2025.12.11

はじめての注文住宅

Earnest architects

一軒家の建築を検討する際、設計事務所に依頼するとどのような流れで住まいが形づくられていくのかを理解しておくことはとても大切です。設計事務所は敷地条件の分析からプラン提案、詳細設計、工事監理まで、一連のプロセスの責任を持って進めていきます。
本記事では、設計事務所の種類や役割、具体的な仕事の内容・流れをわかりやすく解説するとともに、設計事務所アーネストアーキテクツの設計事例もご紹介します。

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設計事務所とは?

設計事務所とは、建築主の要望をもとに住宅や建物の設計を行い、完成までのプロセスを総合的にサポートする専門機関です。間取りや外観デザインの提案だけでなく、敷地調査、法規チェック、構造・設備計画、素材選定、工事監理まで幅広く担います。
特に一軒家のように自由度の高い住まいづくりでは、設計事務所の設計力やプロセスが品質や快適性に直結するため、依頼先の選択が大切になります。
設計事務所には、個人で運営するアトリエ系、組織的に運営する事務所、総合的なデザインを得意とする事務所などさまざまなタイプがあり、これらの事務所が建物の設計・監理といった業務を行うには、都道府県へ「建築士事務所」としての登録が必要です。登録しているのは設計事務所だけではなく、ハウスメーカーや工務店も含まれます。
依頼主の理想や価値観を深く理解し、それを建築として具現化するのが設計事務所の役割です。

建築家とは?

建築家とは、建築物の設計を担う職能の総称ですが、法律上の資格名称ではありません。法律上の資格名称は一級建築士・二級建築士・木造建築士。建築家は思想、作品性、デザイン性を重視する“呼称”であり肩書きで、建築士資格を持つ人が名乗ることが一般的です。

建築士とは 建築基準法に基づく国家資格を持つ技術者を指し、以下の3種類があります。

●一級建築士:規模・用途に制限なく幅広い建築物を担当
●二級建築士:比較的小規模な建築物の設計・工事監理を担当
●木造建築士:木造建築物に特化した設計・工事監理を担当

建築家は、建物の意匠設計を中心に空間全体の構成や佇まいを計画し、依頼主の理想を形にする役割を指します。建築家の業務領域は意匠・構造・設備 の3つに分類できます。

領域 役割内容
意匠 美しさや空間構成を計画し、素材選定・光の取り入れ方・動線計画などを含めてデザインする領域
構造 建物の安全性を担保する骨組み・耐震性能などを検討する領域
設備 空調・電気・給排水・ガスなど、暮らしを支えるインフラを設計する領域

これらが専門ごとに分かれて担当されることもあれば、規模によっては意匠建築家が全体を統括する場合もあります。



設計事務所の種類

一口に設計事務所といっても、その規模や体制、特徴は大きく異なります。依頼主の理想を形にする適切なパートナーを選ぶためには、事務所ごとの特徴を理解しておくことが大切です。ここからは代表的な3つのタイプについて、それぞれの強みや得意分野をご紹介します。

組織設計事務所

組織設計事務所は、多くのスタッフが在籍する大規模な設計組織です。商業施設や公共施設、マンションなど、大規模建築物の設計を数多く手掛けています。意匠・構造・設備といった各専門領域の担当者がそろっているため、組織力で総合的に進められる点が強みです。
扱う案件の多くが大規模プロジェクトであるため、個人邸を担当する機会は比較的少なく、大規模計画に特化した事務所として認識されているケースが一般的です。

アトリエ系設計事務所

建築家の個性やデザイン性を強く反映した住宅や建築を得意とするのがアトリエ系の設計事務所です。代表者である建築家の世界観や美意識が空間に色濃く反映されるケースが多く、独自性の高い住宅や施設を生み出す傾向があります。
手掛ける建築の種類は事務所ごとに異なり、住宅を中心とする事務所もあれば、ビルやホテルなど大規模施設を得意とする設計事務所もあります。建築家の作風を反映した自由度の高い建物を設計できる点が、アトリエ系設計事務所の魅力です。

