アーネストコラム酒酒落落 表千家教授 関 博子さん 最終回「これからの茶道」

「これからの茶道」




私が主人の仕事の関係で海外に行くようになったのは、約30年前になるのですが、その頃海外の方と接して感じたことは、我々日本人とは違った視点を持っているということ。日本人はあまり興味を持たないところにも、深く関心を寄せていることに驚きました。日本の歴史や文化について、私がすべて知っている前提でお話をされるので、当時は応えられるように勉強しました(笑)




昨年はネパールで、今年の6月にはオーストラリアのシドニーでお道具や着物を持参してお茶を点てたのですが、こちらが、「これは無理かな?」と思っていることも、海外の方は難なくこなす方が多く、驚きました。私たちが思っている以上に茶道を理解しておられたので、きっといろいろ勉強なさったのだと思います。茶道を続けてもらえるように、使ったお道具はできるだけ現地に置いて来るようにしています。草の根運動ですが、茶道を体験した方から徐々に茶道の良さが海外にも伝わって欲しいと願っています。また、茶道を通して日本文化にも興味を持っていただけるでしょう。例えば、着ている着物や帯についても関心を寄せ、質問を受けます。茶道は茶道にまつわる、お茶碗や掛軸、着物やお花。炭や書など多くの要素が茶道というものを築く総合文化です。今後 茶道を通してさまざまな日本文化を世界に広められたらうれしいですね。


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海外での茶会の様子






日本の方は、「茶道は敷居が高くて・・・」と敬遠されるところがありますが、海外の方は知りたい、触れたいという欲求の方が高いようです。日本人は事前に調べ、考えてから行動しますが、海外の方はまず行動!行動してから考えるスタイルの方が多いですね。そこが大きな違いだと思います。ただ、日本の方は始められると長く続きます。ですから、始めの一歩を踏み出す行動力を皆様には持ってもらいたいです。


また、茶道イコール着物と考える方も多いですが、お稽古は必ず着物という訳ではありません。洋服の方も多くいらっしゃいます。でも、もし自分で着ることは出来ないが、箪笥に眠っている着物があるなら、持参するように話します。何人かのお弟子さんは早めに来て、着付けの練習を兼ねて稽古前に着物に着替えています。着る機会が増えれば自然に着られるようになりますし、折角着物をお持ちなら着ないと勿体無い。お弟子さんの中には、嫁入り道具として着物を持っているが、着る機会がなく、まだしつけもしたままという方も。やっと着る機会が出来たと喜んでおられました。


まずは、日本の皆さんも海外の方を見習って、興味をお持ちなら、まず行動を起こしてお茶の世界に触れてほしい。色々考えてハードルを高くするのではなく、出来るところから始められてはいかがでしょうか。私もお茶を始めた頃は、着物をひとりで着ることが出来ませんでした。でも、お茶を習うことで着物を着る機会が増え、着られるようになったのです。今では洋服と変わらない時間で着付けることができるようになりました。これも、お茶から広がった世界ですね。


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お稽古でも着物を着る方が増えました




歩き方や座り方、お茶碗を持つ仕草やお箸の使い方など、茶道は日常の生活で活きることも多く、例えば、お箸を使う際に片手でお箸を持ち、お皿などを突いて揃えられる方がいますが、手を添えて揃えるだけで、その方の印象がぐっと変わると思います。昔、お茶お花は花嫁修業と言われたことがありましたが、きっと、そのような由縁ではないでしょうか。茶道は日常生活の動作や仕草にも活き、その方を形成する要素に繋がると思います。




現代は畳のお部屋が少なくなり、正座をするのが苦手な方も多いので、茶道は段々先細りになっていくのではないかと言われる方もいらっしゃいますが、私は決してそんなことはないと思っています。多少時代に合わせて変化する部分はあると思いますが、茶道の真髄は変わることなく受け継がれていくと思います。現代はストレス社会と言われ、自然に触れる機会や四季折々を感じることも少なくなっています。忙しい現代社会だからこそ、静寂を感じる非日常の和の世界が、今、必要とされるのではないでしょうか。


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