最終回│ アルフレックスジャパンの提案の広がり
2021.9.13
インテリア
保科卓
arflex japan
最終回 アルフレックスジャパンの提案の広がり
アルフレックスジャパンでは、2010年にモルテーニを、2018年にダーダの取り扱いを開始しましたが、近年はシステム収納やキッチンを含め、さらにお住まい全体のコーディネートまでお手伝いさせていただく機会が増えています。
こちらは、アルフレックスジャパンが、Molteni&Cの製品開発コンサルタントを務める 二コラ・ガリッツィアとともに作り上げた、レジデンス空間の事例です。HI-LINE 6をベースにした特注キッチンのバックパネルやコーヒーテーブルの天板には、イタリアの伝統的な建築物の外壁などによく用いられているチェッポストーンを採用。家具はもちろんのこと、アート、照明、カーテン、ラグのすべてに至るまで、弊社がニコラ・ガリッツィアと共にトータルコーディネートし、ラグジュアリーでくつろぎを感じられる空間が広がっています。
コロナ禍で二拠点生活をされる方も増えていらっしゃいますが、次の例は、海辺にセカンドハウスをおつくりになられたお客様のレジデンス空間提案の例です。立地の素晴らしさと建築のグレードを意識しつつ、オーナー様ご自身のもつ「寛ぎ感」には、「親しい方たちと楽しく過ごす時間」ということがあったため、リビングダイニングとテラス(+プール)までをひとつのスペースと考え、どの場所からでも人の気配や楽しさが伝わることに配慮しました。また、素材の持つ本物感(無垢材や綿のグレードまで)を感じていただける、くつろぎのレジデンス空間をご提案しました。特に室内は海を抱え込むような素晴らしい土地と建物の関係を、形や色で邪魔してしまわぬよう配慮し、色はアートなどで調整し、室内・屋外の家具、特注家具においては、素材感や質感にこだわりました。
アルフレックスジャパンでは、現在、オリジナルの〈arflex(アルフレックス)〉と、今回ご紹介したモルテーニ・ダーダの他に、イタリアの無垢材を中心とした家具を得意とする〈Riva1920(リーヴァ)〉、アウトドア家具〈RODA(ロダ)〉の全5ブランドをお取り扱いしています。どのブランドも、アルフレックスの特徴である「シンプルで飽きがこなくてデザインが主張しすぎない」点で、ブランド同士の相性が合うことが大切であり、各商品カテゴリーで自社ブランドと組み合わせた提案ができるものばかりです。
また、カタログでご紹介している製品の他、お客様のご要望にあわせた特注家具のご相談も承っています。
過去4 回を通して、弊社が取り扱うダーダのキッチンや、収納やキッチンを含めた近年のアルフレックスジャパンのご提案の広がりなどについてお話しさせていただきました。昨年から続くコロナ禍の影響で暮らしの中で様々な制約は生じていますが、新たな気付きも大変多くあるように思います。弊社では直営店は緊急事態宣言下では事前予約制とさせていただき、お客様に安心してご来店いただけるよう、感染症対策を徹底してご案内を行っています。また、社員のリモートワークを推奨しています。私自身も昨年、弊社の拠点がある河口湖にある、30年以上前に弊社が開発に携わった集合住宅の1軒を、ご縁があって購入し東京と河口湖の二拠点生活を始めました。なかには完全にリモートワークができる社員もいて、片道2時間以上かかっていた毎日の通勤時間分を自由に過ごせるようになったという例もあり、社員が時間や場所に縛られずに、生き生きと仕事とプライベートを楽しめる会社にしていきたいと思っています。社員が心豊かな生活を送ることが、お客様への豊かな提案にもつながると考え、お客様とともに豊かな暮らしを実践する企業になれたらというのが私の夢です。
家具は住み手の個性を引き立たせるための脇役であり、居心地のよい空間づくりに欠かせない「生活の道具」です。その名脇役たる家具は、⻑く安心して使えるものでありたい。愛着を持って家具を大切にすることは、自分の人生を大切に思うことにつながると、わたしたちは考えます。これからも家具のご提案を通じて、お客さまの暮らしに寄り添い、豊かな生活の実現のお手伝いができたら幸いです。
アーネスト様には今回貴重な機会をいただきましたこと、改めてお礼申し上げます。
ありがとうございました。