その他の建築士事務所

ハウスメーカーや工務店も、設計事務所とは異なる形態で住宅設計を行っています。多くのハウスメーカーは自社で設計機能を持つため、建築士事務所としての登録を行い、設計から施工までを一貫して提供します。工務店も同様に、規模に応じて自社内に建築士が在籍し、設計を担うケースがあります。
ハウスメーカーでは、あらかじめ構造方式などが国の 「型式適合認定」 を取得している場合、個々の住宅ごとに詳細な構造計算書を提出する必要がなく、申請に必要な書類も大幅に簡略化できます。これにより、確認申請がスムーズに進み、標準化された仕様をもとに時間と手間を削減しながら大量供給を可能にする仕組みが整えられています。



設計事務所の仕事の流れ

設計事務所へ依頼して住まいづくりを進める場合、どのような工程で計画が進んでいくのかを理解しておくことはとても大切です。事務所ごとに細かな進め方や関わり方には違いがありますが、基本となるプロセスや流れはおおむね共通しています。
ここでは、建築相談から引き渡しまで、設計事務所がどのような流れで住まいを形づくっていくのかを段階ごとにご紹介します。

建築相談・ヒアリング

住まいづくりの第一歩は、設計事務所への建築相談から始まります。ここでは依頼主が思い描く住まいの方向性を丁寧に伺い、計画の初期条件を整理していきます。目的・予算・希望の暮らし方・優先したい価値観などを共有しながら、どのような住まいを目指すのかという設計の方針を固める重要な工程です。
設計事務所は、依頼主の生活動線や趣味、空間に求めるこだわりを深く理解することで、理想像を明確にしていきます。場合によっては敷地の状況や法規制についての初期アドバイスを行うこともあります。この段階でのヒアリングが、後の設計内容を大きく左右するため、丁寧に対話を重ね、依頼主と設計事務所のイメージを共有した上で、次のステップへと進みます。

調査・企画

建築相談・ヒアリングを経て計画の方向性が固まると、設計事務所は建築予定地の調査を行います。敷地の形状や高低差、道路付き、周辺環境、日照条件、法令による建築制限など、多角的な視点から土地の特性を読み解きます。ボーリング調査(地盤調査)を実施し、地盤の強度や地層構成を把握します。これにより、基礎形式の検討や構造計画の精度が大きく高まります。
敷地調査を踏まえて、建築可能なボリュームや配置計画、デザインの方向性が明確になり、次のプレゼンテーションに進むための企画方針が整えられます。

プレゼンテーション

プレゼンテーションでは、依頼主の要望と敷地の特性を掛け合わせ、どのような住まいが成立するのかを具体的な図面やイメージ図(CG)を用いて提示します。近年では、図面だけでは伝わりにくい立体的な空間構成をわかりやすく示すために、3Dのバーチャル動画やウォークスルー映像を活用する設計事務所も増えています。
こうした視覚的な資料によって、依頼主は計画の全体像をより明確に把握でき、空間の広がりや光の入り方、動線のイメージを具体的に捉えられるようになります。プレゼンテーションは、次のステップへ進むかどうかを判断するうえで重要な工程です。

当社、アーネストアーキテクツではプレゼンテーションから実施設計に至るまでCGを多用し、空間を視覚的に分かりやすく表現することで、お客様が設計に参加しやすい環境を整えています。また、図面だけでは分かりにくい空間構成を、3D動画「ウォークスルー」で、実際の建物の間取りを歩いて巡っているようなバーチャル体験をプレゼンテーションに導入しています。

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基本設計

プレゼンテーションを経て依頼する設計事務所が決まると、次の工程は基本設計です。
基本設計では、依頼主との対話で得た理想像を図面に落とし込み、住まいの骨格となる計画をつくり上げていきます。
インテリア計画や収納計画、照明・空調・衛生設備の基本的な配置など、暮らしに直結する要素を整理しながら、配置図・平面図・立面図、仕上げ表などを作成します。こうして空間の構成や使い勝手を明確にし、素材や設備の大まかな仕様を決めることで、住まい全体のイメージがより具体的になります。
また、建築工事費などの概算もこの段階で算出され、デザインと予算のバランスを確認しながら最終的な方向性を決めていきます。

