2020.2.10

キッチン

相場文子

allmilmo

キッチン+インテリアそして今後

昨今、インテリアとキッチンの垣根がなくなってきていると感じます。数年前からドイツキッチンメーカーもリビング家具収納や洗面、洗濯をしたりアイロンがけをするユーティリティースペースの提案などにも力を入れています。イタリアメーカーに至っては、家具ブランドがキッチンブランドを傘下に収めるなど、家の中のほぼ全てのインテリアに関わることができる会社もあるようです。
有名なイタリアの家具デザイナー達がキッチンをデザインしているブランドも増えつつあります。このことはイタリアのミラノサローネやドイツのケルンメッセなどでも顕著に現れており、照明や家具、小物もキッチンを提案していく上で不可欠な要素になってきています。今後は建築そしてインテリアをより理解していくことが、キッチン+リビングダイニングという1つになりつつある空間を表現するためにとても大切であると感じます。

個人的には、アルミルモのパネル材などを建築材料として使い、壁面や建具の仕上げ材として採用することで、リビングルームとの一体感と個性を出すことに面白さを感じています。また、私の好きなレトロやクラシックデザインを自分流にアレンジして、ちょっとユニークでジェンダーレスな一味違うキッチンにも挑戦していきたいです。その為には四方にアンテナを張って色々なことに興味を持ち、吸収していかなければと思う今日この頃です。

上記の他に、これからの目標の1つにドイツメーカーにおける商品開発があります。今まで、ハイブランドからミドルクラスまで9つのキッチンブランドを取り扱い、約20年間で300以上のキッチンを納めてきました。メーカーから与えられた部材を駆使して、自分らしい組み合わせを模索しプランすることも楽しい仕事ですが、たくさんのブランドを経験してきたからこそ、それぞれの良い部分を取り入れて新商品の開発やカタログ、プランナーブックなどの制作に携わり、より魅力的なブランドを作っていきたいと考えています。自分で新しい機能のあるキャビネットを企画したり、プロダクトデザインを得意とする建築家やアーティストに新しい扉デザインを依頼したり、斬新で面白いハンドルや小物などを世界中から見つけてきてキッチンに取り入れる事もまた興味深い仕事の1つです。
「こんな物があればいいなー」と長年思い描いてきものがキッチンデザイナー兼メーカーの一員として実現できたら、それが私の集大成となるでしょう。

キッチンビジネスをスタートした時は、自分の好きな商品を、自分がベストと思った場所で、自分が信頼する人たちと一緒に仕事することが目標でした。今は、自分が見たことのない商品を、自分が経験したことのないフィールドで、自分が尊敬する人たちと一緒に作り上げることができればと思っています。そこに到達するまでは、まだまだ時間はかかりそうですが諦めず日々精進していきたいと思います。

1月20日から4回にわたり、私のつたない文章にお付き合いいただきありがとうございました。本年4月に開催されるミラノサローネではアルミルモも出展して私も参加しております。サローネに来られた際には是非アルミルモブースにもお立ち寄りください。

壁面と建具にアルミルモの突板材を採用し男前な印象に
リビングにもキッチンと同じ扉材のオリジナル収納とグリーンを
5mの高さにウォールナット扉材を建築壁として表現
沢山の種類の面材に個性的な照明や家具を合わせて


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