2023.7.21

こだわり

Earnest architects

目を惹く表紙のデザインとは?

アーネストグループの創業40周年を記念した書籍プロジェクトもいよいよ大詰めとなり、表紙のデザインに取り掛かることになりました。出版社の方から、建築の書籍は大きく分けて3パターンあると伺いました。

1. 物件の写真をメインにしたデザイン
2. 写真を使用せず、文字をデザインしたもの
3. 写真と文字を組み合わせたもの(1と2の折衷案)

当社は、クライアントの趣向に合わせて多様なデザインができる設計事務所なので、10年前に書籍を発売した際は、作品のイメージを固定したくないとの想いから、2の文字をデザインした表紙デザインを選択しています。

10年前に発売された書籍の表紙



はじめて発行した書籍の表紙はスタイリッシュなデザインですが、ひと目で住宅やインテリアなど、建築について書かれている書籍であることが分かりにくかった点を踏まえ、今回の書籍では、分かりやすさを重視したいと思いました。これは、前回のコラム「本のタイトル」でお伝えした内容と通じます。
10年ぶりの書籍を発行するにあたり、皆様にお手に取ってもらうには、どうしたら良いのか調べる中で、出版社の幻冬舎が自費出版を支援するWEBサイト「幻冬舎ルネッサンス」の執筆お役立ちコラムに下記の記述がありました。

一説によれば、ひとが書店で一冊の書籍を見る秒数の平均は、わずか0.2秒といわれています。
書籍を購入していただくには、この0.2秒で本の内容を読者に理解させ、興味を惹かなくてはなりません。

0.2秒とは驚きました!0.2秒で判断されるのであれば「分かりやすさ」は重要な要素です。
そこで、今回の書籍の表紙には写真を取り入れたデザインで検討することに。だた、ひとつの作品のイメージに固定されるのは抵抗があったため、3の写真と文字を組み合わせたデザインで進めることに致しました。



表紙のデザインを検討する際に、一緒に検討されるのが「帯」のデザインです。
帯は書籍の「宣伝」を担っている存在です。0.2秒の僅かな時間の中で、どのような本なのか理解して貰うには、本のタイトルだけでは情報量が少なすぎるため、そこを補うのが帯の役割になります。
帯の謳い文句として良く使用されるのが、「重版!」や「○万部突破!」などの言葉。この言葉が帯にあれば、“売れている本”という印象を与えることができます。ですが、初版には使用できません。
その他に見かけるのは著名人のコメントです。作家さんやタレントさんが、帯にコメントを寄せています。「あの人がおすすめしているなら」と本の裏付けになり、皆様のお目に留まることができます。
当社の書籍の帯にも、そんな裏付けがあったらと考えた際に、お客様にお願いできないか?!と思い立ちました。当社は、数多くの著名人のご自宅や別荘などを設計させていただいています。当社で建てたお住まいに暮らされている方からのコメント。こんなに信ぴょう性が高いものはありません。ただ、住まいは最もプライベートな領域で、著名人なら尚更、触れられたくないと思われるのではないでしょうか。そんなことを思いながらも、当社のお客様で、世界で最も売れている漫画家『尾田 栄一郎』先生にお願いしたところ、なんと!快諾くださり、直筆のメッセージをいただくことができました!(書籍に尾田 栄一郎先生のご自宅は掲載されていませんので、ご承知おきください)
表紙は全面を写真にするのではなく、窓を設けたデザインに仕上げ、写真はモノクロに薄っすらと背景色を重ね、写真の上にレイアウトしたサブタイトルの「BUILD YOUR DREAMS.」が目立つ仕様にしました。写真があることで、住まいの書籍であることが分かり易く、写真はモノクロにすることでイメージの固定を回避。シックなデザインに尾田栄一郎先生の直筆のメッセージが引き立ちます。多くの書籍が並ぶ書店でも、皆様のお目に留まるデザインに仕上がったのではないかと自負しております。

日常を極上にする家
発売する書籍の表紙デザイン
帯に「尾田 栄一郎」先生の直筆のメッセージ入り!


書籍タイトル:日常を極上にする家
発売日:2023年6月26日(月)
定価:1,800円(税込1,980円)
出版社:エクスナレッジ


2023年6月26日(月)に全国の書店(出版社エクスナレッジの販売網がある書店)及び、オンライン書店で発売されますので、ぜひ、ご覧ください。また、本・書籍のAmazonでは、予約販売も行います!予約販売の詳細は分かり次第「インフォメーション」にて、お知らせ致します。
アーネスト本第2弾!の連載コラムはこれで最後となりますが、引き続き、アーネストアーキテクツのWEBサイトをご覧いただけますと幸いです。