実施設計

実施設計では、基本設計で固めた方針を基に、建物を実際に建てるための詳細図面を作成します。意匠・構造・設備の各分野まで検討し、空間の美しさと構造的な安全性、暮らしの快適さなどを総合的に確立していく段階です。
展開図や断面図、平面詳細図、部分詳細図、構造図など、多くの専門図面がこの工程で作成されます。これらの図面によって工事内容が具体化され、施工会社は正確な見積もりを行えるようになります。
また、建築基準法に基づく建築確認申請もこの段階で実施されます。本来は依頼主が行う手続きですが、委任状があれば建築士が代行することが一般的です。こうして、工事へ進むための準備が整っていきます。

入札・工事請負契約

実施設計が完了すると、次のステップは施工会社の選定です。設計事務所は複数の施工会社へ図面を提示し、見積りを依頼します。いわゆる「入札」の工程で、各社の見積書や技術力、これまでの実績を比較しながら、最適な施工会社を検討していきます。依頼主は、設計事務所のアドバイスを受けつつ、信頼できる施工会社を選定します。
依頼する会社が決まったら、工事請負契約を締結します。契約書には、工事範囲・金額・工期・保証内容など、工事を進めるうえで重要となる事項が明記されます。ここで内容をしっかり確認しておくことが、安心して工事を任せるための大切なポイントです。
施工会社が確定し契約が結ばれることで、住まいづくりはいよいよ“工事”という実行段階へ進みます。

監理業務

工事監理の主な仕事は、設計と施工の適合性の確認と発注者と施工現場の仲介の2つです。

1. 設計図書と施工状況の適合性確認
設計図書通りに施工が行われているかを確認し、建築主に報告します。
2. 建築主と施工現場の仲介
監理者は、建築主の代理人という立場であり、施工状況を建築主と共有する必要があります。
設計図書と施工状況の照合と確認の結果、設計図書通りに施工が行われていないと認められた場合は、直ちに工事施工者に対して当該工事を設計図書通りに施工することを求めます。

監理業務は「設計の意図を現場で正しく実現する」ためのプロセスであり、住まいの品質を左右する欠かせない工程です。

各種検査

工事が進むと、建物の品質と安全性を確認するために、さまざまな検査が段階的に行われます。まず、建築基準法に基づく中間検査と完了(竣工)検査 があり、構造、安全性、防火性能などが法規に適合しているかを第三者機関がチェックします。
並行して、設計事務所は自主検査を行い、設計図どおりに施工されているか、仕上げや設備の精度に問題がないかを細部まで確認します。施工会社も自社検査を実施し、不具合があれば竣工前に是正します。
これらを経て行われるのが、設計事務所と施工会社による完了(竣工)検査です。ここで建物としての完成度を最終確認した後、依頼主が実際に建物を見てチェックする 施主検査が行われます。気になる点や修正希望はこの段階で伝えることができ、手直しが完了すると引き渡しへと進みます。
複数の検査を重ねることで、住まいの品質と安全性が確実に担保される仕組みとなっています。

引き渡し

完了検査や施主検査を終え、必要な是正工事が完了すると、建物は正式に竣工を迎えます。最終確認として、設計事務所と施工会社が仕上がりをチェックし、依頼主にも修正点が解消されていることを確認していただきます。
準備が整うと、いよいよ引き渡しです。引き渡し時には、鍵や保証書、設備機器の取扱説明書、図面などの書類が手渡され、施工会社から設備の使い方やメンテナンス方法の説明が行われます。
設計事務所は、建物が設計意図どおりに完成したか最終的に確認し、今後の暮らしに向けて不明点がないようサポートします。
引き渡し後は、施工会社によるアフターサービスや定期点検が始まり、住まいの品質が長期的に維持されるようサポートが続きます。こうして、住まいづくりの一連のプロセスが完了し、新しい暮らしがスタートします。
住まいづくりが一区切りするタイミングではありますが、設計事務所との関係はここで終わりません。住まいの維持管理や将来的なリフォーム相談など、建物と長く付き合う上で必要なサポートも継続して受けられます。暮らしの変化に寄り添うパートナーとなります。



