物の運搬が驚くほどスムーズに。特に重い飲料や大量の食品を運ぶ際には、その利便性を強く実感できます。
おしゃれな空間デザインと防犯性や利便性をバランスよく備えたガレージハウスは、家族の暮らしを支える大きなメリットとなります。
愛車と近いショールームのような空間
おしゃれなガレージハウスの大きな魅力は、車を単なる移動手段ではなく“インテリアの一部”として楽しめる点です。照明計画や素材の選び方を工夫することで、ガレージがまるでショールームのような特別な空間に昇華します。リビングや玄関と視線がつながる設計にすると、日常のひとときに愛車の存在が寄り添い、所有する満足感と心地良さを実感できます。車好きの方にとって、暮らしと趣味が自然に融合する贅沢な住空間が実現します。
家全体がおしゃれになり資産価値が高まる
デザイン性の高いガレージハウスは、将来的な資産価値の面でも優位性があります。ビルトインガレージ付き住宅は市場での需要が高く、機能性と見た目の良さが評価されやすいため、売却時にもプラスに働きます。また、外観デザインや空間構成にこだわった“おしゃれなガレージハウス”は希少性が高く、物件として独自の価値を持つ点も魅力。美しさと機能性を兼ね備えた住宅は、長期的にも満足度の高い資産となります。
趣味の空間が広がる
ガレージハウスは、愛車を駐車する場所にとどまらず、趣味を深める空間としても活用できます。例えば、ガレージに整備用のピットを設けると、日常的なメンテナンスを自宅で行いやすくなります。
また、DIYやホームパーティやガレージセールの会場として使える他、アウトドアの空間としても活用可能です。空調や照明、床材にこだわれば、長時間滞在しても心地よい空間に。おしゃれなデザインと実用性が融合することで、住まいに新しい楽しみ方が生まれ、多目的な“プライベートスタジオ”として使うことができます。
狭小地・都市部でも駐車スペースを確保しやすい
敷地が限られる都市部では、屋外に駐車スペースを確保するのが難しいケースも少なくありません。ガレージハウスなら、建物の内部に駐車スペースを組み込むため、限られた土地を最大限に活用できます。外観デザインと一体化させることで、狭小地でも“おしゃれな外観”を維持したまま機能性を高められる点も魅力です。土地条件に左右されずに計画できるため、都市型住宅としても高い人気を誇ります。
これらのメリットを享受する、おしゃれなガレージハウスの実例は下記からご覧ください。
おしゃれなガレージハウスの設計ポイント
住宅全体のデザインバランスを考える
おしゃれなガレージハウスを実現するためには、ガレージだけではなく住宅全体のデザインを統一することが大切です。ガレージが洗練されていても、建物の外観やインテリアの世界観と調和していなければ、空間としての完成度は高まりません。外観ファサードの素材、開口部の位置、アプローチ動線などをトータルで設計することで、ガレージを含めた住まい全体が一つの美しい作品として成立します。また、車の色や形状も空間デザインを構成する要素のひとつ。愛車が最も引き立つ背景となるよう、照明や壁面素材とのバランスまで計算することで、“住まい×車”が生み出す唯一無二の世界観が完成します。
シャッターのタイプにこだわる
ガレージのシャッターは、機能性だけでなく外観デザインを左右する重要なパーツです。シャッターにはさまざまなタイプがあり、電動式や高速電動式、静音性に優れたパネルタイプなど、選ぶ種類によってガレージの印象が大きく変わります。
おしゃれなガレージハウスを目指すなら、建物との一体感はもちろん、開閉のスムーズさ、夜間の静音性、防犯性まで考慮することがポイントです。デザインと実用性の両立が、日常の質を高めてくれます。
内装素材にこだわる
