「アーネストコラム洒洒落落」 株式会社美創の代表 渋川 朋之さん 第三回「趣味の世界」

趣味の世界




会社を興して今年で36年になります。
この間、会社の進路を決めるY字路に2回出会いました。右を取るか左を取るか。この時の判断の最後の指針は経験と情報に基づく勘が頼りになります。現代人は勘が鈍くなったと云われます。生まれたときから転ばぬ先の杖が張りめぐらされ危険を含む察知能力を必要とせず、本来備わっていたこれら動物的本能を退化させてしまったからでしょうか。




私は小さい頃から深山渓谷を走りまわっていました。父が釣り一筋に生きた人で普通の子供が遊びに行く動物園、遊園地とは縁がなく、20代のときに父の友人である「つり人社」社長、竹内始万氏の釣りのお供をさせて頂いた事も私が渓流釣りにのめり込むきっかけとなりました。
氏が常に口にしていた事は、自然に対する敬意といたわり、そして釣り師としてのマナーでした。釣友同行者と川辺に立つ全ての人への気配り、そして必要以上の釣果を求めず、特に自然環境の保護には釣界の公人として1973年に亡くなるまで自らの行動をもって警鐘を鳴らし続けた人でした。


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関東地方では渓流釣りは3月から9月までが遊魚期間でそれ以外の月は禁魚となります。雪代の混じる冷たい早春の川から秋の雨の降り続く濁って増水した川など渓流は危険な場所です。
朝、川に入り山女、岩魚を代表とする渓流魚を追って上流へ向かって一日10キロ程川を遡ります。
ベテランになればなるほど餌釣り、毛ばり釣りを問わずその川での自分のポイントを持っています。その瀬、その淵で竿を振れば必ず釣れる自分だけのポイントです。しかし、危険はそこに潜んでいます。無理をしてでもそこへ行きたいのが釣り師の真理ですが、崖をよじ登り急流を渡れる体力を過信し、事故は起こります。私も30年前に二人の釣友を川で亡くしています。


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早戸川源流域






秋の川では熊やマムシにも要注意ですが、私は50年前多摩川の支流の大丹波川源流で漂泊の民と呼ばれたサンカ(部落民)を見かけたことがあります。奥には行くなと注意はされていましたが。


こうした危険と隣りあわせであるのに渓流釣りは基本的には終日一人きりです。魚は敏感で気配を察すると半日石の影に隠れて出てきません。川で先行者の人影を見たり岩の上に濡れた足跡を発見した時は諦めて場所を変えるか、足跡を見ながら先行者が見落としたポイントを探って餌や仕掛けを変えながら拾い釣りをしてゆきます。魚の生態を知り、勘を養うと云う意味ではこちらの方が楽しい場合があります。自然の中で安全に一日を楽しく過ごす為には事前の調査と現地での細かい観察が必要です。川相の状況、水の色、水量等特に上流部にダム、堰堤がある川では水温、水流の変化に注意が必要です。放水の前後では川相が変わって身動き取れなくなることもあるからです。






釣果につながる観察では水中の石浦に宿る川虫の種類と朝夕川面を飛ぶ羽虫の状況、さらに上流に養魚場、養鶏場等ある場合にはそこで使われている餌がこの川での最適な餌となります。毛ばりも生き餌もいかに自然に見せるかが大事です。山女、岩魚は悪食で貧欲ですが、口に含んでもかすかな不自然さを察して吐き出してしまいます。例えば雨降りで川が濁った日はキジ(ミミズ)が最適です。崩れた護岸から多くのキジが流れて魚は警戒心を解くからです。


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伊豆大見川中流域






単に魚釣りですが自然の変化に対応する判断と行動力、水中の魚との心理戦、状況に合わせた道具や餌の使い分け等、遊びの中からでも得ることは多く、若い頃に竹内氏から学んだ人や自然への限りない思いやりと共に今では私の血肉の一部になっている様にも思われます。








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