マイホームにこだわりたいなら設計事務所に相談を

理想のマイホームを実現するうえで、間取りの自由度やデザイン性、暮らしの質に徹底的にこだわりたい方には、設計事務所への相談が最適です。設計事務所は、依頼主の価値観やライフスタイルを深く理解したうえで、敷地条件を最大限に生かした住まいをゼロから設計します。

当社、アーネストアーキテクツは、アトリエ系設計事務所が持つ「高いデザイン性」と、組織設計事務所が持つ「技術力・専門性・対応力」。その両方を併せ持つハイブリッド型の設計事務所です。
建築家の創造性を生かしながら、構造・設備・法規への高度な専門知識を組織として支えることで、デザイン性と安全性、快適性を両立した高級住宅を実現しています。
唯一無二のデザインを生み出すアトリエ的なアプローチと、複雑な条件にも応えられる組織設計的な総合力。その両輪によって、他にはない質の高い住まいづくりを実現しています。

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アーネストアーキテクツが手掛けた設計事例

アーネストアーキテクツが手掛けた住まいは、個々の敷地条件を生かしながら、洗練された空間構成を実現している点が特徴です。ここでは、3つの設計事例をご紹介します。理想の住まいを思い描く際の参考としてご活用ください。

地平と共に広がる

歴史的な情緒あふれる街並みに建てられた住まいです。外部からの視線を遮るため、建物と塀を切り離し敷地の奥に建物を配置するとともに、高さ6m以上の自立壁を設けて内部のプライバシーを確保しました。コンクリート塀には街並みと調和するタイルを張り、威圧感を和らげる工夫を施しています。
アプローチから広い庭を眺めながら建物内部へと進み、吹き抜けのエントランスホールにあるシンボルツリーを回遊して、陽光に満ちたリビングへと辿り着きます。共用部分を広く取りあえて動線を長くすることで、ゆとりのあるぜいたくな住まいを演出しています。

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都市に建つリゾートハウス

都市の中にいながら、まるでリゾートに滞在しているような心地良さを味わえる住まいです。敷地の間口の広さを生かした門型ゲートを設け、外部のシャッターを無くして奥行きを演出。長いアプローチは、カーポートとしても機能します。
門扉からポーチ、エントランス、回廊を経てLDKへと進む中で、どのシーンでも愛車を眺められる設計にしている点が特徴です。エントランスから直接ガレージにアクセスでき、ガレージをレセプションルームとしても活用できます。
LDKには全開口サッシを採用して、プールのあるテラスと一体化したような設計に。また主寝室からも美しい水景を堪能でき、リゾート感を演出しました。

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心惹かれる家

柔らかな印象のモダンな住まいと、ビルトインガレージ4台分というご要望を受け、敷地条件と動線を読み解きながら設計を進めました。
セキュリティを重視しつつも威圧感を与えないよう、風合いある石材と曲線の外壁で優しい表情をつくり、門扉や木調シャッターと調和させています。車路やアプローチ、3層を貫く螺旋階段、吹き抜けリビングへ続く光の演出など、動線の随所にストーリー性を持たせ、ドラマチックな演出を行いました。
帰宅した家族を温かく迎え、いつでも優しく家族を包み込む、心休まる住まいです。

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信頼できる設計事務所と共に理想の邸宅を建てよう

住まいづくりは、依頼主と設計事務所が信頼関係を築きながら進めていく共同作業です。
敷地調査から設計、監理、引き渡しまで、適切な工程を丁寧に重ねることで、理想の住まいが確かな形へと磨き上げられていきます。だからこそ、価値観を共有し、安心して相談できる設計事務所を選ぶことが大切です。

アーネストアーキテクツは豊富な経験と高い設計力を強みに、多くの高級住宅を手掛けてきました。アトリエ系の創造性と組織設計の技術力を併せ持つハイブリッド型の設計事務所として、建築家の作風を押しつけるのではなく、お客様一人ひとりの価値観を丁寧にくみ取り、“その方らしい邸宅”を形にします。どうぞお気軽にご相談ください。

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