2025.9.9

こだわり

Earnest architects

高級住宅を検討されるお客様の中には「広い庭を持つ住まい」に憧れを抱かれている方も多いのではないでしょうか。緑豊かで広い庭は、家族や大切な方との時間をより豊かにし、日常に潤いをもたらします。アウトドアリビングや中庭、屋上庭園など、その形は多様であり、ライフスタイルに応じた楽しみ方が可能です。本記事では、庭の種類や広い庭のメリット・デメリット、設計時に押さえておきたいポイントを整理し、施工事例も紹介いたします。

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暮らしを豊かにする庭の種類

庭は単なる外構ではなく、暮らしを広げる大切な空間です。特に景観が望めない住宅地においては、暮らしを彩る庭の存在が欠かせません。代表的な例として「アウトドアリビング」「中庭」「屋上庭園」の3つが挙げられます。

アウトドアリビング

アウトドアリビングは、屋外に設けられたリビングのようなくつろぎの空間を指します。一般的には、リビングの延長としてデッキやテラスに設けられ、テーブルやソファなどの家具を配置することで、屋外でも家族やゲストが集まる「部屋」として機能します。
屋外でありながら屋内の快適さを感じられるのが、アウトドアリビングの大きな魅力です。晴れた日には食事を楽しみつつ、お子様が自由に遊ぶ姿を見守れます。ライフスタイルに合わせて多彩に活用できるのがアウトドアリビングの魅力です。大切なのは快適性を確保すること。暮らし方や敷地条件に合わせて計画することで、日常を豊かに彩る空間となります。

中庭

中庭は建物や壁に囲まれた内部にある屋外空間です。コの字型やロの字型、L字型などの形状があり、住まい全体に自然光と風を取り入れ、通風・採光計画の核となります。シンボルツリーや水盤を配置することで、美しく切り取られた「自然」を感じられます。
また、周囲が壁で囲まれているため外部からの視線が届きにくく、プライバシーやセキュリティ面でも安心感があります。人目を気にせず過ごせるのも中庭の大きな魅力です。お子様やペットの遊び場としても機能し、屋外空間を安全に楽しめます。

屋上庭園

屋上庭園は、屋上を活用して緑を取り入れる空間です。敷地内に庭を設けるスペースがなくても、屋上を利用することで自然を取り入れられます。敷地に余裕がない都市部でも自然を享受でき、屋外リビングや家庭菜園として多様に使えます。設計にあたっては荷重や防水性能の検討が不可欠であり、構造・設備計画と一体で考える必要があります。
また、芝生や植栽を配置することで直射日光を和らげ、断熱性能の向上やヒートアイランド現象の緩和にも寄与します。環境性能と居住性を両立できる点は、屋上庭園の大きな魅力です。都市における「緑のオアシス」として、暮らしと環境に持続的な価値をもたらします。


庭が広い家のメリット

自然を感じられる広い庭は、暮らしを快適で豊かなものにします。ここからは庭が広い家で得られるメリットをご紹介します。

日当たりや風通しが良い

庭が広い家は、周囲に十分な空間があることで日当たりや風通しに優れています。隣家との距離が確保できるため、建物にたっぷりと光を取り込みやすく、広い庭に面して開口部を設けることができるためどの部屋も明るく、快適に過ごせます。また、庭があることで建物の周囲に風の通り道が生まれ、開口部を工夫することで自然な通風を取り入れられます。これにより湿気や熱気がこもりにくく、住まいの耐久性維持にもつながります。庭が広い家は、光と風という自然の恵みを最大限に享受できる点が大きな魅力です。

窓からの景色を楽しめる

住宅地では周囲に建物が密集しているため、窓から望む景色は限られがちです。美しい自然や開放的な景観を期待するのは難しく、外の眺めは隣家や電線などが現実です。
その点、庭のある住まいでは、窓から見える庭の景色が日常を豊かに彩ります。家の中から四季折々の樹木や花など心地よい景観を楽しめ、計画的に植栽や水盤、テラスを配置すると、室内から美しい景色を望め、住まい全体の居心地や価値を高めることができます。
住宅密集地であっても庭の景色を工夫することで、日常に自然の美しさと癒しを取り入れることが可能です。

季節の変化を感じられる

庭が広い住まいは、日々の暮らしの中で四季の移ろいを実感できます。春には花々の彩り、夏には青々とした緑、秋には紅葉、冬には落葉や雪景色と開口部から眺められる庭の景色によって、都心の生活では感じにくい四季の変化が身近になります。また、季節ごとに姿を変えるシンボルツリーは、家族と共に成長する特別な存在に。
広い庭を窓から眺めるだけで四季の移ろいを実感でき、室内にいながら自然のリズムを感じられます。暮らしに季節感を感じることで感性を豊かにし、豊かな心を育めます。