ガレージを上質に演出するためには、床・壁・天井の内装素材の選定が欠かせません。床材は耐久性の高いモルタルやタイルが定番ですが、質感にこだわれば、工業的でクールな雰囲気からホテルライクなラグジュアリー空間まで、幅広い表現が可能です。
また、壁をガラスで構成すると、ショールームのような開放感のある空間となり、愛車の魅力がより際立ちます。壁面は塗装だけでなく、コンクリート打ち放しや金属パネルなどを取り入れると、無機質でスタイリッシュな印象に。木目や温かみのあるタイルなどを用いると、ナチュラルで心地良い空間に仕上がります。住宅の世界観に合わせて選ぶことで統一感のあるデザインが生まれます。
さらに、吸音材や防汚素材を組み合わせることで、車の出入りによる騒音を抑えたり、メンテナンス性を高めたりと機能面の向上も可能。内装素材へのこだわりは、ガレージを単なる“車庫”ではなく、“魅せる空間”へと昇華させるうえで欠かせない要素です。
照明計画で“ショールーム”のような演出
照明は、おしゃれなガレージハウスを象徴する最も重要な演出要素のひとつです。
愛車のフォルムを美しく見せるためには、色温度や光の方向、反射の仕方まで綿密に計画する必要があります。ダウンライトで陰影をつくり、間接照明で空間に奥行きを与えれば、ガレージ全体がショールームのような華やかさをまといます。さらに、調光機能を備えることで、メンテナンス時は明るく、鑑賞時間は柔らかい光に切り替えるなど、シーンに合わせた表情を楽しめます。照明計画を丁寧に行うことで、日常の“車を見る時間”が特別なひとときに変わり、ガレージハウスの魅力が一層引き立ちます。
収納計画で美しいガレージをキープする
ガレージは工具やタイヤ、アウトドア用品など物が増えやすい空間です。収納計画が不十分だと雑然とした印象になり、おしゃれなガレージハウスとしての完成度が損なわれてしまいます。壁面収納や天井吊り収納、ビルトインのキャビネットなどを活用し、用途に合わせて「魅せる収納」と「隠す収納」を組み合わせることがポイントです。
工具やアウトドア用品など、生活感が出やすいアイテムは“隠す収納”で整え、タイヤやホイールのようにガレージらしさを象徴するものは、あえて“魅せる収納”としてレイアウトするのがおすすめです。さらに、趣味のコレクションやお気に入りのアイテムを美しく配置すると、空間に個性が生まれ、よりおしゃれで完成度の高いガレージハウスへと仕上がります。また、掃除しやすい素材や、汚れに強い床材を選ぶことで、日々のメンテナンスも快適に。収納計画の巧みさは、美しいガレージを長く保つための重要な設計要素です。
排気・温度・湿度を管理する快適な環境設備
ガレージハウスを快適に使い続けるためには、排気・温度・湿度のコントロールが欠かせません。密閉性の高いインナーガレージでは、車の排気ガスを効率よく換気する換気設備が必須となります。また、季節の温度変化や湿気は車の劣化を招く原因にもなるため、断熱材や空調設備による安定した環境づくりが重要です。特に高級車や複数台所有するケースでは、一定の湿度を保つ調湿機能を備えることで、長期的にコンディションを維持できます。快適性と保護性能を兼ね備えた環境設備は、車を大切にするオーナーにとって大きな安心となり、おしゃれなガレージハウスの価値をさらに高めます。
おしゃれなガレージハウスの設計事例5選
ガレージハウスの魅力は、愛車を守るだけではなく、住まいに豊かな表情を生み出せる点にあります。
建築設計事務所のアーネストアーキテクツは、これまで数多くのガレージハウスを手掛けてきた実績を持ち、造形美と実用性を両立させた邸宅を実現しています。ここではアーネストアーキテクツのおしゃれなガレージハウスの設計事例を5つご紹介します。理想の住まいを形作る際のヒントとしてご覧ください。
1. 内包する家
