第三回│世界に一つだけのオーダーキッチン
2019.6.3
キッチン
北村壽子
beluga
世界に一つだけのオーダーキッチン ~Bespokeでつくる貴女ブランド~
私は15年以上も前から「キッチンはインテリア」と言ってきました。キッチンは作業場からコミュニケーションの場となり、レイアウトもオープンキッチンやアイランドキッチン等LDKの中で重要な位置を占めています。まさにインテリアとしての存在感は否めません。ですからLDKはキッチンを核にして設計することが重要だと考えています。弊社のコンセプトは女性目線(使う人)で4つのキーワードに基づいてBespokeしながらデザインプロデュースします。
アーネストホームさんとの出会いはアーネストスクエア株式会社代表取締役社長 村木達也様からのご紹介でクラフトスピリッツさんにご縁をいただいてからです。アーネストホームさんが数十年前に手掛けた戸建てで、2世帯住宅の大掛かりなリフォーム案件でした。キッチンが2セットあるお宅で若夫婦のキッチンを担当させていただきました。
キッチンを分解して各エレメントを決めていきます。カウンターの材料や設備機器のセレクトや扉のデザインやカラー、シンクや水栓、引き出しBOXのパーツや収納物の位置や使い勝手などなど、隠れて見えない引き出しの金物までセレクトします。お客様と一緒にサプライヤーのショールームを巡り、いろいろ比較検討することも情報の共有という意味では大切な仕事です。設計の方と打ち合わせしながら家全体のインテリアと融合させていくことも重要なファクターでした。勿論、予算に応じてプロの情報の引き出しを活用してのアドバイスもさせていただきました。お施主様の若夫婦とBespokeしながら創り上げたキッチンです。「入居後もとても満足しています」との感想もいただきました。この言葉をいただけることが嬉しく、やってて良かったと誇らしく思います。
Bespokeとはイギリスなどの看板によく見られる言葉です。テーラーや靴などをオートクチュールする時にいろいろ話し合うことで、お客様の要望を聞きながらプロの意見も出しながら一緒に作り上げていくことです。オーダーキッチンは本来そうでなくてはいけないといつも思っています。
「オーダーキッチンできます」と看板掲げているメーカーさんや工務店さんがたくさんあります。私の友人が億の家を買いました。キッチンは既に設置されていましたが、いろいろオーダーできますと言われ、彼女は多くの夢や希望をもって打ち合せに臨んだのだけれど、残念ながら彼女の希望の1割も叶わなかったということでした。また、憧れの食洗機はキッチンメーカーのあてがいぶちでしたので、イメージと違うと助けを求められてその部分のみリフォームしました。
そんな不満を他の方からも沢山聞く中で、オーダーキッチンを望まれている方々が迷われていることを実感しました。誰にどんなふうに頼んだら良いのか?そこでメーカー側ではなく、お客さん側に立ったアドバイスのできる入門書があれば良いなと考えて今回、本を出版させていただきました。
ところで、あなたにこんな質問をしてみます。「今のキッチンに満足していますか?」「他人に見せられますか?」――これに自信を持って「はい」と答えられる人は、一体どれくらいいらっしゃるでしょうか。家をリフォームする際、また住宅購入時でもこだわりの第1位がキッチンというデータがあります。使い勝手の良い、快適なスペースで料理をしたいのは誰もが思うことです。そこにはきっと人を招いても、できれば誇れるキッチンにしたいとの願いもあるでしょう。にもかかわらず、皆さんキッチン選びには妥協を強いられています。
お客様自身に本当に合ったキッチン。お客様の要望に応える特注品、オートクチュール。それがオーダーキッチンです。
よく「Belugaさんのキッチンブランドはどんなものですか?」と聞かれます。Bespokeしながら作る世界で一つだけのオーダーキッチンです。ですからしいて言えば「貴女ブランド」ですと申し上げます。ご自身の夢や思いを形にしたものですから、それは唯一無二のものです。「HAPPY」と言っていただける、そんなお手伝いが出来たら嬉しく思います。ご興味を感じてくださいましたなら、下記の本を手に取ってご一読いただければ幸いです。