お子様やペットの安全な遊び場

都市部では、お子様やペットが自由に過ごせる場所が少ないのが現状です。広い庭を設けることでその課題が解消され、敷地内でお子様やペットが思い切り駆け回れるようになります
車や自転車の往来による事故リスクだけでなく、不審者などの犯罪リスクも低減できます。また、建物や塀で囲まれたプライベートな空間とすることで、外部からの視線や侵入を防ぎ、安全性が向上します。広さに余裕があれば、滑り台や砂場、ドッグランなどを設置でき、運動能力や日常生活だけでは不足しがちな運動量を補うことができる点も魅力の一つです。

こだわりの空間を作れる

広い庭は、住まいに「ゆとりのある空間」をもたらし、設計の自由度を大きく広げます
敷地に余裕があることで、建物と庭を一体的に計画でき、採光や通風などの環境条件を最適化しながら、暮らしに合った外部空間をデザインできます。例えば、家族や友人とバーベキューやガーデンパーティーや、心地よい屋外空間を満喫するリラックス空間など、多様な用途を柔軟に取り入れることが可能です。
また、植栽や外構を計画的に配置することで、プライバシーを確保しながら開放感も得られます。
広い庭は単なる余白ではなく、暮らしの質を高める存在として、住まいに個性と豊かさを与えます。


庭が広い家のデメリット・注意点

広い庭は暮らしに豊かさをもたらす一方で、維持管理や立地条件といった面で注意すべき点もあります。十分な土地が確保できない場合や、管理に手間がかかることを考えると、広い庭が必ずしも全てのお客様に適しているとは限りません。ここでは代表的なデメリットや注意点をご紹介します。庭づくりを検討する際の参考としてください。

土地価格と立地の制約

都市部では土地価格が高いため、広い庭を確保するには多大な費用が必要となります。そのため、庭を重視する場合は都市部にこだわらず、郊外や郊外寄りのエリアでの建築を検討するのも現実的な選択肢です。敷地にゆとりがあれば、庭の広さだけでなく建物の配置や日照条件など、プランニングの自由度も高まります。反対に、都市中心部で庭を広く確保しようとすると、建物の規模やデザインに制約が生じる可能性もあるため、優先順位を整理して判断することが求められます。

庭の維持管理の負担

広い庭は四季折々の自然を感じられる魅力がある一方で、維持管理に手間がかかります。芝生や植栽の手入れ、雑草取りや剪定、落ち葉の掃除など定期的な作業が必要になります。さらに庭木が多い場合には害虫対策や病気の管理も欠かせません。管理を怠ると庭の景観が乱れるだけではなく、害虫の発生や隣家への迷惑にもつながるため注意が必要です。造園業者など外部の専門業者に依頼する際にも、定期的なコストがかかります。庭の維持管理費を踏まえて、どの程度まで自分たちで手入れができるかを事前に検討することが大切です。

建築コストや外構費用の増加

庭を美しく活用するには、植栽や舗装、照明や水回り設備などの外構工事が必要になり、敷地が広い分、設計や施工のコストが高くなる傾向があります
広い庭を活かすための造成工事や外構工事にかかる費用が大きく、門扉やアプローチ、塀など、必要な工事項目も増えます。特に外構工事はコストが高額になりがちです。また、植栽や照明などのエクステリアデザインを整える場合は、デザイン性を追求するほどコストも上昇します。理想の庭を実現するには、建物と外構を一体的に計画し、優先順位を明確にして予算配分を検討することが重要です。

防犯やプライバシーの課題

広い庭は開放感をもたらす一方で、防犯やプライバシーの面で課題となる場合があります。敷地が広いほど外部からの侵入経路が増えるため、塀、フェンス、門扉、防犯カメラなどによるセキュリティ対策が欠かせません。また庭が道路や隣家に面していると、リビングやテラスで過ごす姿が視線にさらされやすく、落ち着いてくつろげないこともあります。植栽や塀で視線を遮る工夫は有効ですが、その分メンテナンスやコストが増える点にも注意が必要です。広い庭を安心して活用するためには、防犯性やプライバシーも配慮した計画が大切です。


広い庭を作る際に押さえておきたいポイント

理想の庭が広い家を実現するには、実用性を考慮することが大切です。土地の条件や周囲の環境との調和、駐車スペースやアプローチとのバランス、プライバシーの確保など、検討すべき点は多岐にわたります。これらを設計段階からしっかり考えておくことで、庭を快適な空間に仕上げられます。