都市型ホテルに暮らすような感覚で、食事や遊びを存分に楽しめる要素を随所に取り入れた住まいです。エントランスポーチの両サイドには、10台を超える愛車を収められる広々としたビルトインガレージを配置。ガレージは西側と東側に分け、西側はプレイルームやエントランスとガラスで仕切り、ライトアップされた愛車を室内から眺められる“展示空間”としてデザインしました。一方の東側は、日常使いの愛車を並べるための実用的なガレージとしてレイアウト。用途によってガレージの性格を分けることで、趣味性と利便性を両立させたガレージハウスとなっています。
2. 好みの融和を図る
ご夫婦それぞれが異なる趣向をお持ちであることから、フロアごとに個性を分けて構成した住まいです。地階は、ガレージに並ぶ愛車を眺めながら過ごせる“オールドアメリカンスタイル”の趣味空間。1階はクラシカルでエレガントなフォーマルゾーン、2階はモダンなインテリアでまとめたプライベートスペースと、異なるデザイン要素が調和するよう構成されています。
室内からガレージを臨むラウンジにはホームバーを備え、ガレージに隣接したホビールームではDIYを楽しむことができるなど、オーナーの夢やロマンを細部にまで反映。多様な世界観を一つの住まいの中で美しく融合させた、個性豊かな一邸です。
3. 光とガラスの形象
「光とガラス」をテーマにした住まいです。ガラス・水・緑が光に包まれるクリスタルな空間は、透明感と浮遊感を併せ持ち、時間帯によって変化する光が空間に豊かな表情を与え、時の流れや四季の移ろいを感じさせます。
その光の空間に愛車のコレクションが並ぶインナーガレージでは、光が車の陰影を美しく強調し、ディテールの魅力が一層際立ちます。また、北側の借景がガレージから直接見えないため、木立をイメージした壁面を設計し、ミラーに映り込ませることで、吹き抜け上部に広がる借景の木々と視覚的に重ねています。こうした工夫によって、ガレージ空間にも自然とのつながりを感じられる設計としています。
4. ダイナミックな開口が空に繋がる
幅3m、高さ4.5mの、大胆な開口部が生み出す開放感が特徴の住まいです。大開口でも角度を付けることで周囲の建物の開口部と被らず、大きな空を捉えられます。
1階にはガレージと書斎を設けており、ビルトインガレージから書斎にアクセスできる仕様に。書斎にも大きな開口部を設け、ガレージの愛車をいつでも眺められる空間になっています。ガレージにはブルーの誘導灯を設置し、飛行場の滑走路のような洗練された光の演出を実現しました。
5. 地平と共に広がる
共用部分を広く取り、あえて動線を長く設計することで、ゆとりある贅沢な暮らしを演出しました。門扉を抜けると、広い庭の景色を楽しみながら建物内部へ進むアプローチが続き、吹き抜けのエントランスホールにはシンボルツリーを配置しています。
エントランスやセカンドリビングとはガラスで仕切られ、室内からも愛車を眺められます。
特別な1台を含む5台の愛車とバイクを収めたインナーガレージは、還元焼成による豊かな色幅をもつタイルをミックス貼りで仕上げ、モノトーンを基調としたシックで落ち着きのあるインテリアにまとめています。
自分だけのこだわりのガレージハウスを建てよう
ガレージハウスは、愛車を守るための空間にとどまらず、暮らす方の価値観や美意識を具現化する舞台となります。内装や収納、インテリア、外構など、一つひとつの選択が暮らしの質を大きく左右します。だからこそ、ガレージと住空間をどのように結び、どのような世界観を描きたいのかを明確にすることが大切です。こだわりを丁寧に積み重ねることで、理想のガレージハウスを実現できます。
建築設計事務所のアーネストアーキテクツは、大胆な発想と緻密な空間構成を組み合わせ、ガレージハウスならではの豊かな暮らしをご提案します。建築のご相談やカタログのご請求、ショールームの見学も随時承っているので、上質なガレージハウスを検討している方はぜひお気軽にご相談ください。