建物との一体的なプランニング

広い庭がある家では、建物との統一感を考慮しましょう。建物の外観デザインだけでなく、門扉や塀、アプローチなどの外構デザイン、さらに庭や植栽までを一体的に計画することで、まとまりのある心地よい空間が生まれます。例えば、建物が和モダンテイストなのに、庭はリゾート感のある南洋風の場合、それぞれの完成度が高くても全体としての調和が取れず、落ち着きのある空間とはなりません。
また、庭を室内の延長として設計することも大切です。リビングやダイニングとの関係性を考え、開口部の位置や高さを工夫することで、室内と庭が自然に連続し、開放感を最大限に引き出すことができます。

メンテナンスのしやすさ

広い庭は美しく維持するために手間がかかるため、植栽の種類や配置に配慮することが大切です。
落葉樹と常緑樹のバランスや、芝生やグランドカバーの代わりに人工芝やタイルを取り入れることで、日々の手入れの負担を軽減できます。また、自動散水設備の導入や、耐久性の高い省メンテナンス素材を活用することも有効です。設計段階からメンテナンス性についても配慮された計画を行うことで、美しさと手軽さを両立した庭が実現できます。

プライバシーと防犯に配慮する

広い庭を設ける際は、プライバシーと防犯性を考慮した計画が不可欠です。
フェンスや塀の高さ・素材を適切に設定することで、外部からの視線を遮りながら開放感を維持できます。塀や柵を最小限に抑えつつ視線を遮りたい場合は、生垣や植栽を計画的に配置し、自然な目隠しを作ることで景観性とプライバシー性を両立可能です。これにより、周囲の視線を気にせずに屋外空間を満喫できる、心地よいプライベート空間を叶えることができます。
また、センサーライトや防犯カメラの導入を庭全体のゾーニングに沿って配置することで、空き巣や侵入リスクを低減し、安全性を確保しながら安心して屋外空間を楽しめます。


アーネストアーキテクツが手掛けた庭が広い家の施工事例

建築設計事務所のアーネストアーキテクツは、広い庭を生かした高級住宅を数多く手掛けています。アーネストアーキテクツが手掛けた住まいには、デザイン性と機能性の両方を兼ね備えたさまざまな工夫が凝らされています。ここでは、庭が広い家の施工事例をご紹介します。

地平と共に広がる

こちらの住まいは、広い庭を中心に外部からの視線を遮るため、建物は敷地の奥に配置し、高さ6m以上の自立壁でプライバシーを確保しました。コンクリート塀には街並みと調和するタイルを張り、美しい陰影を生み出しながら威圧感を抑えています。門扉を抜けると、庭を眺めながら建物内部へ進み、吹き抜けのエントランスホールのシンボルツリーを回遊してリビングに至る動線設計により、庭の存在感と開放感を存分に楽しめる空間となっています。

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ダイナミックに翼を広げる

「庭の手入れは面倒だけど庭はほしい」というオーナーの希望に応えた住まいです。
交通量の多い前面道路に対しては、プロフィリットガラスの塀でプライバシーと騒音対策を両立させつつ、無機質にならないスタイリッシュな外観を実現。庭はシンボルツリーを中心にタイルや荒々しい石を組み合わせることで、美しい景観を叶えながら日常の手入れは最小限に抑えています。リビングやテラスと庭をボーダレスに繋ぐ設計により、景色や開放感を日々楽しめ、プライベート空間としても安心です。

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広い庭を持つセキュアな住まい

高台の傾斜地に建つ広い庭のあるこちらの住まいは、セキュリティ面・プライバシー面でさまざまなこだわりが反映されています。
地下1階・地上2階の住まいは道路側から見ると1階部分が2階に相当する高さとなり、周囲を外堀で囲むことで外部からの視線を遮っています。外堀の内側では、芝生や樹木、噴水を配した広大な庭が広がり、邸宅にふさわしい伸びやかな景観を描き出しています。

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広い庭が叶える豊かな暮らし

広い庭は、日々の暮らしに豊かさと彩りをもたらします。開放的な空間で季節の移ろいを感じながら、家族や友人と共に過ごす時間は、かけがえのないひとときです。
庭の維持には小まめなお手入れや防犯面やプライバシーへの配慮が必要ですが、設計段階から計画に組み込むことで、安心して快適に庭を楽しめる空間を実現できます。

アーネストアーキテクツでは、広い庭のある住まいの設計において、空間の統合性と快適性に優れたご提案を行います。建物と庭、外構や植栽までを一体的に計画することで、視覚的なまとまりと機能性を両立。庭を室内の延長として設計し、リビングやダイニングとの自然なつながりを生み出すことで、開放感あふれる空間を実現します。また、プライバシーや防犯性、メンテナンスのしやすさにも配慮し、日々の暮らしの中で庭を安心して楽しめるよう設計。庭の魅力を最大限に引き出します。庭のある注文住宅をご計画の際は、お気軽にご相談ください。

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